45 / 116
話を聞くのが楽しい。 1話
しおりを挟む
「そういえば、リンブルグは他国から妃を、とのことですが……一人だけなのですか?」
「ああ。こっちの国は一夫多妻だっけ」
わたくしはこくりとうなずいた。側室の子は第一王女のビアンカさまだけだ。おそらく他国に嫁ぐことになるだろうと話していたことを思い出す。
とても懐いてくれて、『カミラお姉さま』と花のように笑う彼女のことを、何度可愛いと思ったことか……! 王城での癒しなのよね、ビアンカさま。
「リンブルグは一夫一妻だなぁ」
「ですね。子どものことに関しても、王太子候補はたくさんいるわけですし」
「あの、王太子になりたい方って、あまりいなかったのですか?」
いないから押し付けられた、と苦々しくつぶやくレグルスさまを見て、国の在り方って様々なのね、と遠い目をすることしかできなかった。
「まぁ、なりたい人は多少いたけど、それは陛下が指名した候補じゃない人だったし……正直、あんまり関わり合いになりなくない部類の性格のヤツだったから、こっちも結構苦労したよなぁ?」
「ええ、なかなか姑息な手を使う人でしたからねぇ」
この人たち、どうしてそんなにあっさりと口にできるのかしら?
「まぁ、そんなわけで俺と婚約すると、国もついてくるわけだけど」
「……なんだか、不思議なくらい、大丈夫な気がしてきました」
「私もカミラさまなら絶対大丈夫だと思います。問題は私ですよ、侍女って貴族じゃなくてもなれましたっけ?」
「その手続きはリンブルグでやれば大丈夫だと思いますよー。いやぁ、面白くなってきましたね、レグルスさま」
この状況を面白がれることに感心してしまう。心に余裕があるということかしら?
レグルスさまはふっと微笑みを浮かべて、同意するように「そうだな」とうなずいた。
リンブルグの国民がわたくしを受け入れてくれるかはわからないけれど、彼らの話を聞いていると大丈夫な気がしてきたわ。
「たっぷり話し込んじゃいましたね」
最後の一切れを食べてから、ブレンさまが言葉をこぼす。
お代わりしたカフェオレも、もう残っていない。
長居してしまったね……それだけ、彼らの話が興味深かったということ。
「また今度、デートしましょう。今度はふたりきりでどうですか?」
クロエに尋ねるブレンに、わたくしとレグルスさまは視線を交わしてから彼女を見る。
ビックリしたように目を丸くしたけれど、頬を赤らめて「は、はい……」と承諾の言葉をつぶやいた。
ブレンさまって結構ぐいぐいアプローチしていくタイプなのね。
クロエも満更ではなさそうだし……このまま恋人になるのかしら?
もしもそうなったら、素敵なことだと思う。
「俺たちも今度、ふたりきりでデートしよう。きみの身体が戻ってから、になるけどさ」
レグルスさまに誘われて、自分の顔が赤くなるのがわかった。ゆっくりとうなずいて彼を見ると、嬉しそうに目元を細めて笑った。
「ああ。こっちの国は一夫多妻だっけ」
わたくしはこくりとうなずいた。側室の子は第一王女のビアンカさまだけだ。おそらく他国に嫁ぐことになるだろうと話していたことを思い出す。
とても懐いてくれて、『カミラお姉さま』と花のように笑う彼女のことを、何度可愛いと思ったことか……! 王城での癒しなのよね、ビアンカさま。
「リンブルグは一夫一妻だなぁ」
「ですね。子どものことに関しても、王太子候補はたくさんいるわけですし」
「あの、王太子になりたい方って、あまりいなかったのですか?」
いないから押し付けられた、と苦々しくつぶやくレグルスさまを見て、国の在り方って様々なのね、と遠い目をすることしかできなかった。
「まぁ、なりたい人は多少いたけど、それは陛下が指名した候補じゃない人だったし……正直、あんまり関わり合いになりなくない部類の性格のヤツだったから、こっちも結構苦労したよなぁ?」
「ええ、なかなか姑息な手を使う人でしたからねぇ」
この人たち、どうしてそんなにあっさりと口にできるのかしら?
「まぁ、そんなわけで俺と婚約すると、国もついてくるわけだけど」
「……なんだか、不思議なくらい、大丈夫な気がしてきました」
「私もカミラさまなら絶対大丈夫だと思います。問題は私ですよ、侍女って貴族じゃなくてもなれましたっけ?」
「その手続きはリンブルグでやれば大丈夫だと思いますよー。いやぁ、面白くなってきましたね、レグルスさま」
この状況を面白がれることに感心してしまう。心に余裕があるということかしら?
レグルスさまはふっと微笑みを浮かべて、同意するように「そうだな」とうなずいた。
リンブルグの国民がわたくしを受け入れてくれるかはわからないけれど、彼らの話を聞いていると大丈夫な気がしてきたわ。
「たっぷり話し込んじゃいましたね」
最後の一切れを食べてから、ブレンさまが言葉をこぼす。
お代わりしたカフェオレも、もう残っていない。
長居してしまったね……それだけ、彼らの話が興味深かったということ。
「また今度、デートしましょう。今度はふたりきりでどうですか?」
クロエに尋ねるブレンに、わたくしとレグルスさまは視線を交わしてから彼女を見る。
ビックリしたように目を丸くしたけれど、頬を赤らめて「は、はい……」と承諾の言葉をつぶやいた。
ブレンさまって結構ぐいぐいアプローチしていくタイプなのね。
クロエも満更ではなさそうだし……このまま恋人になるのかしら?
もしもそうなったら、素敵なことだと思う。
「俺たちも今度、ふたりきりでデートしよう。きみの身体が戻ってから、になるけどさ」
レグルスさまに誘われて、自分の顔が赤くなるのがわかった。ゆっくりとうなずいて彼を見ると、嬉しそうに目元を細めて笑った。
106
あなたにおすすめの小説
聖女を騙った少女は、二度目の生を自由に生きる
夕立悠理
恋愛
ある日、聖女として異世界に召喚された美香。その国は、魔物と戦っているらしく、兵士たちを励まして欲しいと頼まれた。しかし、徐々に戦況もよくなってきたところで、魔法の力をもった本物の『聖女』様が現れてしまい、美香は、聖女を騙った罪で、処刑される。
しかし、ギロチンの刃が落とされた瞬間、時間が巻き戻り、美香が召喚された時に戻り、美香は二度目の生を得る。美香は今度は魔物の元へ行き、自由に生きることにすると、かつては敵だったはずの魔王に溺愛される。
しかし、なぜか、美香を見捨てたはずの護衛も執着してきて――。
※小説家になろう様にも投稿しています
※感想をいただけると、とても嬉しいです
※著作権は放棄してません
【完結】長い眠りのその後で
maruko
恋愛
伯爵令嬢のアディルは王宮魔術師団の副団長サンディル・メイナードと結婚しました。
でも婚約してから婚姻まで一度も会えず、婚姻式でも、新居に向かう馬車の中でも目も合わせない旦那様。
いくら政略結婚でも幸せになりたいって思ってもいいでしょう?
このまま幸せになれるのかしらと思ってたら⋯⋯アレッ?旦那様が2人!!
どうして旦那様はずっと眠ってるの?
唖然としたけど強制的に旦那様の為に動かないと行けないみたい。
しょうがないアディル頑張りまーす!!
複雑な家庭環境で育って、醒めた目で世間を見ているアディルが幸せになるまでの物語です
全50話(2話分は登場人物と時系列の整理含む)
※他サイトでも投稿しております
ご都合主義、誤字脱字、未熟者ですが優しい目線で読んで頂けますと幸いです
※表紙 AIアプリ作成
[完結中編]蔑ろにされた王妃様〜25歳の王妃は王と決別し、幸せになる〜
コマメコノカ@女性向け・児童文学・絵本
恋愛
王妃として国のトップに君臨している元侯爵令嬢であるユーミア王妃(25)は夫で王であるバルコニー王(25)が、愛人のミセス(21)に入り浸り、王としての仕事を放置し遊んでいることに辟易していた。
そして、ある日ユーミアは、彼と決別することを決意する。
【完結】旦那様、わたくし家出します。
さくらもち
恋愛
とある王国のとある上級貴族家の新妻は政略結婚をして早半年。
溜まりに溜まった不満がついに爆破し、家出を決行するお話です。
名前無し設定で書いて完結させましたが、続き希望を沢山頂きましたので名前を付けて文章を少し治してあります。
名前無しの時に読まれた方は良かったら最初から読んで見てください。
登場人物のサイドストーリー集を描きましたのでそちらも良かったら読んでみてください( ˊᵕˋ*)
第二王子が10年後王弟殿下になってからのストーリーも別で公開中
タイムリープ〜悪女の烙印を押された私はもう二度と失敗しない
結城芙由奈@コミカライズ3巻7/30発売
恋愛
<もうあなた方の事は信じません>―私が二度目の人生を生きている事は誰にも内緒―
私の名前はアイリス・イリヤ。王太子の婚約者だった。2年越しにようやく迎えた婚約式の発表の日、何故か<私>は大観衆の中にいた。そして婚約者である王太子の側に立っていたのは彼に付きまとっていたクラスメイト。この国の国王陛下は告げた。
「アイリス・イリヤとの婚約を解消し、ここにいるタバサ・オルフェンを王太子の婚約者とする!」
その場で身に覚えの無い罪で悪女として捕らえられた私は島流しに遭い、寂しい晩年を迎えた・・・はずが、守護神の力で何故か婚約式発表の2年前に逆戻り。タイムリープの力ともう一つの力を手に入れた二度目の人生。目の前には私を騙した人達がいる。もう騙されない。同じ失敗は繰り返さないと私は心に誓った。
※カクヨム・小説家になろうにも掲載しています
私が死んで満足ですか?
マチバリ
恋愛
王太子に婚約破棄を告げられた伯爵令嬢ロロナが死んだ。
ある者は面倒な婚約破棄の手続きをせずに済んだと安堵し、ある者はずっと欲しかった物が手に入ると喜んだ。
全てが上手くおさまると思っていた彼らだったが、ロロナの死が与えた影響はあまりに大きかった。
書籍化にともない本編を引き下げいたしました
赤貧令嬢の借金返済契約
夏菜しの
恋愛
大病を患った父の治療費がかさみ膨れ上がる借金。
いよいよ返す見込みが無くなった頃。父より爵位と領地を返還すれば借金は国が肩代わりしてくれると聞かされる。
クリスタは病床の父に代わり爵位を返還する為に一人で王都へ向かった。
王宮の中で会ったのは見た目は良いけど傍若無人な大貴族シリル。
彼は令嬢の過激なアプローチに困っていると言い、クリスタに婚約者のフリをしてくれるように依頼してきた。
それを条件に父の医療費に加えて、借金を肩代わりしてくれると言われてクリスタはその契約を承諾する。
赤貧令嬢クリスタと大貴族シリルのお話です。
【完結】使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます
腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった!
私が死ぬまでには完結させます。
追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。
追記2:ひとまず完結しました!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる