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14.血文字風に自身のハンカチに書く患い方はしてません
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「こ、これは!!」
そこに居たのは……。
「ミィー。ミィー」
「はわわ!!かわいい!!」
愛らしい三毛猫の子供、つまり愛らしい子猫が僕の足先に必死にしがみついてました。
そしてその愛らしい顔を僕の方へ向けて必死に何か訴えているように見えます。
例えるなら「助けてにゃ」とでもいうようなそんな感じです。
僕は猫が好きです。首コロリ10回のうち、その全てで猫を飼っていたくらい猫好きですし、日本でも飼ってました。
ただ、今回おかしいのが僕がこの世界で、出会うはずの猫様はヨハネ様のはずです。
ヨハネ様はとても高貴な感じの黒猫様なのですが、今目の前にいるのは三毛猫の子猫です。
猫は猫でもだいぶ違います。僕は、その子を持ち上げました。そしてその愛らしい瞳を見つめます。黄金に輝くそのつぶらな瞳、知らない子猫ですが見覚えがある気がしました。
そして、持ち上げたことによりすごいことに気付いてしまいました。
「……ヴァンさん、大変です」
「可愛いな、撫でまわしたいな……あ、なんだ??」
僕と子猫を見ていたヴァンさんが、なんか幸せそうにこちらを見てなごんでいます。
猫様は可愛いので仕方ないです。ヴァンさんも猫好きだったのは意外でしたが。
しかし、動物を好きなのは良きことです。後で、この子と触れ合ってもらうとして、それ以上に大切なことがあります。
「この子は男の子です」
「……それがどうかしたか??」
首を傾げているヴァンさん。この世界ではあまり気にしないのでしょうか、三毛猫の男の子と言えば激レアなのです。何故激レアなのかは知りませんが。
「この子は三毛猫の雄。ほとんど生まれてこない激レア猫なんですよ!!可愛いし激レアとかすごくないですか、もうこれはうちで飼うしかありません」
「猫を飼うことは別に構わないと思うけど……」
何故か複雑な顔をしているヴァンさんに僕は首を傾げました。
「何か気になりますか??」
「いや、その、なんでもない。それより、そいつがなんか布を咥えてたみたいだが……」
先ほどまで、その子がいた場所には布が落ちていました。薄暗闇でも分かる白いそれをヴァンさんは拾い上げました。
ランプで照らすと四つ折りになっているそれは見覚えのある白いハンカチで我が家の家紋が刺繍されています。
(風で洗濯中に飛んだのかな……)
この世界には洗濯乾燥機とかはもちろんないので、外に干している洗濯物が飛ぶ可能性はあります。
しかし、今日はガーデンパーティーをするくらいには穏やかな風のない天気でした。
「なんでこんなところにルドルフのハンカチがある??」
「さぁ??洗濯で飛んだのではなさそうですが……」
そう言ってヴァンさんからそのハンカチを受け取った僕は何気なくそれを開きました。実は貧乏症なので私物のハンカチにはナンバリング的な表記をしていたりします。
それを確認したかったのですが……
「えっ、な、血文字!!」
ハンカチには血で書いたような赤い歪んだ字が書かれていました。
僕は確かに中二病を患うこともありますが、私物のハンカチに「ネバーギブアップ!!お米食べろ!!」とか太陽神のお言葉を血文字風に書いたりはしないです。太陽神に誓ってそんな恥ずかしいことはしてませんし、書くならちゃんと黒で刺繍にします。
「血かはわからんが赤いな。なになに、『ミゲル・サドルをしんじるな』??」
そこに居たのは……。
「ミィー。ミィー」
「はわわ!!かわいい!!」
愛らしい三毛猫の子供、つまり愛らしい子猫が僕の足先に必死にしがみついてました。
そしてその愛らしい顔を僕の方へ向けて必死に何か訴えているように見えます。
例えるなら「助けてにゃ」とでもいうようなそんな感じです。
僕は猫が好きです。首コロリ10回のうち、その全てで猫を飼っていたくらい猫好きですし、日本でも飼ってました。
ただ、今回おかしいのが僕がこの世界で、出会うはずの猫様はヨハネ様のはずです。
ヨハネ様はとても高貴な感じの黒猫様なのですが、今目の前にいるのは三毛猫の子猫です。
猫は猫でもだいぶ違います。僕は、その子を持ち上げました。そしてその愛らしい瞳を見つめます。黄金に輝くそのつぶらな瞳、知らない子猫ですが見覚えがある気がしました。
そして、持ち上げたことによりすごいことに気付いてしまいました。
「……ヴァンさん、大変です」
「可愛いな、撫でまわしたいな……あ、なんだ??」
僕と子猫を見ていたヴァンさんが、なんか幸せそうにこちらを見てなごんでいます。
猫様は可愛いので仕方ないです。ヴァンさんも猫好きだったのは意外でしたが。
しかし、動物を好きなのは良きことです。後で、この子と触れ合ってもらうとして、それ以上に大切なことがあります。
「この子は男の子です」
「……それがどうかしたか??」
首を傾げているヴァンさん。この世界ではあまり気にしないのでしょうか、三毛猫の男の子と言えば激レアなのです。何故激レアなのかは知りませんが。
「この子は三毛猫の雄。ほとんど生まれてこない激レア猫なんですよ!!可愛いし激レアとかすごくないですか、もうこれはうちで飼うしかありません」
「猫を飼うことは別に構わないと思うけど……」
何故か複雑な顔をしているヴァンさんに僕は首を傾げました。
「何か気になりますか??」
「いや、その、なんでもない。それより、そいつがなんか布を咥えてたみたいだが……」
先ほどまで、その子がいた場所には布が落ちていました。薄暗闇でも分かる白いそれをヴァンさんは拾い上げました。
ランプで照らすと四つ折りになっているそれは見覚えのある白いハンカチで我が家の家紋が刺繍されています。
(風で洗濯中に飛んだのかな……)
この世界には洗濯乾燥機とかはもちろんないので、外に干している洗濯物が飛ぶ可能性はあります。
しかし、今日はガーデンパーティーをするくらいには穏やかな風のない天気でした。
「なんでこんなところにルドルフのハンカチがある??」
「さぁ??洗濯で飛んだのではなさそうですが……」
そう言ってヴァンさんからそのハンカチを受け取った僕は何気なくそれを開きました。実は貧乏症なので私物のハンカチにはナンバリング的な表記をしていたりします。
それを確認したかったのですが……
「えっ、な、血文字!!」
ハンカチには血で書いたような赤い歪んだ字が書かれていました。
僕は確かに中二病を患うこともありますが、私物のハンカチに「ネバーギブアップ!!お米食べろ!!」とか太陽神のお言葉を血文字風に書いたりはしないです。太陽神に誓ってそんな恥ずかしいことはしてませんし、書くならちゃんと黒で刺繍にします。
「血かはわからんが赤いな。なになに、『ミゲル・サドルをしんじるな』??」
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