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帰国⑹
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「佑輔さんは、テオと婚姻関係にあるんだよな。リオを引き取ったりとかも考えてる?」
カナダでは同性婚が認められているし、確か養子縁組も認められているはずだ。
「うーん。確かにリアムがいる生活は楽しいと思うけど、それを決めるのは俺らじゃないと思ってる。日本に比べてカナダの方が、同性カップルにとって制度とかは整っていると思うけど、それでもやっぱり俺らはマイノリティだからさ、そこの事情に子どもを巻き込みたくないとは思う。もし、もう少し大きくなってリアム自身が望むなら、大歓迎だけどね。まあ、正式に引き取らなくても、今回みたく関わる事は出来ると思うし、少しでも、リアムが傷つく事はしたくないっていうのが、テオとの共通認識だな」
佑輔さんが言いたいことはよくわかる。色々な考え方があると思うが、オレもその考え方に共感できた。自分だって、ゲイというマイノリティの存在で今まで嫌なことも悩んだこともあった。自分たちの都合だけで、そこに巻き込んでしまうのはダメな気がしていたのだ。
「春人は、真野くんとパートナーになること考えてるの?」
フッと笑いながら、佑輔さんが聞いてくる。一瞬ビックリして、見つめてしまったけど、そんなに驚くような質問はしてないというような顔をされて、逆に見つめ返された。
オレとしては、望むことだけど、先程の考えと一緒でやはり真野をこちら側に巻き込んでしまうことに躊躇してしまう自分もいる。真野は、望めば、女性と結婚して子どもを作ることも十分可能なのである。オレと一緒になることでその部分が確実に難しくなるのだ。
「なーんか、またしょうもないこと考えてるんだろ。真野くんと自分は違うとか。そんなんだと真野くん不安になっちゃうよ」
「え?どういう……こと……」
「お前、また1人でグルグル考えて、真野くんの気持ちを無視してるんじゃないかなぁと思ってさ。将来のこととかちゃんと、真野くんと話せよ。真野くんの方がちゃんと考えてるんじゃねーの?」
「真野が何か言ってました?」
「どうかねー」
それ以上は、もうニヤニヤするだけで何も教えてくれない。この兄弟は本当に……
真野との将来か……と思いを馳せたところで、満足気な3人の人影が見えて、そこでまた現実に戻った。
カナダでは同性婚が認められているし、確か養子縁組も認められているはずだ。
「うーん。確かにリアムがいる生活は楽しいと思うけど、それを決めるのは俺らじゃないと思ってる。日本に比べてカナダの方が、同性カップルにとって制度とかは整っていると思うけど、それでもやっぱり俺らはマイノリティだからさ、そこの事情に子どもを巻き込みたくないとは思う。もし、もう少し大きくなってリアム自身が望むなら、大歓迎だけどね。まあ、正式に引き取らなくても、今回みたく関わる事は出来ると思うし、少しでも、リアムが傷つく事はしたくないっていうのが、テオとの共通認識だな」
佑輔さんが言いたいことはよくわかる。色々な考え方があると思うが、オレもその考え方に共感できた。自分だって、ゲイというマイノリティの存在で今まで嫌なことも悩んだこともあった。自分たちの都合だけで、そこに巻き込んでしまうのはダメな気がしていたのだ。
「春人は、真野くんとパートナーになること考えてるの?」
フッと笑いながら、佑輔さんが聞いてくる。一瞬ビックリして、見つめてしまったけど、そんなに驚くような質問はしてないというような顔をされて、逆に見つめ返された。
オレとしては、望むことだけど、先程の考えと一緒でやはり真野をこちら側に巻き込んでしまうことに躊躇してしまう自分もいる。真野は、望めば、女性と結婚して子どもを作ることも十分可能なのである。オレと一緒になることでその部分が確実に難しくなるのだ。
「なーんか、またしょうもないこと考えてるんだろ。真野くんと自分は違うとか。そんなんだと真野くん不安になっちゃうよ」
「え?どういう……こと……」
「お前、また1人でグルグル考えて、真野くんの気持ちを無視してるんじゃないかなぁと思ってさ。将来のこととかちゃんと、真野くんと話せよ。真野くんの方がちゃんと考えてるんじゃねーの?」
「真野が何か言ってました?」
「どうかねー」
それ以上は、もうニヤニヤするだけで何も教えてくれない。この兄弟は本当に……
真野との将来か……と思いを馳せたところで、満足気な3人の人影が見えて、そこでまた現実に戻った。
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