コレは流行りの転生ですか?〜どうやら輪廻転生の方でした〜

誉雨

文字の大きさ
134 / 195
本編

素敵アイテム再び

しおりを挟む
自分が高級そうな店内に縮こまっている間に、優雅な足取りで近付いてきた店員さんにパパが声をかけていた。

「注文していた物を取りに来たんだが…」
「お待ちしておりました。どうぞ、此方へ」

店の奥にある個室に通されると、ソファに座る様に促された。
わかってはいたが個室の中も豪華だ。
一向に気が抜けない。
熊と虎は店には入って来なかったのだが、自分も外で一緒に待たせてもらえばよかったと、本気で後悔した。
横に座っているギル兄様だけが頼りだ。
とりあえずは置物の様に動かずジッとしていようと思う。

「お待たせ致しました。ご注文のお品は此方でお間違え無いでしょうか」

店員さんが恭しくトレーに乗せて持ってきたのはブローチだった。
金と銀で細工されており、真ん中には宝石が光っている。
宝石は綺麗な薄い青色で透明感が凄いのだが、これは魔道具ではなく宝飾品ではないだろうか。
おじいちゃん達が作る魔道具はもっと機械仕掛けが凄い逸品なのだ。

「あぁ、素晴らしい出来だ。感謝する」

自分には何かはわからないが、パパはとても満足しているみたいだ。

「ギルバート、これは君へのプレゼントだよ」

なんと、ギル兄様へのプレゼントだったとは。
やるな、パパ。

「僕にですか?」

ギル兄様も知らなかった様なので、サプライズだったのだろう。
嬉しそうにブローチを手に取るギル兄様が尊いです。

「これ…」
「今ならもう大丈夫だろう?」

通じ合っている2人と蚊帳の外状態の自分。
しかし、自分は空気が読める子である。
話はわからなくても、ギル兄様が嬉しそうなら自分も嬉しい。
動く事は出来ないが心の中では拍手喝采だ。

「ルシー、この宝石の中、見える?」

そんな自分にギル兄様は気をつかって話しかけてくれた。

「ファル君にも贈るからね」

パパが自分にもと言っているが、こんな高級そうな物はいらない。
しかし、宝石の中に何か入っているのだろうか。
ギル兄様は宝石の中を見るように言っていた。
ギル兄様の手の中にあるブローチを覗き込むと、何かの模様が描かれていた。
絵心がない自分には何が描かれているのか全くわからない。

「にゃに?」
「これは白熊と鯱、それから竜が描かれているんだよ」

どうやら家族構成の図案が模様化されているようだ。
本来なら10歳の誕生日に贈られる物だったのだが、ギル兄様が竜人族としての自分を嫌悪していた事からパパは贈るのを見送っていたらしい。
そして、魔道具としての性能は1日に1回だけだが贈った人に連絡が取れるという優れ物だった。
ただし一方通行なので、ギル兄様からパパへしか連絡は出来ないようだ。
それでも羨ましい。
どうやって連絡が来るのかはわからないが、待っているだけで毎日が楽しくなりそうだ。
勿論、ギル兄様限定でだが。

「我が家の伝統なんだよ。ファル君の時は白熊と、竜と…何になるのかな?」

パパに任せたらコロポックルになりそうだ。

「父上、ありがとうございます」

何度でもいうがギル兄様が嬉しいなら、何も問題ないのだ。
パパが店員さんに声をかけてブローチを包んでもらった。
そしてやっとこの高級店から出られてホッとしてしまったのか、お店を出た直後に転んでしまった。
恥ずかしい。

ギル兄様が慌てて抱き起こしてくれ、そのまままた抱っこで移動する事になってしまったのだが、やはりもう少し足腰の強化が必要だと痛感した。
明日から自分で歩く努力をしようと思う。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【完結】テルの異世界転換紀?!転がり落ちたら世界が変わっていた。

カヨワイさつき
BL
小学生の頃両親が蒸発、その後親戚中をたらいまわしにされ住むところも失った田辺輝(たなべ てる)は毎日切り詰めた生活をしていた。複数のバイトしていたある日、コスプレ?した男と出会った。 異世界ファンタジー、そしてちょっぴりすれ違いの恋愛。 ドワーフ族に助けられ家族として過ごす"テル"。本当の両親は……。 そして、コスプレと思っていた男性は……。

男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。

カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。 今年のメインイベントは受験、 あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。 だがそんな彼は飛行機が苦手だった。 電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?! あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな? 急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。 さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?! 変なレアスキルや神具、 八百万(やおよろず)の神の加護。 レアチート盛りだくさん?! 半ばあたりシリアス 後半ざまぁ。 訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前 お腹がすいた時に食べたい食べ物など 思いついた名前とかをもじり、 なんとか、名前決めてます。     *** お名前使用してもいいよ💕っていう 心優しい方、教えて下さい🥺 悪役には使わないようにします、たぶん。 ちょっとオネェだったり、 アレ…だったりする程度です😁 すでに、使用オッケーしてくださった心優しい 皆様ありがとうございます😘 読んでくださる方や応援してくださる全てに めっちゃ感謝を込めて💕 ありがとうございます💞

【8話完結】いじめられっ子だった俺が、覚醒したら騎士団長に求愛されました

キノア9g
BL
いじめられ続けた僕は、ある日突然、異世界に転移した。 けれど、勇者として歓迎されたのは、僕を苦しめてきた“あいつ”の方。僕は無能と決めつけられ、誰からも相手にされなかった。 そんな僕に手を差し伸べてくれたのは、冷酷と恐れられる騎士団長・ジグルドだった。 なのに、あいつの命令で、僕は彼に嘘の告白をしてしまう――「ジグルドさんのことが、好きなんです」 それが、すべての始まりだった。 あの日から彼は、僕だけをまっすぐ見つめてくる。 僕を守る手は、やさしく、強くて、どこまでも真剣だった。 だけど僕には、まだ知られていない“力”がある。 過去の傷も、偽りの言葉も超えて、彼の隣にいてもいいのだろうか。 これは、いじめられっ子の僕が“愛されること”を知っていく、嘘と覚醒の物語。 全8話。

公爵家の末っ子に転生しました〜出来損ないなので潔く退場しようとしたらうっかり溺愛されてしまった件について〜

上総啓
BL
公爵家の末っ子に転生したシルビオ。 体が弱く生まれて早々ぶっ倒れ、家族は見事に過保護ルートへと突き進んでしまった。 両親はめちゃくちゃ溺愛してくるし、超強い兄様はブラコンに育ち弟絶対守るマンに……。 せっかくファンタジーの世界に転生したんだから魔法も使えたり?と思ったら、我が家に代々伝わる上位氷魔法が俺にだけ使えない? しかも俺に使える魔法は氷魔法じゃなく『神聖魔法』?というか『神聖魔法』を操れるのは神に選ばれた愛し子だけ……? どうせ余命幾ばくもない出来損ないなら仕方ない、お荷物の僕はさっさと今世からも退場しよう……と思ってたのに? 偶然騎士たちを神聖魔法で救って、何故か天使と呼ばれて崇められたり。終いには帝国最強の狂血皇子に溺愛されて囲われちゃったり……いやいやちょっと待て。魔王様、主神様、まさかアンタらも? ……ってあれ、なんかめちゃくちゃ囲われてない?? ――― 病弱ならどうせすぐ死ぬかー。ならちょっとばかし遊んでもいいよね?と自由にやってたら無駄に最強な奴らに溺愛されちゃってた受けの話。 ※別名義で連載していた作品になります。 (名義を統合しこちらに移動することになりました)

【WEB版】監視が厳しすぎた嫁入り生活から解放されました~冷徹無慈悲と呼ばれた隻眼の伯爵様と呪いの首輪~【BL・オメガバース】

古森きり
BL
【書籍化決定しました!】 詳細が決まりましたら改めてお知らせにあがります! たくさんの閲覧、お気に入り、しおり、感想ありがとうございました! アルファポリス様の規約に従い発売日にURL登録に変更、こちらは引き下げ削除させていただきます。 政略結婚で嫁いだ先は、女狂いの伯爵家。 男のΩである僕には一切興味を示さず、しかし不貞をさせまいと常に監視される生活。 自分ではどうすることもできない生活に疲れ果てて諦めた時、夫の不正が暴かれて失脚した。 行く当てがなくなった僕を保護してくれたのは、元夫が口を開けば罵っていた政敵ヘルムート・カウフマン。 冷徹無慈悲と呼び声高い彼だが、共に食事を摂ってくれたりやりたいことを応援してくれたり、決して冷たいだけの人ではなさそうで――。 カクヨムに書き溜め。 小説家になろう、アルファポリス、BLoveにそのうち掲載します。

【本編完結】転生したら、チートな僕が世界の男たちに溺愛される件

表示されませんでした
BL
ごく普通のサラリーマンだった織田悠真は、不慮の事故で命を落とし、ファンタジー世界の男爵家の三男ユウマとして生まれ変わる。 病弱だった前世のユウマとは違い、転生した彼は「創造魔法」というチート能力を手にしていた。 この魔法は、ありとあらゆるものを生み出す究極の力。 しかし、その力を使うたび、ユウマの体からは、男たちを狂おしいほどに惹きつける特殊なフェロモンが放出されるようになる。 ユウマの前に現れるのは、冷酷な魔王、忠実な騎士団長、天才魔法使い、ミステリアスな獣人族の王子、そして実の兄と弟。 強大な力と魅惑のフェロモンに翻弄されるユウマは、彼らの熱い視線と独占欲に囲まれ、愛と欲望が渦巻くハーレムの中心に立つことになる。 これは、転生した少年が、最強のチート能力と最強の愛を手に入れるまでの物語。 甘く、激しく、そして少しだけ危険な、ユウマのハーレム生活が今、始まる――。 本編完結しました。 続いて閑話などを書いているので良かったら引き続きお読みください

龍は精霊の愛し子を愛でる

林 業
BL
竜人族の騎士団団長サンムーンは人の子を嫁にしている。 その子は精霊に愛されているが、人族からは嫌われた子供だった。 王族の養子として、騎士団長の嫁として今日も楽しく自由に生きていく。

ネグレクトされていた四歳の末娘は、前世の経理知識で実家の横領を見抜き追放されました。これからはもふもふ聖獣と美食巡りの旅に出ます。

旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
アークライト子爵家の四歳の末娘リリアは、家族から存在しないものとして扱われていた。食事は厨房の残飯、衣服は兄姉のお下がりを更に継ぎ接ぎしたもの。冷たい床で眠る日々の中、彼女は高熱を出したことをきっかけに前世の記憶を取り戻す。 前世の彼女は、ブラック企業で過労死した経理担当のOLだった。 ある日、父の書斎に忍び込んだリリアは、ずさんな管理の家計簿を発見する。前世の知識でそれを読み解くと、父による悪質な横領と、家の財産がすでに破綻寸前であることが判明した。 「この家は、もうすぐ潰れます」 家族会議の場で、リリアはたった四歳とは思えぬ明瞭な口調で破産の事実を突きつける。激昂した父に「疫病神め!」と罵られ家を追い出されたリリアだったが、それは彼女の望むところだった。 手切れ金代わりの銅貨数枚を握りしめ、自由を手に入れたリリア。これからは誰にも縛られず、前世で夢見た美味しいものをたくさん食べる生活を目指す。

処理中です...