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上級生の生活

ロッキンの恋人

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「じゃあ、半年前から付き合いだしたの?水臭いな、教えてくれれば良かったのに。」

僕がそう言ってニヤニヤすると、ロッキンは顔を赤らめて言った。

「いや、彼も商人だろう?ロデア国とこの国を行き来しているから、いつもいるわけじゃないんだ。最近もニ週間ほど私のところにいたけど、先日旅立ったばかりだ。


「だから僕と、こうしてお茶する時間があるんだね?」

そう言ってロッキンを揶揄うと、ロッキンは慌てて言い訳したので、僕はますます笑ってしまった。ロッキンは笑っている僕に、仕返しをしようとしたんだろう、ニヤリと笑って言った。

「サミュエルこそ、エイデン様が遠征から戻れば、いつも熱々じゃないか。」


僕はロッキンにそう揶揄われて、思わず顔を強張らせた。ロッキンは商売人なので、人の機微には敏感だ。席を立つと部屋の外のプレートをひっくり返して鍵を掛けた。もう一度お茶を淹れ直して僕の空になったカップに注ぐと優しい声で言った。

「何かあったのか?サミュエル。」

僕は貴族社会と関係のないロッキンになら、言える気がした。


「僕、アルバート、アル兄様と関係を持ったんだ。」

さすがのロッキンも少し表情を変えたけれど、ため息をつくと僕に優しく微笑んで言った。

「そうか。そう聞いても、そこまで驚かない気がするのはなぜかな。サミュエルは自覚がないけれど、沢山の人間に愛されている。いつかそんな事も起きると思っていたよ。それに貴族社会では、愛人が複数人いても責められる訳ではないだろう?本人たちが納得していれば問題はないはずだ。」


僕は温かい美しい夕焼け色の紅茶を味わうと、ロッキンを見つめて言った。

「そうかもしれない。でも、アルバートとエイデン様は親友だ。僕は彼らの関係を壊してしまうかもしれない。それは僕の罪だ。でも無かったことにはしたくないし、出来ないんだ。僕はアルバートがエイデン様と同じ様に好きだから。」

ロッキンは頷くとテーブルの上の握った僕の手を優しく包んで言った。


「しょうがないよ。愛の前に人間は理性を無くす。でも獣の様に愛にのめり込めるのは若さだよ。私たちは若い。後10年経ったら、馬鹿なことをしたと思うかもしれないけど、今は間違っていると思っても、やめられない。だろう?それは、命を燃やしているからだ。

俺からアドバイスをするとすれば、アルバート様とエイデン様には絶対嘘はついたらダメだ。複数人愛人を持つ事は簡単じゃない。それぞれの相手に誠実に向き合うしかない。それが出来なければ、両方と離れるしかないよ?」

僕はロッキンの言葉に只々頷くしか無かった。





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