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12.波乱のお茶会が終わりましたが色々大変です
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ミゲルが立ち去った後は、イヴァン殿下とジョバンニともエンカウントしないで幸せに過ごしていました。
ひとつ気になったのは、ミゲルが立ち去った後から妙にヴァンさんが僕にそれはもうぴったり文字通りはり付いていたことです。
「ほら、お米だよ」
「あ、ありがとうございます」
色々探して見つからなかったそれをあっさり盛ってきてくれたヴァンさん。なんか甲斐甲斐しい姿はお母さんみがありますね。さらに、
「このカレー??と一緒に食べても美味しいらしいぞ。後は、この茶色いスープ……」
「味噌汁!?えっ、神ですか??ご飯の永遠の相方です!!なんていいますか、竜人とかなら番同士と言っても過言ではない存在です」
味噌汁の登場に興奮が隠せません。そういえば首コロリ10回繰り返してますが、お米はもちろん味噌汁にも出会えてませんでした。
今まではイヴァン殿下の婚約者になるために、立食できていなかったのです。
しかし、今回は転生してからずっと食べたかった彼らに再会しました。
あまりの嬉しさに、心の太陽神も「お米食べろ!!」と歓喜の声をあげています。
「そんなに好きなんだな」
「はい、大好きです」
何故か頬を赤らめるヴァンさん。味噌汁から上がる湯気にあてられたのかもしれません。
なんにせよ、今回、推し活に費やすと決めたそれだけで、僕は長年求めてやまなかったお米と味噌汁と再会を果たせました。
その後は、その懐かしい味わいに舌鼓を打って、ヴァンさんに「シマリスみたいに頬袋にためるな。誰もとらないから」と言われながらもそれを満喫しました。
(また、食べたいな……)
あまりにも、ご飯と味噌との再会が嬉しすぎて僕は忘れてしまったのです。
ミゲルが今晩なんか忠誠の証を持ってくると宣言していたことを……。
お茶会が終わり、家に着いた頃には夕刻を回っていました。この世界は魔法とかありますが、基本的には中世ヨーロッパみのある世界のためそのくらいの時間になると暗いです。
現代日本人だった記憶のある僕には暗くてなんか怖い感じではあります。夜でもこれでもかと明るく照らされた道が、歓楽街が懐かしいです。
しかし、確か日本にも誰彼とか逢魔時とかの言葉は残ってましたし、それを体感しています。
そんなことを考えながら薄暗い館をトイレに向かい歩いていた時でした。
「今夜とか言ってたが、よく考えたら死ぬほど失礼なヤツだな」
「うわぁああああ!?ヴァンさん??」
いきなり暗がりがヌメッと出てきた人影にチビりそうになりました。限界まで我慢をしていなかったから惨事を免れましたが、もし僕の膀胱が破裂しかけた状態なら僕は完全にイッてました、水たまり製造機になってました。つまり、ギルティです。
「いきなりヌメッと出ないでください。僕を水たまり製造機にする気ですか??」
「水たまり製造機とはなんだ??まぁ、それは良いとしてお前例の子爵令息についてどう思う??」
「へっ??子爵令息??」
心底不思議そうな顔をした僕に、ヴァンさんがめちゃくちゃクソでかいため息をつきました。
「ほら、お茶会の最後に声をかけてきたジョバンニの取り巻きだよ」
そう言われて思い出しました。
「あ、マゾル、ちがうハンドル子爵家のミゲル様ですね」
「サドルな。お前に忠誠の証を持ってくるとかほざいていただろう??」
すごい笑顔なのになんか怖いヴァンさんの顔が、暗闇エフェクトも加わり完全に魔王でセカンドチビりそうになりました。
「はい、でもお友達が増えるのは嬉しいことで……」
シャカシャカ
「えっ??物音??」
薄暗い館に何かを引っ掻くような音が響いているのです。
「風ではなさそうだな。今日はほぼ無風だし……」
シャカシャカ
めちゃくちゃ怖いです。いきなりホラー展開はよくありません、しかし、だからといってあまり人のいないこの館では、ほっといて盗人が侵入したら不味いです。
「……いってみましょう」
だから、その元を確認しないといけません。
震える足を必死に進めて、音の出所へ向かいました。
ひとつ気になったのは、ミゲルが立ち去った後から妙にヴァンさんが僕にそれはもうぴったり文字通りはり付いていたことです。
「ほら、お米だよ」
「あ、ありがとうございます」
色々探して見つからなかったそれをあっさり盛ってきてくれたヴァンさん。なんか甲斐甲斐しい姿はお母さんみがありますね。さらに、
「このカレー??と一緒に食べても美味しいらしいぞ。後は、この茶色いスープ……」
「味噌汁!?えっ、神ですか??ご飯の永遠の相方です!!なんていいますか、竜人とかなら番同士と言っても過言ではない存在です」
味噌汁の登場に興奮が隠せません。そういえば首コロリ10回繰り返してますが、お米はもちろん味噌汁にも出会えてませんでした。
今まではイヴァン殿下の婚約者になるために、立食できていなかったのです。
しかし、今回は転生してからずっと食べたかった彼らに再会しました。
あまりの嬉しさに、心の太陽神も「お米食べろ!!」と歓喜の声をあげています。
「そんなに好きなんだな」
「はい、大好きです」
何故か頬を赤らめるヴァンさん。味噌汁から上がる湯気にあてられたのかもしれません。
なんにせよ、今回、推し活に費やすと決めたそれだけで、僕は長年求めてやまなかったお米と味噌汁と再会を果たせました。
その後は、その懐かしい味わいに舌鼓を打って、ヴァンさんに「シマリスみたいに頬袋にためるな。誰もとらないから」と言われながらもそれを満喫しました。
(また、食べたいな……)
あまりにも、ご飯と味噌との再会が嬉しすぎて僕は忘れてしまったのです。
ミゲルが今晩なんか忠誠の証を持ってくると宣言していたことを……。
お茶会が終わり、家に着いた頃には夕刻を回っていました。この世界は魔法とかありますが、基本的には中世ヨーロッパみのある世界のためそのくらいの時間になると暗いです。
現代日本人だった記憶のある僕には暗くてなんか怖い感じではあります。夜でもこれでもかと明るく照らされた道が、歓楽街が懐かしいです。
しかし、確か日本にも誰彼とか逢魔時とかの言葉は残ってましたし、それを体感しています。
そんなことを考えながら薄暗い館をトイレに向かい歩いていた時でした。
「今夜とか言ってたが、よく考えたら死ぬほど失礼なヤツだな」
「うわぁああああ!?ヴァンさん??」
いきなり暗がりがヌメッと出てきた人影にチビりそうになりました。限界まで我慢をしていなかったから惨事を免れましたが、もし僕の膀胱が破裂しかけた状態なら僕は完全にイッてました、水たまり製造機になってました。つまり、ギルティです。
「いきなりヌメッと出ないでください。僕を水たまり製造機にする気ですか??」
「水たまり製造機とはなんだ??まぁ、それは良いとしてお前例の子爵令息についてどう思う??」
「へっ??子爵令息??」
心底不思議そうな顔をした僕に、ヴァンさんがめちゃくちゃクソでかいため息をつきました。
「ほら、お茶会の最後に声をかけてきたジョバンニの取り巻きだよ」
そう言われて思い出しました。
「あ、マゾル、ちがうハンドル子爵家のミゲル様ですね」
「サドルな。お前に忠誠の証を持ってくるとかほざいていただろう??」
すごい笑顔なのになんか怖いヴァンさんの顔が、暗闇エフェクトも加わり完全に魔王でセカンドチビりそうになりました。
「はい、でもお友達が増えるのは嬉しいことで……」
シャカシャカ
「えっ??物音??」
薄暗い館に何かを引っ掻くような音が響いているのです。
「風ではなさそうだな。今日はほぼ無風だし……」
シャカシャカ
めちゃくちゃ怖いです。いきなりホラー展開はよくありません、しかし、だからといってあまり人のいないこの館では、ほっといて盗人が侵入したら不味いです。
「……いってみましょう」
だから、その元を確認しないといけません。
震える足を必死に進めて、音の出所へ向かいました。
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