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15.ハンカチと思い出した大切なことと変態
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「……これは」
あまりのことに思わず言葉を失っていましたが、腕の中にいる可愛い三毛猫がとても熱い眼差しを僕に向けてきている気がします。
その熱い眼差しに炎のように燃えるソウルを勝手に感じました。
まだこの子には名前がないので、ここは恰好良くシューゾーとか名づけても良いかもしれません。ちなみにシューゾーとは偉大なる御方の名前です。
「……なるほどな。この猫を使って誰かがこれを伝えようとしているらしいな。ただ、そいつが味方かも分からないが」
真剣な顔で考え込んでいるヴァンさんに僕も同意します。
「確かに、シューゾーから感じる熱いパトス、そこからこの子が偉大なる太陽の子である可能性が……」
「待て、シューゾーってなんだ??いや、それはどうでもいい。これは今後に関わることだが、もう少し情報が欲しいな」
ヴァンさんが再びハンカチをまじまじと見ているのを見て、僕は大切なことを思い出しました。そのハンカチの通し番号を確認してませんでした。
「ヴァンさん、実は僕は我が家のハンカチ、具体的には僕が刺繍したものには通し番号をつけていて、このハンカチにもそれがあるはずなので見ても良いですか??」
「もちろん、確認してほしい。少しでも今は情報が欲しいからな」
ヴァンさんからハンカチを受け取り、通し番号を確認して僕は思わず目を疑いました。
「あの……このハンカチ、先ほどのガーデンパーティーで僕がミゲル様に渡したものです」
だとしたら、あれから数時間でこのハンカチはミゲル様の手元を離れたことになる。さらに血文字でそのミゲルを信じるなという内容が書かれて……。
その異常さに背筋が冷たくなる気がしました。
それに薄暗い光景も相まってなんとも不安定な気持ちになります。
あまりに不安定すぎて貧乏ゆすりをしかけて気付きました。
これは別に不安だからそうなるのではなく、ずっと我慢していた尿意が割と限界だからそうなっていたのです、これはまずいです。
「あ、すいませんヴァンさん、そのシューゾーをちょっと預かってください」
トイレに小さなジューゾーを連れて行くわけにも行かないので、一旦ヴァンさんに手渡しました。
「みゅーみゅー」
名残惜しそうにする姿が可愛すぎます、ちゃんと諸々準備をしないといけません。
「ん??とりあえず俺もついて行こう」
「いや、そのトイレなんで……」
流石に、トイレと言えばそのまま来ないと思いましたが……。
「問題ない。俺も行く」
「……連れションですか??」
ヴァンさんもトイレに行きたいとかならそれは、どうこういうことはできない。
尿意を我慢しすぎると膀胱炎になってしまいます。
熱くなるのは膀胱ではなく、魂だと太陽神もおっしゃるだろう。
「いや、お前の護衛だ」
凄くキリっと言いました。
一応、護衛もしてくれているっぽいし、割と異常なことも起きていてこの薄暗い中、トイレにひとりでいきたくなかったのは事実です。
ただ、ヴァンさんの距離が基本近すぎるので、それが割と微妙なんですよね。ヴァンさんが寂しがりやさんなのかもですが、正直もう少し離れて欲しいです。今度言ってみますか。
「分かりました、とりあえず色々限界なので、急ぎます」
僕は早足でトイレに向かいました。トイレは来客用のものが1番近いのでそちらを利用します。
広めの個室にひとつ便器があるタイプなので、ヴァンさんはドアの前に待機してもらいたいのですが、いつのまにかジューゾーをメイドさんに手際よく預けて手ぶらになったヴァンさんが何故か一緒に個室に入ろうとしてきました。
「なんですか!?ドアの外にいてください」
「だめだ。便器から邪神が出る場合もあるらしいから、触れ合うくらいそばで常にちゃんとしっかりお前の全てを見守りたい」
曇りなきまなこで変態発言するヴァンさんに、大体首コロリにより寛大な僕でもドン引きしました。
「大丈夫です。仮にトイレから邪神が出てもデカいから手とかしか便器からは出れないはずなんで、その間にヴァンさんを呼びますから、安心してドアの外にいて下さい」
バタン!!ガチャリ。
有無を言わさずドアを閉めて鍵を閉めて、やっとひとりになった僕は少し現状を整理することにしました。
あまりのことに思わず言葉を失っていましたが、腕の中にいる可愛い三毛猫がとても熱い眼差しを僕に向けてきている気がします。
その熱い眼差しに炎のように燃えるソウルを勝手に感じました。
まだこの子には名前がないので、ここは恰好良くシューゾーとか名づけても良いかもしれません。ちなみにシューゾーとは偉大なる御方の名前です。
「……なるほどな。この猫を使って誰かがこれを伝えようとしているらしいな。ただ、そいつが味方かも分からないが」
真剣な顔で考え込んでいるヴァンさんに僕も同意します。
「確かに、シューゾーから感じる熱いパトス、そこからこの子が偉大なる太陽の子である可能性が……」
「待て、シューゾーってなんだ??いや、それはどうでもいい。これは今後に関わることだが、もう少し情報が欲しいな」
ヴァンさんが再びハンカチをまじまじと見ているのを見て、僕は大切なことを思い出しました。そのハンカチの通し番号を確認してませんでした。
「ヴァンさん、実は僕は我が家のハンカチ、具体的には僕が刺繍したものには通し番号をつけていて、このハンカチにもそれがあるはずなので見ても良いですか??」
「もちろん、確認してほしい。少しでも今は情報が欲しいからな」
ヴァンさんからハンカチを受け取り、通し番号を確認して僕は思わず目を疑いました。
「あの……このハンカチ、先ほどのガーデンパーティーで僕がミゲル様に渡したものです」
だとしたら、あれから数時間でこのハンカチはミゲル様の手元を離れたことになる。さらに血文字でそのミゲルを信じるなという内容が書かれて……。
その異常さに背筋が冷たくなる気がしました。
それに薄暗い光景も相まってなんとも不安定な気持ちになります。
あまりに不安定すぎて貧乏ゆすりをしかけて気付きました。
これは別に不安だからそうなるのではなく、ずっと我慢していた尿意が割と限界だからそうなっていたのです、これはまずいです。
「あ、すいませんヴァンさん、そのシューゾーをちょっと預かってください」
トイレに小さなジューゾーを連れて行くわけにも行かないので、一旦ヴァンさんに手渡しました。
「みゅーみゅー」
名残惜しそうにする姿が可愛すぎます、ちゃんと諸々準備をしないといけません。
「ん??とりあえず俺もついて行こう」
「いや、そのトイレなんで……」
流石に、トイレと言えばそのまま来ないと思いましたが……。
「問題ない。俺も行く」
「……連れションですか??」
ヴァンさんもトイレに行きたいとかならそれは、どうこういうことはできない。
尿意を我慢しすぎると膀胱炎になってしまいます。
熱くなるのは膀胱ではなく、魂だと太陽神もおっしゃるだろう。
「いや、お前の護衛だ」
凄くキリっと言いました。
一応、護衛もしてくれているっぽいし、割と異常なことも起きていてこの薄暗い中、トイレにひとりでいきたくなかったのは事実です。
ただ、ヴァンさんの距離が基本近すぎるので、それが割と微妙なんですよね。ヴァンさんが寂しがりやさんなのかもですが、正直もう少し離れて欲しいです。今度言ってみますか。
「分かりました、とりあえず色々限界なので、急ぎます」
僕は早足でトイレに向かいました。トイレは来客用のものが1番近いのでそちらを利用します。
広めの個室にひとつ便器があるタイプなので、ヴァンさんはドアの前に待機してもらいたいのですが、いつのまにかジューゾーをメイドさんに手際よく預けて手ぶらになったヴァンさんが何故か一緒に個室に入ろうとしてきました。
「なんですか!?ドアの外にいてください」
「だめだ。便器から邪神が出る場合もあるらしいから、触れ合うくらいそばで常にちゃんとしっかりお前の全てを見守りたい」
曇りなきまなこで変態発言するヴァンさんに、大体首コロリにより寛大な僕でもドン引きしました。
「大丈夫です。仮にトイレから邪神が出てもデカいから手とかしか便器からは出れないはずなんで、その間にヴァンさんを呼びますから、安心してドアの外にいて下さい」
バタン!!ガチャリ。
有無を言わさずドアを閉めて鍵を閉めて、やっとひとりになった僕は少し現状を整理することにしました。
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