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転移魔法の成功と王家

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ーー 転移魔法の成功


現在の俺のステータスは

ステータス

名前 ハルト=レイン      年齢 15歳  性別 男  種族 ※※       

レベル 65

HP23000    MP33000     素早さ2500   力3000

魔法

 火魔法3   風魔法3   土魔法3    水魔法2    氷魔法2    雷魔法3   光魔法2   

 闇魔法2    空間魔法1    時空魔法1    収納魔法3    付与魔法1    治癒魔法4

スキル

 身体強化5    身体異常耐性5     危険感知3    敵索4     隠密4   解体2

 魔力操作5    魔力回復5    鑑定3   錬金術2    異世界言語

称号

 異世界の旅人 異世界の商人


でMPが30000を超えた時くらいに、空間と時空魔法が発現し転移魔法が使える様になった。

ただ行ったことのある場所で登録できる数は3箇所限定であったが、

レベルかMPが上がればその数も増えそうだ。


早速異世界の入り口付近を思い描いて移転を発動すると、

少しばかりの目眩の後あの場所に立っていた。

「うまく行った」

と思いつつMPを確認すると半分ほどになっていた。


「そう何回も連続で使用できないのか」

そう呟きながら隧道を歩いて自宅に帰った。


自宅に帰ると忙しく動き回った、

・板バネやベアリングの購入

・井戸用ポンプの購入と設計図の取り寄せ

・水車や風車の購入と設計図の取り寄せ

・モーターの購入と設計図及び部品の購入

・異世界で評判が良かった商品の買い付け

・農工具の購入

・各種肥料の購入と農業指導書の購入

・麹菌やイースト菌などの購入と取扱書の購入

・寝具類の購入と作り方の指導書購入

・井戸掘り道具や機械工具の購入

・建築資材の購入と指導書の購入

などと、今回はスミスの街に腰を下ろす前提で色々と取り揃えたが驚いたことがあった。


時間の経過が違うのだ異世界に1月以上いたはずなのに、

こちらでは3日ほどしか経過していなかった10分の1だ。

ファンタジーだなと思った。

数日後移転でスミスの街に戻ると移転した日の次の日だった意味がわからない。



キッド商会に立ち寄り商会長に会うと、

「仕入れの目処がついた」

と伝えながらかなりの量の商品を商会に卸した。

今回工業用機械を購入してきた。

実はスミスの街の近くの小高い山でダムと水力発電に適した場所を見つけていて、

領主から開発の許可を得ていたのだった。



ーー 十分な電力 魔法に満ちた生活


約1年をかけ小規模であるがダムと水力発電の施設が完成した。

発電電力はスミスの街の住民が使用するには少ないが、電灯などの電力としては十分すぎる量で、

それ以外の電力は物作りの工業用に使うことにした。


当然太陽光や風力発電も活用していたので、

領主や裕福な者の家には冷蔵庫やエアコンなどの文明の力を共有できる様になった。


しかし配電については問題が多く、発電所から街までに、

電柱と地下ケーブルの二本立てと、蓄電池の活用で安定して供給している。


がしかし、他の街や地域には実現的には難しいだろうその一番の問題は魔物だ。


魔物は電線を切断することがよくある。

結界で守ることができる様になってようやく安心できたが、

俺が居なければ結界も長くは維持できないため、

早めに結界魔法のできる魔法使いを確保する必要性がある。


今日は領主邸にジャグジーを設置していた。


上下水道の一部が街の中に完成したため、高圧の水圧で十分な水量を配水できるようになったからだ。

「ハルト殿、これはまた素晴らしい風呂ではないか」

領主様は痛く感動して俺に呟いた。

この頃俺は街の発展の功労者ということで、

貴族位を叙爵していたのだ位は男爵位。


領主邸の近くに土地を貰い文明の力の詰まったログハウスと、

この世界の建築技術を使った屋敷を建てていた。


その完成披露で領主一家が俺のログハウスの家電機器などに興奮して、

「電気と水道設備というものが揃ったらこれらを我が家にも導入できるのか」

と食いついてきて思わず、

「可能な限り応じたいと思います」

と答えてしまったのがことの始まりで、参考にと持ち込んだカタログを見て。


「この泡が溢れるお風呂がいいわ」

とご婦人方が注文されたのだ。


実はこの一年で領主邸や有力者で裕福な屋敷にかなりの量の、

現代日本の商品が溢れることになった。


一番の原因は俺の収納量が激増したことが原因であった。

俺は、現代日本に帰ると俺はちょっとした有名人になっている。


各国から家に届く商品は巨大な倉庫を建てて収納しているほどだ。

異世界で得た金銀プラチナや各種宝石が予想以上に高値で売れ、

その代わりに商品を購入しているが、差額が良い方に大きい。


領主邸の窓は二重サッシの窓で強化の付与を付けているため、

防犯の点でもかなり有効になっている。

周囲の貴族を迎えたパーティーでもその透明性と大きさは王宮にも無いと有名である。


ジャグジー設置が終わり試運転がてらお湯を張りスイッチを押すと、

かなりの勢いで水流の泡が湯船に現れた。


他にも広い湯船と10人ほど入れるサウナがある。


男女別に入浴専用棟に設置しており当然女性側には、

その後のメイク室とビューティー室があり美容関係の機器が所狭しと置かれている。


後に王家の王妃様が定期的に通うことで世の女性の憧れの建物となった。


「領主様、完成しました問題なく使用できます」

と報告すると、

「それはちょうど良かった。3日後に王家の者がが立ち寄ることになっているよろしく頼むよ」

とその対応を依頼された。


さすがに物を作ったからすぐに誰でも使えるというわけではなく、

そのメンテナンスも当然必要となる。

それらの職人を育てながら指導しているのが、俺の今の仕事の一つとなっている。




ーー 王家の王女様 side


私はサイライト王国の第四王女 ミラージュ15歳。


今度王妃であるお母様とスミス侯爵家のお風呂に行くことが決まった。


あの侯爵家の美に特化したお風呂は是非行きたいと思っていた場所で、

以前からお母様にねだっていたのだった。

そしてもう一つの目的・・・。

「ハルト男爵様に会うこと」

思わず口にしてしまったが侯爵家から献上される商品のほとんどが、

あの男爵の手によるものだと聞いていたからだ。


お母様は侯爵の妹で第二王妃という立場であるが、

第一王妃が病気で亡くなった頃から発言力が強まり私の立場も良くなったため、

好きに色々できるようになったことも大きい。


私はこの世界を平和で豊かな世界にしたいその手本が、

あの侯爵家にあると聞いていたので、是非訪れて触り体験し話が聞きたかったのだ。


出発の日先日侯爵家から王妃宛に贈られた馬車に乗り込む、

「お母様この馬車乗り心地が以前の馬車と違いすぎません?」

思わずそう口にした。

すると王妃が、

「そうよ私の兄が今現在で最も乗り心地の良い馬車だと言って贈ってくれたの」

と自慢げに答えた。


 乗り心地もそうだが音が小さく室内のシートやクッションも違うし、

 なんと言っても室内の大きさが違う。

この馬車には空間拡張の魔法で2倍ほどに広がっているのだ。


しかも屋根に黒いパネルが敷き詰められ馬車の内部が非常に過ごしやすい気温で、

保たれているため別世界のようなのだ。


移動の途中で急にさらに振動がなくなってきたするとお母様が、

「侯爵領に入ったわね」

と呟く。

この静寂さは道が可能な限り平である証拠その技術に触れられた感動を味わっていると、

「ミラ驚くのはまだ早いわよ」

と意味深な笑顔で言うお母様、この先何が私の前に現れるのか。


侯爵邸に着いたようだ御者が扉を開けて目の前に話だけ聞いていた美しい建物が。


「お母様、あの透明で大きな窓私初めて見ましたわ」

と言う私に、

「中が凄いのよ」

と意味深な言葉、まだこれ以上の驚きが・・・。


中に入って直ぐに気づいた、

「外と温度が違うわ、馬車もそうだったが外は肌寒い季節なのに、

室内は小春日のような風がどこからか吹いている」

侯爵家の家族と挨拶をしていると隅に若い貴族がいるのに気づいた。


「彼は・・・もしかして」

と思っていると、侯爵様が、

「ミラージュ王女様、紹介したい者がおります」

と言いながらその若者を呼び、

「これは我が侯爵家の家宝と言える家臣でハルト男爵です。

今後もお世話の責任者となりますので困ったことがありましたら何でも申し付けください。」

と言いながら紹介した。

私が、

「第四王女ミラージュですハルト男爵よろしく」

と言うと、

「お初に御目見します。若輩ながら侯爵家滞在中は私がお世話いたしますので、気軽にお声掛けください」

と挨拶して下がっていった。

するとお母様がそっと、

「ミラ、彼を軽く見てはダメよできれば親しくなりなさい」

と囁いた。


その時彼がこの侯爵領の発展の中心だと思った。




ーー 夢のような生活空間


私はここまで侯爵家の技術が高いとは考えていなかった。

・夜になるとスミスの街に光が入り侯爵邸から見下ろす風景は光の宝石だった。

・部屋はどこも過ごしやすくソファーやベッドの気持ちよさは驚きだった。

・お風呂棟と呼ばれる別棟に移動して入ったお風呂やビューティー室と呼ばれる

 ものは言葉にできないほどの気持ちよさと効果を肌に与えてくれた。

・夕食のディナーは見たこともない料理やデザートそれと美しいグラスに注がれ

 た飲み物と私の常識を破壊するには十分だった。

思わず侯爵家のクリスティーナ、メジーナ両お嬢様に、

「私もここに生まれたかったと思わず思ったわ」

とこぼしたほど。


でも驚いたのはここまでではなかった、クリスティーナ様が、

「ミラージュ王女様、明日はハルト男爵の家に遊びに行きましょう。」

と言い出したのだ。


侯爵令嬢が家臣の男爵の家に遊びに行くと言うのは普通では考えられないのだが。


何でもここ以上の快適な家だと言うのです、是非見学してみたい私は、

「もちろんお願いしますわ」

と答えていた。



次の日お母様にハルト男爵の家にミラージュ嬢と遊びに行くと伝えると、

「楽しんできなさい」

と送り出された。

馬車に乗り走り出したと思うと直ぐに男爵邸に着いた。


「意外とそばにあるのね」

と言う私にミラージュ嬢が、

「ええそうよ、でもねその中は想像以上よ。」

と微笑んだ。


馬車を降りると豪華な屋敷と丸太で作られた二階建ての屋敷が見えた。

するとミラージュ嬢が、

「あのログハウスという家がすごいのよ後で見せてあげるわ」

と自分に家のように話した。


男爵は屋敷の前で迎えてくれた。


「こんなところまで来ていただき恐縮します。お寛ぎいただければ幸いです」

と言いながら屋敷内にエスコートしてくれた。


屋敷に入るとすぐに気づいた侯爵邸と同じ過ごしやすい環境に、

「男爵様なぜここはこんなに気持ちがいいの?」

と尋ねる私に、男爵は、

「空調を整えているのです。空調とは温度や湿度を過ごしやすい数値に保つことを言います」

と説明してくださったがよくわからなかった。


魔道具なのかしら?


屋敷は3階建てで、3階に広いダイニングがあったがそこに入ると、

侯爵領が見渡せるような透明な窓が3方を見渡せるように造られていた。

まるで空にいるような気持ちがした。


「この風景はここだけのものよ絶景でしょ」

と自慢げにミラージュ嬢が言うがその通りだと思った。


さらに驚いたのはトイレだ。

侯爵家に置かれていた便器は暖かく清潔で良い香りさえしていたがここも同じ。

こんなトイレなら欲しいと思ったのは我儘なのか。


お昼は隣のログハウスでということで、移動したが私はここで思い違いに気づいた。

普通なら豪華な屋敷が贅を尽くしていると思うとこだが、

ここではこの丸太を組んだ家が1番贅沢な家だった。


扉を開けると、

「ここで靴を脱いでください」

と言われスリッパという履物に履き替えさせられた。


そのあと木製のローカという通路を歩くと内扉の中に不思議な空間が。


植物で編まれたと思える床材はふかふかとし不思議な照明がありテラス室内が光り輝いていた。


夜もこの灯りだと、こっそりミラージュ嬢が囁いた。


ふかふかのソファーに座ると、見たこともないお菓子がお茶と共に出された。


「この甘い香りのお菓子は何?」

と尋ねると、

「これがショートケーキ、こちらが焼き菓子、こちらがプリンというデザートです」

と言いながら4種類の器に入ったお茶を出して、

「これが緑茶、これがミルクティー、これが紅茶、これがコーヒーです。お気に入りをお飲みください」

というと何かの準備に下がった男爵。

するとミラージュ嬢が、

「私はこのショートケーキとミルクティーが好きなの」

というのを聞きながら私も、少しずつ取り分けしながら口にすると、どれも信じられないほど美味しかった。


「これすごく美味しいわ」

という私にミラージュ嬢が

「ここはこの世で1番贅沢な家なのよ」

と自慢げに答えた。


私は棚に沢山の本があることに気づいた。


「あれはみな本なの?」

私の言葉に戻ってきた男爵が

「そうですね本といえば本ですが、見たこともないものだと思いますよ。

好きなものがあれば見て構いませんので、どうぞ手にお取りください」

という言葉に興味を惹かれた私は、美しい絵の書かれた本を手に取り開いた。


するとそこには現実と見間違うような絵が切り取られたように何枚も綴られていた。


「これは絵画ですか?」

私の言葉に

「それはファッションの本ですね。洋服のカタログというものですよ」

との答え、半分も理解できなかったが、絵の女性たちは美しい洋服を着こなし、楽しそうな表情を見せていた。
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