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別視点
side 団長③
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話を聞くと記憶がなく名前すら覚えていないという。
森に1人でいたところをシーザーに助けられたらしい。
あの森は隣国との境にある為、この子は隣国からの捨て子の可能性が高いと思う。
こんなに可愛い子を何故と思うが、それならやはり私が保護しても何ら問題がないという事だ。
どうやって我が家に招待しようか考えていると、孤児院に入りたいとお願いされた。
「え!?あ!?そうか、孤児院か。…孤児院に入りたかったんだね」
孤児院という選択肢を全く考えていなかった。
それなのにルイまでが自分が引き取ると言い出した。
ルイでいいなら、私の方が好条件だろう。
ルイは寮生活だが、私は自分の屋敷に住んでいるし部屋だって余っているから問題ない。
使用人は少数精鋭だが、全員住み込みで家族の様なものだ。
そしてみんな小さくて可愛いものに飢えていると思う。
この子なら間違いなく可愛がられるだろう。
食事にしたって我が家には専属のシェフがいるのだ。
騎士団の食堂も美味しいが、シェフならきっと栄養バランスを考えた上でこの子に似合う可愛らしく美味しい専用メニューを用意する筈だ。
なんとか我が家に来てもらいたくて、シーザーの他にも獣がもう1匹一緒に住んでいる事も伝える。
この子は動物が好きなのだろう。
だから私の耳にも興味津々なのだ。
我が家には他にも獣人もいるし、この子にとって良い環境を整えてあげられるのはルイより私の方だと自負している。
この戦い、負ける気は無い。
迷惑をかけてしまうと悲しそうにいうが、どこが迷惑だというのだ。
むしろもっと我儘を言って困らせてくれても構わない。
すぐに名前と戸籍の準備をしよう。
こんなに可愛いのだから、誰に狙われるかわからない。
狙ってくるものは勿論、返り討ちにするが法的にもしっかり守ってあげなければ、安心出来ないだろう。
私は安心出来ない。
すぐに家令に連絡し部屋とパーティーの準備をしてもらう。
とりあえずすぐに着れる衣服も必要だし、玩具だってたくさん買ってあげたい。
息子は剣や鞭などの武器を模した玩具でしか遊ばなかったので、我が家には遊べそうな物が何も無い。
唯一遊んだのはルービックキューブだが、私には何が楽しいのかさっぱりだ。
お絵描きや積み木、男の子だし乗り物系も良いと思う。
だがそれよりもパーティーだ。
家族になる記念のパーティーなのだから、盛大にお祝いしたい。
シェフにはご馳走を作ってもらい、食堂には子供が好きそうな飾りをたくさんつけてもらおう。
息子は心に傷を負ってしまい、今は殻に閉じ籠ってしまっているが元々優しい性格で、私と同じく小さくて可愛いものに庇護欲を掻き立てられるタイプだ。
この子が息子の殻にひびを入れてくれれば、自分で割って出てくるに決まっている。
息子にも早く会わせてあげたい。
「…この子がギルの事、怖がらないといいな」
そんな風に言ってはみたがシーザーや私に恐怖心を抱かないこの子なら大丈夫だろうと、どこか確信していた。
仲良くなったら3人でピクニックとか、遊びにも行きたい。
そうして私には新たな夢が出来たのだ。
まずは第一歩として。
この子にパパと呼んでもらおう。
「パパ大好き」
なんて言われて抱きつかれたら、間違いなく昇天するが気つけ薬の準備をすれば問題無いだろう。
楽しみすぎてスキップしそうな勢いだが、なんとか堪えるので鼻歌くらいは許してほしい。
森に1人でいたところをシーザーに助けられたらしい。
あの森は隣国との境にある為、この子は隣国からの捨て子の可能性が高いと思う。
こんなに可愛い子を何故と思うが、それならやはり私が保護しても何ら問題がないという事だ。
どうやって我が家に招待しようか考えていると、孤児院に入りたいとお願いされた。
「え!?あ!?そうか、孤児院か。…孤児院に入りたかったんだね」
孤児院という選択肢を全く考えていなかった。
それなのにルイまでが自分が引き取ると言い出した。
ルイでいいなら、私の方が好条件だろう。
ルイは寮生活だが、私は自分の屋敷に住んでいるし部屋だって余っているから問題ない。
使用人は少数精鋭だが、全員住み込みで家族の様なものだ。
そしてみんな小さくて可愛いものに飢えていると思う。
この子なら間違いなく可愛がられるだろう。
食事にしたって我が家には専属のシェフがいるのだ。
騎士団の食堂も美味しいが、シェフならきっと栄養バランスを考えた上でこの子に似合う可愛らしく美味しい専用メニューを用意する筈だ。
なんとか我が家に来てもらいたくて、シーザーの他にも獣がもう1匹一緒に住んでいる事も伝える。
この子は動物が好きなのだろう。
だから私の耳にも興味津々なのだ。
我が家には他にも獣人もいるし、この子にとって良い環境を整えてあげられるのはルイより私の方だと自負している。
この戦い、負ける気は無い。
迷惑をかけてしまうと悲しそうにいうが、どこが迷惑だというのだ。
むしろもっと我儘を言って困らせてくれても構わない。
すぐに名前と戸籍の準備をしよう。
こんなに可愛いのだから、誰に狙われるかわからない。
狙ってくるものは勿論、返り討ちにするが法的にもしっかり守ってあげなければ、安心出来ないだろう。
私は安心出来ない。
すぐに家令に連絡し部屋とパーティーの準備をしてもらう。
とりあえずすぐに着れる衣服も必要だし、玩具だってたくさん買ってあげたい。
息子は剣や鞭などの武器を模した玩具でしか遊ばなかったので、我が家には遊べそうな物が何も無い。
唯一遊んだのはルービックキューブだが、私には何が楽しいのかさっぱりだ。
お絵描きや積み木、男の子だし乗り物系も良いと思う。
だがそれよりもパーティーだ。
家族になる記念のパーティーなのだから、盛大にお祝いしたい。
シェフにはご馳走を作ってもらい、食堂には子供が好きそうな飾りをたくさんつけてもらおう。
息子は心に傷を負ってしまい、今は殻に閉じ籠ってしまっているが元々優しい性格で、私と同じく小さくて可愛いものに庇護欲を掻き立てられるタイプだ。
この子が息子の殻にひびを入れてくれれば、自分で割って出てくるに決まっている。
息子にも早く会わせてあげたい。
「…この子がギルの事、怖がらないといいな」
そんな風に言ってはみたがシーザーや私に恐怖心を抱かないこの子なら大丈夫だろうと、どこか確信していた。
仲良くなったら3人でピクニックとか、遊びにも行きたい。
そうして私には新たな夢が出来たのだ。
まずは第一歩として。
この子にパパと呼んでもらおう。
「パパ大好き」
なんて言われて抱きつかれたら、間違いなく昇天するが気つけ薬の準備をすれば問題無いだろう。
楽しみすぎてスキップしそうな勢いだが、なんとか堪えるので鼻歌くらいは許してほしい。
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