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王都へ
安堵と新しい恐怖
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筆頭参謀の執務室には何人か詰めていた兵士や騎士が居たが、ジュリアンは僕が動揺しているからと全員を退出させた。
皆が出て行った後、ジュリアンは僕を腕の中に抱き締めながら言った。
「シンが狙われるとは。考えてみればあり得る話だった。王都でシンは今一番の注目度だ。
だが、私や公爵家を敵に回してまでシンに危害を加えようとする人間がいるとは考えが及ばなかった。
だがシンは異世界の人間で、白魔法も使える。戦でも活躍したのは皆の知るところだ。シンを手に入れたいと願う者も多いことだろう。」
僕は戦の時の怖さとは違う、人間から直接向けられる悪意に身が震えた。
「僕、あの時感じたんです。もし捕まったら二度とここに戻ってこれないだろうって。
僕は殺されたり、拐われる事より、ジュリアンに二度と会えなくなることが恐ろしかった…。」
僕がそう言ってジュリアンを見つめると、ジュリアンは僕を怖いくらいの目つきで射すくめると囁いた。
「…シン。私も怖い。私が手を出せないところで、シンが乱暴に扱われると思うと。
シンに二度と会えなかったかもしれないと思うと、私の心は冷たく凍りついてしまいそうだ。」
ジュリアンと僕は二人だけとはいえ、訓練場なのに我慢できなくなって口づけた。ジュリアンの熱い体温と蕩けさせる舌の動きが、僕の恐怖心を和らげた。抱きしめられる腕の強さが、僕を安心させた。
突然ノックの音が響いて、僕とジュリアンは飛び上がって離れた。
「くそっ、シンはそこの洗面で顔を洗った方がいい。涙の跡もあるし…、そんな顔は他の奴らに見せたく無いからな。」
僕が洗面所で軽く顔を洗って赤らんだ顔を冷やしていると、執務室に何人かの声が聞こえてきた。
気を取り直して戻ると、ルカ様が立ち上がって僕の側に駆け寄って来た。
「シン君!怪我はないかい⁉︎ 私もさっき襲われたと聞いて、居ても立っても居られなくて駆けつけたんだ。
シン君は今や、私の大事な義弟だからね。」
そう心配そうな顔で僕を覗き込んだ。
僕はにこりと微笑んで言った。
「フーガが良く頑張ってくれましたから。フーガでなければ逃げおおせるのは難しかったでしょう。」
「シン、シンに投げつけられた短剣が見つかった。…これはこの国の物ではない。夜の国ライデンの物だ。
まさかと思うが、夜の国の関与が有るのかもしれない。」
なぜその可能性を考えなかっんだろうと、僕は呆然とジュリアンを見つめた。
皆が出て行った後、ジュリアンは僕を腕の中に抱き締めながら言った。
「シンが狙われるとは。考えてみればあり得る話だった。王都でシンは今一番の注目度だ。
だが、私や公爵家を敵に回してまでシンに危害を加えようとする人間がいるとは考えが及ばなかった。
だがシンは異世界の人間で、白魔法も使える。戦でも活躍したのは皆の知るところだ。シンを手に入れたいと願う者も多いことだろう。」
僕は戦の時の怖さとは違う、人間から直接向けられる悪意に身が震えた。
「僕、あの時感じたんです。もし捕まったら二度とここに戻ってこれないだろうって。
僕は殺されたり、拐われる事より、ジュリアンに二度と会えなくなることが恐ろしかった…。」
僕がそう言ってジュリアンを見つめると、ジュリアンは僕を怖いくらいの目つきで射すくめると囁いた。
「…シン。私も怖い。私が手を出せないところで、シンが乱暴に扱われると思うと。
シンに二度と会えなかったかもしれないと思うと、私の心は冷たく凍りついてしまいそうだ。」
ジュリアンと僕は二人だけとはいえ、訓練場なのに我慢できなくなって口づけた。ジュリアンの熱い体温と蕩けさせる舌の動きが、僕の恐怖心を和らげた。抱きしめられる腕の強さが、僕を安心させた。
突然ノックの音が響いて、僕とジュリアンは飛び上がって離れた。
「くそっ、シンはそこの洗面で顔を洗った方がいい。涙の跡もあるし…、そんな顔は他の奴らに見せたく無いからな。」
僕が洗面所で軽く顔を洗って赤らんだ顔を冷やしていると、執務室に何人かの声が聞こえてきた。
気を取り直して戻ると、ルカ様が立ち上がって僕の側に駆け寄って来た。
「シン君!怪我はないかい⁉︎ 私もさっき襲われたと聞いて、居ても立っても居られなくて駆けつけたんだ。
シン君は今や、私の大事な義弟だからね。」
そう心配そうな顔で僕を覗き込んだ。
僕はにこりと微笑んで言った。
「フーガが良く頑張ってくれましたから。フーガでなければ逃げおおせるのは難しかったでしょう。」
「シン、シンに投げつけられた短剣が見つかった。…これはこの国の物ではない。夜の国ライデンの物だ。
まさかと思うが、夜の国の関与が有るのかもしれない。」
なぜその可能性を考えなかっんだろうと、僕は呆然とジュリアンを見つめた。
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