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別視点

side ギルバート④

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抱っこして移動中、僕の天使が落ちていた大きな葉っぱが欲しいという。
拾って浄化魔法をかけてから手渡す。

「ぼく、コロポックル!」

可愛い。
可愛すぎるよ、僕の天使が。
大きな葉っぱを両手で掲げてニコニコ笑っている。
思わず頬擦りしてしまった。
可愛い。

僕も久しぶりに声を出して笑う。
父上やルイさんが驚愕の表情でコチラを見ているが僕の天使がキョロキョロと落ち着かなくなってしまったじゃないか。
大人のくせに何を僕の天使を不安にさせてるんだ。

「お兄ちゃん、虎ちゃん…」

そういえばソラも興奮していたが、落ち着いただろうか。

「ギルバート!何をしている!早く我を紹介しろ!この木偶の坊が!ぐずぐずするな!」

少しも落ち着いて無いどころか暴言まで吐かれた。

「我らの愛しい子。よく来てくれた。あぁ可愛いな」
「最優先で守れよ」
「何を当たり前の事を言っている!この子は我らの愛しい子だ。我らは全員、愛しい子の為に生きて来たのだ。全ての害を寄せ付けぬわ」

我らとは誰を指しているのだろうか。
シーザーも僕の天使を気に入っている様子だったし、最強の矛と盾が揃っている。
ソラとシーザーなら恐れるものなど何も無い。

「ソラちゃん、よろしくなの」

僕の天使が手を振っている。
食べちゃいたいくらい可愛い。

「ギル、場所を代われ。我の背に愛しい子を乗せてくれ。我が愛しい子の足となろう」

僕から天使を奪おうとする敵がいた。

「嫌だよ。それに掴まる所もないし危険だ。」
「それならお前も一緒に我に乗っていい」

諦めないな。コイツ。

「ぼく、乗りたい」

僕の天使が乗りたいのなら仕方ない、僕も一緒に乗ろう。

「すべすべ。力持ちで、かっこいい」

褒められたソラはゴロゴロと上機嫌に喉を鳴らしている。

「いつでも我に乗っていいからな。これからは常に準備しておこう。ギル、帰ったら鞍を作ってくれ。仕方がないから空間魔法を教えてやる。そこにしまっておけ」

嘘だろ。
今までどれだけ頼んでも、絶対空間魔法は教えてくれなかった。
竜人は他の獣人や人族より魔力が高い。
空間魔法を使える適性もあったが、お前だけ使えるのは他の連中が可哀想になるから面倒くさいと却下されていたのに。
まさか自分の荷物を運ばせる為になら教えるのか。

でも、有り難い。
これから僕の天使とずっと一緒にいるのだから、色々必要な物が嵩むと思う。
タオルや替えの服は勿論、お昼寝用のブランケットも必要だし、オヤツやジュースなんかも何種類か常備したい。
それに鞄を持たなくて良いなら、ずっと天使を抱っこしていられる。
手を繋いで歩いてもいい。

「帰ったらすぐ作ろう。僕の天使に似合う可愛い鞍にしよう」
「それはいい。我らの愛しい子は可愛いからなんでも似合うが、普通の鞍では特別感が無いしな。愛しい子が望む物を作ってやってくれ」

任せてくれ。
僕の天使にピッタリの可愛い鞍を作るよ。
着けたソラがどれだけ周りからドン引きされても、その横を歩くであろう僕が好奇の目でみられても、天使を優先するのは僕達2人の共通意見だ。
僕達はやっぱり相棒だ。
これからも2人で天使を目一杯愛していこうね。

可愛い僕の天使。
大好きだよ!
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