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レオナルド様からの手紙

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レオナルド様が王都へ帰ってから3日後の事。お手紙が届いた。
私はアンナと引っ越し準備の真っ最中だ。

「お嬢様、レオナルド様よりお手紙が届いております。」
と執事のロビンが手紙を持ってきた。

「ありがとう。じゃあアンナ、少し休憩にしましょう。喉がカラカラ。お茶をお願い出来るかしら。」

「それが良いですね。随分と時間が経ってしまいましたから。すぐにお茶の準備をいたします。」
と言ってアンナはロビンと下がって行った。

私は自室のソファーに座り、レオナルド様からの手紙を読む。
そこには私達の婚姻証明書が受理された事と、もう一つ…
「ソフィア様………。」
私は手紙に書かれていた名前をつい口にしていた。


――――――――

親愛なるレベッカ

本日、無事に2人の婚姻証明書が受理された。これで俺たちは晴れて夫婦になった。
父と母はこの知らせを受け、2人で領地へ明後日には帰る事となった。
いつまでも領地を留守に出来ないからね。
レベッカとは入れ替わりになるだろうから、残念がっていたが、また領地に顔を出して欲しいと言っているよ。
俺も騎士団の寮を出て、このタウンハウスに暮らし始めた。
レベッカの部屋も準備中だ。俺は女性の好みがわからないから、もし実際見て不満があれば言って欲しい。
それと…先程、ソフィア嬢と侯爵夫人がやってきた。
兄の廃嫡が決まり、書類が受理された後、兄とソフィア嬢の婚約は解消となった。
もちろんうちも慰謝料を支払ったし、婚約解消の書類にはあっさりサインをしてもらえたのだが…2人は改めて俺との婚約を結ぶ契約書を持って訪ねてきたんだ。
ソフィア嬢の第一声は
「この前言ってた女と、もうお別れはすみましたか?なんなら妾にしてもよろしくってよ?でも、産まれて来る子は伯爵家の子である事は認めませんから。そのおつもりで。」だったよ。
俺がソフィア嬢と結婚する事が前提の話しっぷりに、呆れてものが言えなかったね。
もちろんすでに俺は既婚者だからね。丁寧にお断りしたよ。俺に執着してる訳でもないだろうが、よっぽど他に目ぼしい相手が見つからなかったとみえる。
まぁ、これで諦めて、妥協してでも相手を見つけてくれるだろう。
こちらは計画通りとなった。レベッカのおかげだ。本当にありがとう。
レベッカがこちらに来てくれる日を楽しみに待っているよ。

                       レオナルド・ランバード

―――――――――――――――――

やっぱり、ソフィア様の意に沿うようなお相手が見つからなかったのね。このままあっさり諦めてくれたらいいけれど。
そうこうしているうちにアンナがお茶の用意をして戻ってきた。
お茶菓子は私の大好きなマドレーヌだ。
私のソフィア様に対するちょっとした不安はマドレーヌを前に吹き飛んでしまった。
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