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別視点

side ギルバート③

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けれどすぐ悲しそうに、泣き出しそうに顔を歪めてしまった。
自分は外で寝たから汚くて臭いと言う。

こんな小さい子が野宿!?
ありえない。
よく見れば着ている服はルイさんのだし、裸足だ。
足に怪我でもしたら大変だ。
こっそりと幼子の足に保護魔法をかける為、膝をつき魔力を流す。
無事に魔法が発動した事を確認しホッとしたが、このまま可愛いこの子に僕が化け物だと教えよう。

「ツノも鱗もあって、おかしいだろ。僕は化け物なんだ」

そう伝えるが父上にも熊耳があると言う。
父上は白熊の獣人なのだから熊耳があって当然だ。
ここにくる前に出会った団員には水掻きもあったと教えてくれるが、救命隊の隊長は確か、カワウソの獣人だったと記憶している。
こちらも水掻きがあって当然だ。

「みんな、一緒」

信じられなかった。
僕は今までどうして気付かなかったんだろう。
獣人なら特徴があってもおかしくないとちゃんと理解しているのに、僕が竜人の特徴を認めていなかったんだ。
気持ち悪い、化け物だと言われたあの日から僕の中で竜人の特徴は化け物の特徴だと勝手に決めつけていた。

ツノも鱗も竜人である証であり誇りだというのに。

獣人が自らの特徴を誇りに思っている様に、僕だって竜人としてツノも鱗もあって当然で、誇っていいものなのだ。
こんなにも簡単な答えだったんだ。

「お兄ちゃんが、1番、カッコいい」

この子の瞳には僕はどう映っているのだろう。
こんなに慕ってくれているのも何故だかわからない。
だけどこの子にはずっとカッコいい僕を見ていてほしい。

「ぼくの、神様!」

…そんなに僕の事を思ってくれているの!?
もう我慢出来なかった。
最初から可愛いと思ってた。
それでも化け物だと思い込んでいた僕には触る事は許されないと思った。
だから魔法をかける時も触らなかった。
だけど。
こんなに可愛い子が僕を神様だと笑うのだ。
ツノも鱗も化け物じゃなく、神様なんだと。

この子がいい。
この子が欲しい。
この子以外はいらない。
この子を僕の伴侶にする。

そう、決めた。

抱きしめた身体はやはり小さくて細い。
美味しいものをたくさん食べさせてあげよう。
ルイさんのこの服も早く脱がせたい。
他の匂いなんて纏って欲しくない。
この子に似合う可愛い服もたくさん準備しよう。
騎士団に入っていてよかった。
僕がこの子に全部揃えてあげるんだ。
可愛い僕の天使。
絶対、僕から離れて行かない様にしないと。
これからもっと、もっと鍛錬も勉強も頑張ろう。

この可愛い天使の神様の座は誰にも譲らない。
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