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本編
壊しそうで怖い
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「2人とも、そろそろ行くよ」
パパに呼ばれるまで、ギル兄様がリボンを髪に結んだ姿を想像していた。
細身のリボンにして正解だと思う。
お屋敷に帰ったら早速、着けてもらおう。
自分もギル兄様とお揃いのリボンなら毎日だって着けていたい。
ただ、リボンを着けた自分を想像すると、あまりにも似合わなすぎて笑えてしまう。
ヘアバンドの様に着けるべきか、ちょんまげ部分に結ぶか迷うところだ。
「ブラウニーちゃん、俺たちここを拠点にするから覚えてくれると嬉しいな」
彼らにとってのブラウニーとは、きっとパパのコロポックルと一緒なのだろう。
愛が深い。
冒険者達に手を振ってお別れし、屋台街から少し離れると熊と虎が待っていてくれた。
どちらも小さいサイズだ。
「シーちゃ、ソラちゃ、おちょくなっちゃのぉ。ごめんねぇ、ぼく、おひるね、しちゃた」
「よく寝れたか?だって。ソラもシーザーもそんな事で気を悪くしないから謝らなくていいんだよ」
確かに2匹には食後すぐに眠くなる習性がバレているので今だって気にした様子はないのだが、いつもはお屋敷か騎士団の中で待っていてくれているのだ。
街中での待ちぼうけは辛かったと思う。
少しだけ落ち込んでいるとパパが大きな手で頭を撫でてくれた。
「ファル君は気にしすぎ。シーザーもソラもファル君が好きだから着いて来てるんだよ。嫌だったら勝手に帰ってるし、こんなにソワソワ待ってないからね」
わざわざ小さくなって待っていてくれた2匹に謝罪ではなくお礼を伝えると、とても嬉しそうに両側から頬を舐められた。
2匹は小さいまま着いてきてくれるみたいだ。
「どこ、いきゅの?」
「そうだね。…ちょっと魔道具を見に行こうか?」
そんなお店もあるのか。
魔道具は庭師のおじいちゃん達が作成しているのは知っているが、まだ一度も触った事がない。
現段階では全く魔法が使えない自分にとって、とても魅力的な物だ。
どんな物があるのかすら知らないのだが、きっと見るだけでも楽しめると思う。
「それならルシーは僕のところに戻ってきてね。ソラもシーザーも小さいから、移動はまた僕が抱っこするよ」
自分はほとんど歩かないのだが、足が弱くなってしまわないだろうか。
ただギル兄様の誘惑を振り切れる程、自分は強くない。
両手をあげで抱っこを待ってしまっても許して欲しい。
向かった先は大きなお店だった。
とても高級そうな店構えで、自分の場違い感が凄い事になっていると思う。
パパは気にせずお店の扉を開けた。
「いらっしゃいませ」
さっきの屋台街の店員さんと違って、全員がセイバースさんの様な感じで隙がない。
これは思った以上に魔道具とは高級品に違いない。
触らず、壊さない様に注意しようと思う。
パパに呼ばれるまで、ギル兄様がリボンを髪に結んだ姿を想像していた。
細身のリボンにして正解だと思う。
お屋敷に帰ったら早速、着けてもらおう。
自分もギル兄様とお揃いのリボンなら毎日だって着けていたい。
ただ、リボンを着けた自分を想像すると、あまりにも似合わなすぎて笑えてしまう。
ヘアバンドの様に着けるべきか、ちょんまげ部分に結ぶか迷うところだ。
「ブラウニーちゃん、俺たちここを拠点にするから覚えてくれると嬉しいな」
彼らにとってのブラウニーとは、きっとパパのコロポックルと一緒なのだろう。
愛が深い。
冒険者達に手を振ってお別れし、屋台街から少し離れると熊と虎が待っていてくれた。
どちらも小さいサイズだ。
「シーちゃ、ソラちゃ、おちょくなっちゃのぉ。ごめんねぇ、ぼく、おひるね、しちゃた」
「よく寝れたか?だって。ソラもシーザーもそんな事で気を悪くしないから謝らなくていいんだよ」
確かに2匹には食後すぐに眠くなる習性がバレているので今だって気にした様子はないのだが、いつもはお屋敷か騎士団の中で待っていてくれているのだ。
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「ファル君は気にしすぎ。シーザーもソラもファル君が好きだから着いて来てるんだよ。嫌だったら勝手に帰ってるし、こんなにソワソワ待ってないからね」
わざわざ小さくなって待っていてくれた2匹に謝罪ではなくお礼を伝えると、とても嬉しそうに両側から頬を舐められた。
2匹は小さいまま着いてきてくれるみたいだ。
「どこ、いきゅの?」
「そうだね。…ちょっと魔道具を見に行こうか?」
そんなお店もあるのか。
魔道具は庭師のおじいちゃん達が作成しているのは知っているが、まだ一度も触った事がない。
現段階では全く魔法が使えない自分にとって、とても魅力的な物だ。
どんな物があるのかすら知らないのだが、きっと見るだけでも楽しめると思う。
「それならルシーは僕のところに戻ってきてね。ソラもシーザーも小さいから、移動はまた僕が抱っこするよ」
自分はほとんど歩かないのだが、足が弱くなってしまわないだろうか。
ただギル兄様の誘惑を振り切れる程、自分は強くない。
両手をあげで抱っこを待ってしまっても許して欲しい。
向かった先は大きなお店だった。
とても高級そうな店構えで、自分の場違い感が凄い事になっていると思う。
パパは気にせずお店の扉を開けた。
「いらっしゃいませ」
さっきの屋台街の店員さんと違って、全員がセイバースさんの様な感じで隙がない。
これは思った以上に魔道具とは高級品に違いない。
触らず、壊さない様に注意しようと思う。
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