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王立学校
夕食時間
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一緒に夕食へ行こうと部屋に迎えに来てくれたマードックと連れ立って食堂に向かうと、あちこちから声が掛かる。お披露目の緊張感を共にして、すっかり顔馴染みになった新入生同士は和気藹々と友好的だ。
マードックの言ってたみたいな競合相手なのはそうかもしれないけど、だからと言ってギスギスとする様な年頃でもなかった。
「ディーは、ぱっと見つけ入れられそうで心配だったけど、あの魔法を見せつけられたんじゃ迂闊に手を出せないよね。まぁ魔法専攻は強引に押し切る様なタイプはそもそも少ないけど。
とは言えあんまり愛想が良いのも考えものだ。勘違いする奴だって出てくるかもしれないだろう?」
周囲からの声掛けにニコニコ応えて手を振っている僕をジトリと見て、大きな耳を神経質にピコピコ震わせるマードックの小言に首を傾げた。
「勘違い?僕が油断させて襲うとか?ふふ、冗談だよ。分かってる、流石に僕も色々経験値はあるからね?でもさ、基本魔法専攻する学生って、魔法オタクであんまり他の事に興味ないんじゃないの?」
マードックは眉を顰めて僕を見ると、少しため息をついてぶつぶつ言った。
「ディーって結構図太いのかな。しかもオタクって何?くそー、なんかすっかりディーのお世話役になってる気がするな。」
僕はクスクス笑って、同期たちと手を振り合った。
「狐族のマードックが側にいてくれて心強いよ。高等学院の頃、競技会で狐族の双子とチームを組んだけど、かなり気が合ったんだ。彼らは薬師を目指していたけど、マードックは何を目指してるの?」
マードックはやっぱりジト目で僕を見ると、食事の載ったトレーを手にしてから僕もトレーを抱えるのを確認すると、大きな尻尾を揺らしながら空いてるテーブルに歩き出した。
「ディーは全然遠慮がないな。出会って早々いきなりそんな話題振る?そう言うディーは何目指してる訳?他人の情報が欲しければ、自分から開示しなくちゃ。」
手を合わせていただきますと挨拶すると、僕は今夜は魔肉ステーキかとニンマリしながらまずお肉を口に放り込んだ。うん、普通に美味しい。
「僕?まだ何をしようとかあんまり考えてないな。魔法適性があって、魔法使うのが楽しいから魔法専攻にしただけって感じだしね。実際僕に騎士なんて無理だし、総合だっけ?あれを専攻する様なバックボーンは無いよ。
パーカスも僕が魔法専攻以外を選んだらかえってびっくりしたんじゃ無いかな。でも魔物退治は結構好きかも。高等学院の時に時々参加したけど、あの緊張と達成感は堪らないよね。」
マードックは手を忙しく動かしながら口にどんどん食事を放り込んだ。やっぱり魔法専攻者は魔素の減りが激しいからお腹が空くのかな。
「ディーってやっぱり見た目と随分中身が違うよ。ずっと血の気が多いみたいだ。見た目に騙されてる奴らびっくりするぞ?私は魔物と対峙する事を考えただけでゾッとしちゃうけど。
そっか。じゃあ王立騎士団と一緒に随行する魔法使いになるのが良いかもしれないな。私は王宮薬師目指したいな。薬の研究するのも楽しそうだ。」
僕はマードックは研究肌なんだと納得して、何も考えずに言った。
「そうなんだ。僕まだ市販されていないミルも連れてきたんだけど、成分の研究とかしたい人?」
マードックの手が止まって動かないのに気づいて、僕は口を動かしながら顔を上げた。
「…市販されてないミルってどう言う事?あ、そう言えばパーカス様ってブレーベルに拠点置いてたんだっけ。あっちってダグラス印のミルの本拠地だよね。
…そう言えばディーってグリーンアイタイプのミルの目と似た色の瞳だよな。どこかで見たことあるなと思ってたんだけど。ディーみたいな明るい緑色の目って結構珍しいからさ。」
僕は迂闊なことを言ってしまったかもしれないと思いながら、マードックに尋ねた。
「マードックはグリーンアイタイプのミル持ってきた?ここの食堂のミルって多分そっち系だよね。」
するとマードックは眉を顰めてため息をつきながら、食事の続きを始めた。
「持ってくるって何?いくらグリーンアイタイプのミルが安くなったからって、個人で所有できるほど手軽な値段じゃ無いよ。まして学生の私なんてさ。うちは薬師系の家だったから手元で育ててたけどね。
…確かに魔法専攻の寮食だから、ミルは魔素の多いグリーンアイタイプだろうね。専攻に限らず、魔素は多い方が良いからきっと他の寮食もそっち系だと思うけど。
しかしディーは知れば知るほど色々非常識な感じだ。まぁ、あんな魔法見せつけるくらいだから納得だな。」
ミルの繁殖の担い手である僕にとっては、ミルはダグラスから押し付けられたペットみたいなものだけど、一般にはそれほど身近なものでは無いのだと改めて知ったんだ。
「僕の魔法レベルは上級生ならやろうと思えば出来るでしょ?」
僕が誤魔化す様に言うと、マードックはニヤリと笑って小声で囁いた。
「そうかも知れない。でもディーは一切魔法の仕掛けを使わなかったから、ちょっと意味が違うんだ。あんなのあり得ないからね。」
僕は肩をすくめた。僕にとっては魔法陣を使う方が難しい。呪文だって覚えきれない。でも、それっぽくやった方が目立たないって事なのかな。そんな風に考え込んでいると、マードックが僕に言った。
「もしディーの連れてきた特別なミルをこっそり見せてくれるなら、兄上に聞いた特別な売店へ連れて行ってあげるよ。この寮って売店がしょぼいだろう?」
マードックが僕のうっかり発言を全然聞き逃してくれなかった事に、諦めに似た気持ちで苦笑しながら頷いた。
「…誰にも内緒にしてくれるなら良いよ。確かに売店に目ぼしいものは無かったよね。僕はいつも腹ペコだからおやつを買いたいんだ。」
するとマードックも頷いて、目の前のお皿を空にしてお代わりに立ち上がって言った。
「魔法使うとお腹が減るからね。おやつで魔素を補うのも限度があるだろう?取り敢えず食事のお代わりといこう。」
僕はマードックの後ろ姿を見て慌てて残りを口に押し込むと、お代わりに席を立った。確かに皆当然の様にお代わりに並んでいる。十分に成長してる様に見える彼らにしては食べ過ぎだと思えるくらいだ。
今日の夕食は前回よりも人数が多かった。前乗りしなかった新入生が増えたのもあるかも知れない。ふと強い視線を感じて誰だろうと確認すると、寮長のメンフィス先輩だった。僕は無視するわけもいかなくて、お代わりの帰りに先輩のテーブルの側に近づいた時に会釈した。
「ディー ブラック、お披露目は見事だったな。魔力も多い様だし、コントロールも良かった。一緒に実践魔法の授業を受けるのが楽しみだ。」
僕はメンフィス先輩の妙に白い顔を見つめた。うん、フクロウ族だと思うからなのか、先輩からは森の賢人の様な落ち着きが感じられるな。深みのある焦茶色の瞳が懐かしい瞳の色に感じて、僕はニッコリ微笑んで言った。
「その際はよろしくお願いします。色々教えてください。」
僕が当たり障りのない言葉を残してテーブルに戻ると、先に戻っていたマードックが僕に耳打ちした。
「メンフィス先輩はここ数年で一番の逸材なんだ。兄上のひとつ下で最終学年だけど、物凄い魔法陣を敷くって言ってたよ。実践魔法の授業が楽しみだよね。」
僕は道理であの貫禄なのかと、もう一度チラリとメンフィス先輩の方を伺い見た。何を考えているのか分からない黒目がちの瞳が不意に僕を捉えて、何だか身体が拘束された様に感じたのは気のせいかな。
僕はその違和感を振り払う様に、肩を動かしてマードックを急かす様に言った。
「…さっさと食べて売店に行こう。何処にあるのか知らないけど、目当てのものが売れ切れちゃったら、魔法専攻の売店でも一緒になっちゃうでしょ?」
マードックは僕とメンフィス先輩をチラッと見ると、何も言わずに肩をすくめて黙々と食べ始めた。こう言う空気を読む感じ、ゲオルグっぽいところあるよ、マードックって。二人を会わせたらちょっと面白そう。ふふ。
マードックの言ってたみたいな競合相手なのはそうかもしれないけど、だからと言ってギスギスとする様な年頃でもなかった。
「ディーは、ぱっと見つけ入れられそうで心配だったけど、あの魔法を見せつけられたんじゃ迂闊に手を出せないよね。まぁ魔法専攻は強引に押し切る様なタイプはそもそも少ないけど。
とは言えあんまり愛想が良いのも考えものだ。勘違いする奴だって出てくるかもしれないだろう?」
周囲からの声掛けにニコニコ応えて手を振っている僕をジトリと見て、大きな耳を神経質にピコピコ震わせるマードックの小言に首を傾げた。
「勘違い?僕が油断させて襲うとか?ふふ、冗談だよ。分かってる、流石に僕も色々経験値はあるからね?でもさ、基本魔法専攻する学生って、魔法オタクであんまり他の事に興味ないんじゃないの?」
マードックは眉を顰めて僕を見ると、少しため息をついてぶつぶつ言った。
「ディーって結構図太いのかな。しかもオタクって何?くそー、なんかすっかりディーのお世話役になってる気がするな。」
僕はクスクス笑って、同期たちと手を振り合った。
「狐族のマードックが側にいてくれて心強いよ。高等学院の頃、競技会で狐族の双子とチームを組んだけど、かなり気が合ったんだ。彼らは薬師を目指していたけど、マードックは何を目指してるの?」
マードックはやっぱりジト目で僕を見ると、食事の載ったトレーを手にしてから僕もトレーを抱えるのを確認すると、大きな尻尾を揺らしながら空いてるテーブルに歩き出した。
「ディーは全然遠慮がないな。出会って早々いきなりそんな話題振る?そう言うディーは何目指してる訳?他人の情報が欲しければ、自分から開示しなくちゃ。」
手を合わせていただきますと挨拶すると、僕は今夜は魔肉ステーキかとニンマリしながらまずお肉を口に放り込んだ。うん、普通に美味しい。
「僕?まだ何をしようとかあんまり考えてないな。魔法適性があって、魔法使うのが楽しいから魔法専攻にしただけって感じだしね。実際僕に騎士なんて無理だし、総合だっけ?あれを専攻する様なバックボーンは無いよ。
パーカスも僕が魔法専攻以外を選んだらかえってびっくりしたんじゃ無いかな。でも魔物退治は結構好きかも。高等学院の時に時々参加したけど、あの緊張と達成感は堪らないよね。」
マードックは手を忙しく動かしながら口にどんどん食事を放り込んだ。やっぱり魔法専攻者は魔素の減りが激しいからお腹が空くのかな。
「ディーってやっぱり見た目と随分中身が違うよ。ずっと血の気が多いみたいだ。見た目に騙されてる奴らびっくりするぞ?私は魔物と対峙する事を考えただけでゾッとしちゃうけど。
そっか。じゃあ王立騎士団と一緒に随行する魔法使いになるのが良いかもしれないな。私は王宮薬師目指したいな。薬の研究するのも楽しそうだ。」
僕はマードックは研究肌なんだと納得して、何も考えずに言った。
「そうなんだ。僕まだ市販されていないミルも連れてきたんだけど、成分の研究とかしたい人?」
マードックの手が止まって動かないのに気づいて、僕は口を動かしながら顔を上げた。
「…市販されてないミルってどう言う事?あ、そう言えばパーカス様ってブレーベルに拠点置いてたんだっけ。あっちってダグラス印のミルの本拠地だよね。
…そう言えばディーってグリーンアイタイプのミルの目と似た色の瞳だよな。どこかで見たことあるなと思ってたんだけど。ディーみたいな明るい緑色の目って結構珍しいからさ。」
僕は迂闊なことを言ってしまったかもしれないと思いながら、マードックに尋ねた。
「マードックはグリーンアイタイプのミル持ってきた?ここの食堂のミルって多分そっち系だよね。」
するとマードックは眉を顰めてため息をつきながら、食事の続きを始めた。
「持ってくるって何?いくらグリーンアイタイプのミルが安くなったからって、個人で所有できるほど手軽な値段じゃ無いよ。まして学生の私なんてさ。うちは薬師系の家だったから手元で育ててたけどね。
…確かに魔法専攻の寮食だから、ミルは魔素の多いグリーンアイタイプだろうね。専攻に限らず、魔素は多い方が良いからきっと他の寮食もそっち系だと思うけど。
しかしディーは知れば知るほど色々非常識な感じだ。まぁ、あんな魔法見せつけるくらいだから納得だな。」
ミルの繁殖の担い手である僕にとっては、ミルはダグラスから押し付けられたペットみたいなものだけど、一般にはそれほど身近なものでは無いのだと改めて知ったんだ。
「僕の魔法レベルは上級生ならやろうと思えば出来るでしょ?」
僕が誤魔化す様に言うと、マードックはニヤリと笑って小声で囁いた。
「そうかも知れない。でもディーは一切魔法の仕掛けを使わなかったから、ちょっと意味が違うんだ。あんなのあり得ないからね。」
僕は肩をすくめた。僕にとっては魔法陣を使う方が難しい。呪文だって覚えきれない。でも、それっぽくやった方が目立たないって事なのかな。そんな風に考え込んでいると、マードックが僕に言った。
「もしディーの連れてきた特別なミルをこっそり見せてくれるなら、兄上に聞いた特別な売店へ連れて行ってあげるよ。この寮って売店がしょぼいだろう?」
マードックが僕のうっかり発言を全然聞き逃してくれなかった事に、諦めに似た気持ちで苦笑しながら頷いた。
「…誰にも内緒にしてくれるなら良いよ。確かに売店に目ぼしいものは無かったよね。僕はいつも腹ペコだからおやつを買いたいんだ。」
するとマードックも頷いて、目の前のお皿を空にしてお代わりに立ち上がって言った。
「魔法使うとお腹が減るからね。おやつで魔素を補うのも限度があるだろう?取り敢えず食事のお代わりといこう。」
僕はマードックの後ろ姿を見て慌てて残りを口に押し込むと、お代わりに席を立った。確かに皆当然の様にお代わりに並んでいる。十分に成長してる様に見える彼らにしては食べ過ぎだと思えるくらいだ。
今日の夕食は前回よりも人数が多かった。前乗りしなかった新入生が増えたのもあるかも知れない。ふと強い視線を感じて誰だろうと確認すると、寮長のメンフィス先輩だった。僕は無視するわけもいかなくて、お代わりの帰りに先輩のテーブルの側に近づいた時に会釈した。
「ディー ブラック、お披露目は見事だったな。魔力も多い様だし、コントロールも良かった。一緒に実践魔法の授業を受けるのが楽しみだ。」
僕はメンフィス先輩の妙に白い顔を見つめた。うん、フクロウ族だと思うからなのか、先輩からは森の賢人の様な落ち着きが感じられるな。深みのある焦茶色の瞳が懐かしい瞳の色に感じて、僕はニッコリ微笑んで言った。
「その際はよろしくお願いします。色々教えてください。」
僕が当たり障りのない言葉を残してテーブルに戻ると、先に戻っていたマードックが僕に耳打ちした。
「メンフィス先輩はここ数年で一番の逸材なんだ。兄上のひとつ下で最終学年だけど、物凄い魔法陣を敷くって言ってたよ。実践魔法の授業が楽しみだよね。」
僕は道理であの貫禄なのかと、もう一度チラリとメンフィス先輩の方を伺い見た。何を考えているのか分からない黒目がちの瞳が不意に僕を捉えて、何だか身体が拘束された様に感じたのは気のせいかな。
僕はその違和感を振り払う様に、肩を動かしてマードックを急かす様に言った。
「…さっさと食べて売店に行こう。何処にあるのか知らないけど、目当てのものが売れ切れちゃったら、魔法専攻の売店でも一緒になっちゃうでしょ?」
マードックは僕とメンフィス先輩をチラッと見ると、何も言わずに肩をすくめて黙々と食べ始めた。こう言う空気を読む感じ、ゲオルグっぽいところあるよ、マードックって。二人を会わせたらちょっと面白そう。ふふ。
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