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マティス殿下と距離を置くわ。 2話
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◆◆◆
――翌日、わたくしが目を覚ますと早朝五時くらいだった。……習慣って怖いわね。まさかこの時間に目覚めるとは思わなかったわ。
でもまぁ、わたくしの精神はそのままなのだから、当然といえば当然なのかもしれない。
それにしても……この部屋、殺風景なだけじゃなくてちょっと埃っぽいわ。マーセルはあまりこの部屋にいなかったのかしら? だとしたら……マティス殿下と同じ部屋にいたってこと? ……いやね、想像したところでどうにかなるわけでもないのに。
「この埃っぽさ、気になるわね……」
ベッドから抜け出してクローゼットに向かい、ネグリジェから着替える。掃除道具も近くに置いてあったので、それらを手にしてみた。
置いてあっても使われた気配がないわね、この掃除道具……。なら、わたくしがしっかり使ってあげましょう。
魔法でぱぱっと済ませるのは簡単だけど、自分の手で掃除をするのって割と好きなのよね。
侍女に「私の仕事を取らないでくださいー!」と鳴かれたこともあるくらい、自分の手で掃除をするのが好きだった。
……だって、良い気分転換になるんだもの。
マティス殿下の隣に立つからって、ぎちぎちに詰められたスケジュールをこなしていったのよね。このままでは心が死ぬ。そう悟ったわたくしは、一日に五分だけでも良いから自由な時間がほしいと両親に伝え、勝ち取ったのはたったの十分。
その十分で、自分の手で掃除をすることで、心の平静さを保っていたのよ。
一度、思う存分……自分の手で、掃除がしてみたかったの!
こんな状況だというのに、胸がわくわくしてきた。三角巾とマスク、エプロンを身につけてはたきを手にし、パタパタと埃を落とす。
素晴らしいわ、マーセル! なんて掃除のし甲斐がある部屋なの!
掃除は上からっていうものね。パタパタはたきをかけて落とした埃をほうきで集め、ちり取りでまとめてゴミ箱へ。
床をしっかりと水拭き、乾拭きをしてきれいにすると、心まで軽くなっていくようだわ。
まだ時間があるし、この調子で窓の掃除までしちゃいましょう! ああ、せっかくのきれいな窓が汚れているわ! もったいない! 窓もサッシもピカピカに磨くと、良い運動になった気がするわ……!
自由ってなんて素晴らしいのかしら! 掃除装具は魔法できれいにした。
そういえば、ベッドの毛布もなんだか埃っぽかったのよね。良いお天気だし、干しちゃいましょう。ついでにシーツや枕カバーも取り替えて――……やだ、楽しい!
元の身体に戻るまでは、わたくし……自由にしちゃっても良いわよね?
今まで散々自由な時間なんてなかったのだから、こういうときくらい、自由にしても良いわよね?
子どもの頃から、こんなにわくわくしたことはなかったわ。
もしかしたらわたくし、今が一番楽しいのかもしれない……!
――翌日、わたくしが目を覚ますと早朝五時くらいだった。……習慣って怖いわね。まさかこの時間に目覚めるとは思わなかったわ。
でもまぁ、わたくしの精神はそのままなのだから、当然といえば当然なのかもしれない。
それにしても……この部屋、殺風景なだけじゃなくてちょっと埃っぽいわ。マーセルはあまりこの部屋にいなかったのかしら? だとしたら……マティス殿下と同じ部屋にいたってこと? ……いやね、想像したところでどうにかなるわけでもないのに。
「この埃っぽさ、気になるわね……」
ベッドから抜け出してクローゼットに向かい、ネグリジェから着替える。掃除道具も近くに置いてあったので、それらを手にしてみた。
置いてあっても使われた気配がないわね、この掃除道具……。なら、わたくしがしっかり使ってあげましょう。
魔法でぱぱっと済ませるのは簡単だけど、自分の手で掃除をするのって割と好きなのよね。
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……だって、良い気分転換になるんだもの。
マティス殿下の隣に立つからって、ぎちぎちに詰められたスケジュールをこなしていったのよね。このままでは心が死ぬ。そう悟ったわたくしは、一日に五分だけでも良いから自由な時間がほしいと両親に伝え、勝ち取ったのはたったの十分。
その十分で、自分の手で掃除をすることで、心の平静さを保っていたのよ。
一度、思う存分……自分の手で、掃除がしてみたかったの!
こんな状況だというのに、胸がわくわくしてきた。三角巾とマスク、エプロンを身につけてはたきを手にし、パタパタと埃を落とす。
素晴らしいわ、マーセル! なんて掃除のし甲斐がある部屋なの!
掃除は上からっていうものね。パタパタはたきをかけて落とした埃をほうきで集め、ちり取りでまとめてゴミ箱へ。
床をしっかりと水拭き、乾拭きをしてきれいにすると、心まで軽くなっていくようだわ。
まだ時間があるし、この調子で窓の掃除までしちゃいましょう! ああ、せっかくのきれいな窓が汚れているわ! もったいない! 窓もサッシもピカピカに磨くと、良い運動になった気がするわ……!
自由ってなんて素晴らしいのかしら! 掃除装具は魔法できれいにした。
そういえば、ベッドの毛布もなんだか埃っぽかったのよね。良いお天気だし、干しちゃいましょう。ついでにシーツや枕カバーも取り替えて――……やだ、楽しい!
元の身体に戻るまでは、わたくし……自由にしちゃっても良いわよね?
今まで散々自由な時間なんてなかったのだから、こういうときくらい、自由にしても良いわよね?
子どもの頃から、こんなにわくわくしたことはなかったわ。
もしかしたらわたくし、今が一番楽しいのかもしれない……!
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