46 / 127
はじめての戦
シンの存在
しおりを挟む
シンの考えた甘い菓子、クッキーなるものを三人で食べながら私は天幕に消音の魔法をかけた。シンは何があるんだろうとでも言うような顔で、私とルカの顔を見回した。
「シン、先日団長が言った事を覚えているか。シンの存在に目をつける人間が出てくると言う話だ。
この間の戦でしばらくここも落ち着いている事だろう。場合によっては私も王都へ行く事になるだろう。シンをここには置いて行くわけにいかない。かといって単なる私の従騎士だけの身分で王都へ連れて行ったら横槍が入るかもしれない。」
フォーカス様は難しい顔をして僕の顔を見ながら話しながら、ルカ様の方を見た。
「そうなんだよね。そこで私の出番てわけ。実は私はこう見えても王家に繋がる公爵の血筋でね、案外顔が効くのだよ。まぁ兄君が二人居るので、私自身は公爵の権威を利用するだけの呑気な立場なんだけどね。そこで、私が考えたシン君の身分強化なんだけど…。
ふふ、君、私の義理の兄弟にならないかい?君の異世界の出生は誤魔化しようが無いけれど、後見に我が公爵家、従騎士の主としてフォーカス侯爵家なら、そこそこシン君を守るには強いと思うんだよね。王家は公爵と侯爵に、このご時世でゴリ押しはしないだろうからね。」
僕は身分というものが実感として分からなかったけれど、フォーカス様とルカ様が考えてくれたという事は必要な事なのだと思った。
「僕はこちらへ着の身着のまま放り出された身です。もし必要だと御二方が考えられて、それが一番であるとするなら、僕になんの不満があるでしょうか。フォーカス様、ルカ様よろしくお願いします。」
僕は騎士の礼をして御二方に跪いた。
「はー、本当シン君はどこぞの王族の様に所作も美しければ、言葉も雅で非の打ち所がないよ。王都に連れて行ったら、私の母上におもちゃにされそうで、それだけ心配だ。一応父上にはもう随分前からシン君の話をしてあって、この話もそもそも父上の提案なんだ。」
「ルカ、礼を言う。私だけでは、シンを守り切るには足りなかったろうからな。」
「ふふふ、ジュリアンに礼を言われるなんて人生でそう何度もないだろうし、私はシン君が義弟になるのが嬉しいんだ。
まぁ、母上のおもちゃになるのはちょっと我慢してもらうしか無いけどね?」
そう言うとルカ様は楽しそうに笑った。僕はルカ様がお母様に似てるとすると、対面の際はなかなかだなぁと覚悟を決めたんだ。
「シン、先日団長が言った事を覚えているか。シンの存在に目をつける人間が出てくると言う話だ。
この間の戦でしばらくここも落ち着いている事だろう。場合によっては私も王都へ行く事になるだろう。シンをここには置いて行くわけにいかない。かといって単なる私の従騎士だけの身分で王都へ連れて行ったら横槍が入るかもしれない。」
フォーカス様は難しい顔をして僕の顔を見ながら話しながら、ルカ様の方を見た。
「そうなんだよね。そこで私の出番てわけ。実は私はこう見えても王家に繋がる公爵の血筋でね、案外顔が効くのだよ。まぁ兄君が二人居るので、私自身は公爵の権威を利用するだけの呑気な立場なんだけどね。そこで、私が考えたシン君の身分強化なんだけど…。
ふふ、君、私の義理の兄弟にならないかい?君の異世界の出生は誤魔化しようが無いけれど、後見に我が公爵家、従騎士の主としてフォーカス侯爵家なら、そこそこシン君を守るには強いと思うんだよね。王家は公爵と侯爵に、このご時世でゴリ押しはしないだろうからね。」
僕は身分というものが実感として分からなかったけれど、フォーカス様とルカ様が考えてくれたという事は必要な事なのだと思った。
「僕はこちらへ着の身着のまま放り出された身です。もし必要だと御二方が考えられて、それが一番であるとするなら、僕になんの不満があるでしょうか。フォーカス様、ルカ様よろしくお願いします。」
僕は騎士の礼をして御二方に跪いた。
「はー、本当シン君はどこぞの王族の様に所作も美しければ、言葉も雅で非の打ち所がないよ。王都に連れて行ったら、私の母上におもちゃにされそうで、それだけ心配だ。一応父上にはもう随分前からシン君の話をしてあって、この話もそもそも父上の提案なんだ。」
「ルカ、礼を言う。私だけでは、シンを守り切るには足りなかったろうからな。」
「ふふふ、ジュリアンに礼を言われるなんて人生でそう何度もないだろうし、私はシン君が義弟になるのが嬉しいんだ。
まぁ、母上のおもちゃになるのはちょっと我慢してもらうしか無いけどね?」
そう言うとルカ様は楽しそうに笑った。僕はルカ様がお母様に似てるとすると、対面の際はなかなかだなぁと覚悟を決めたんだ。
61
お気に入りに追加
2,696
あなたにおすすめの小説
ヒロイン不在の異世界ハーレム
藤雪たすく
BL
男にからまれていた女の子を助けに入っただけなのに……手違いで異世界へ飛ばされてしまった。
神様からの謝罪のスキルは別の勇者へ授けた後の残り物。
飛ばされたのは神がいなくなった混沌の世界。
ハーレムもチート無双も期待薄な世界で俺は幸せを掴めるのか?
生き直し?伯爵令息の甘い日常
コプラ
BL
名前はリオン。天使みたいな無自覚伯爵令息が成長と共にパワーアップして、周囲の家族やご学友を無意識に翻弄し続ける小悪魔のほのぼのなとても甘い日常の成長記録 #萌えエロ #近親イチャイチャ #天然最強説 #総愛され #成長と共に固定カップル? #甘い溺愛好きな人に読んでもらいたい笑 # 勢いで書いてます #幸せしかありません ※は背後注意が正解です
読んでもらって嬉しいです♡感想頂けると喜びます♪
2022/1/1に新年のお祝いに1話完結の番外編更新しました♪
オッサン、エルフの森の歌姫【ディーバ】になる
クロタ
BL
召喚儀式の失敗で、現代日本から異世界に飛ばされて捨てられたオッサン(39歳)と、彼を拾って過保護に庇護するエルフ(300歳、外見年齢20代)のお話です。
モフモフになった魔術師はエリート騎士の愛に困惑中
risashy
BL
魔術師団の落ちこぼれ魔術師、ローランド。
任務中にひょんなことからモフモフに変幻し、人間に戻れなくなってしまう。そんなところを騎士団の有望株アルヴィンに拾われ、命拾いしていた。
快適なペット生活を満喫する中、実はアルヴィンが自分を好きだと知る。
アルヴィンから語られる自分への愛に、ローランドは戸惑うものの——?
24000字程度の短編です。
※BL(ボーイズラブ)作品です。
この作品は小説家になろうさんでも公開します。
婚約破棄された俺の農業異世界生活
深山恐竜
BL
「もう一度婚約してくれ」
冤罪で婚約破棄された俺の中身は、異世界転生した農学専攻の大学生!
庶民になって好きなだけ農業に勤しんでいたら、いつの間にか「畑の賢者」と呼ばれていた。
そこに皇子からの迎えが来て復縁を求められる。
皇子の魔の手から逃げ回ってると、幼馴染みの神官が‥。
(ムーンライトノベルズ様、fujossy様にも掲載中)
(第四回fujossy小説大賞エントリー中)
光る穴に落ちたら、そこは異世界でした。
みぃ
BL
自宅マンションへ帰る途中の道に淡い光を見つけ、なに? と確かめるために近づいてみると気付けば落ちていて、ぽん、と異世界に放り出された大学生が、年下の騎士に拾われる話。
生活脳力のある主人公が、生活能力のない年下騎士の抜けてるとこや、美しく格好いいのにかわいいってなんだ!? とギャップにもだえながら、ゆるく仲良く暮らしていきます。
何もかも、ふわふわゆるゆる。ですが、描写はなくても主人公は受け、騎士は攻めです。
音楽の神と呼ばれた俺。なんか殺されて気づいたら転生してたんだけど⁉(完)
柿の妖精
BL
俺、牧原甲はもうすぐ二年生になる予定の大学一年生。牧原家は代々超音楽家系で、小さいころからずっと音楽をさせられ、今まで音楽の道を進んできた。そのおかげで楽器でも歌でも音楽に関することは何でもできるようになり、まわりからは、音楽の神と呼ばれていた。そんなある日、大学の友達からバンドのスケットを頼まれてライブハウスへとつながる階段を下りていたら後ろから背中を思いっきり押されて死んでしまった。そして気づいたら代々超芸術家系のメローディア公爵家のリトモに転生していた!?まぁ音楽が出来るなら別にいっか!
そんな音楽の神リトモと呪いにかけられた第二王子クオレの恋のお話。
完全処女作です。温かく見守っていただけると嬉しいです。<(_ _)>
異世界に転移したら運命の人の膝の上でした!
鳴海
BL
ある日、異世界に転移した天音(あまね)は、そこでハインツという名のカイネルシア帝国の皇帝に出会った。
この世界では異世界転移者は”界渡り人”と呼ばれる神からの預かり子で、界渡り人の幸せがこの国の繁栄に大きく関与すると言われている。
界渡り人に幸せになってもらいたいハインツのおかげで離宮に住むことになった天音は、日本にいた頃の何倍も贅沢な暮らしをさせてもらえることになった。
そんな天音がやっと異世界での生活に慣れた頃、なぜか危険な目に遭い始めて……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる