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落ち着かない気持ち2(2)
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ここ4、5日あまり颯のことを考えないように、必要以上に颯の病室に行かないようにしていたけど、それでもあの時の記憶と今の自分の立ち位置で頭がいっぱいになることが多かった。それで、看護主任や朝也にぼーっとするなと注意されることが増えていた。
業務が立て込んでいる午前中は、仕事に没頭することで余計なことを考えずにすみ、ふと時計を見ると13時をまわっていた。時間を意識すると同時にぐぅと思い出したようにお腹がなるり、昼休憩に入ろうとナースステーションに戻ると、怒鳴る朝也の声が飛んできた。
「湖城っ。田中さん13時からキャンセル空きが出たから、急遽MRI入ることになったって言ってなかったか?」
「え、あ、うん。今、検査室まで送ってきたとこだけど……」
「田中さん、今日13時から診察だったと思うんだけど……」
朝也の後ろから、声と共に吉志がひょっこり顔を出す。
「えっ……あ゛!」
さーっと血の気が引く。入院患者の検査や診察が入ると、カルテに書き込んで予定の管理をし、スタッフ全員で共有してダブルブッキング等が起きないようにしているが、吉志の診察の予定を入力し忘れていた。
「すいません、すいません。俺の入力漏れで、MRI検査を入れちゃいました……今日、診察入れるのはもう厳しいですよね……」
「うーん。そうだね……今日は予定埋まっちゃってるから、厳しいな」
パソコンを操作して、診察の予約状況を確認している吉志が、視線を湖城に戻して声をかける。
「明後日の夕方なら、時間取れそうかな。田中さんの予定も確認してくれる?」
カルテを確認すると、特に予定入っていなくホッとして、吉志に伝える。
「まあ、田中さんは緊急性は低いし、今はほとんど雑談みたいなもんだから、2、3日伸びたとしても何も問題ないよ」
吉志にそう言われても、罪悪感は拭えず、こんな初歩的なミスをしてしまった自分に気分が落ち込む。最近は心ここに在らずな状態ではあったけど、医療現場では些細なミスでも命に関わる危険性もある。
「湖城、お前最近おかしいぞ。仕事に身が入ってないんじゃないか」
朝也の半分心配、半分呆れの小言がいつも以上に胸に刺さる。「ごめん……」と謝ることしか出来ずうなだれていると、診察がキャンセルになり予定外に得た自由時間を満喫するよに軽く伸びをしながら、吉志が口を挟んできた。
「湖城、今そんな状態なの?お前はヘラヘラしてても仕事はしっかりやるタイプなのに珍しいね」
「そうですよ。湖城はやりすぎるくらい仕事だけはきっちりやるのに、今はそれすらできてません」
「すいません……」
「まあまあ、とりあえず重大な問題になったわけではないし、同じミスは繰り返さないことは頭に入れて、切り替えが大事だよ」
「……はい。すいませんでした……」
吉志にそう言われても、モヤモヤは晴れずうまく頭を切り替えられない。
「なんか、湖城は自分を許せなさそうだから、じゃあちょっと罰をあたえようかな?」
そう言って吉志はニヤニヤ笑っている。
業務が立て込んでいる午前中は、仕事に没頭することで余計なことを考えずにすみ、ふと時計を見ると13時をまわっていた。時間を意識すると同時にぐぅと思い出したようにお腹がなるり、昼休憩に入ろうとナースステーションに戻ると、怒鳴る朝也の声が飛んできた。
「湖城っ。田中さん13時からキャンセル空きが出たから、急遽MRI入ることになったって言ってなかったか?」
「え、あ、うん。今、検査室まで送ってきたとこだけど……」
「田中さん、今日13時から診察だったと思うんだけど……」
朝也の後ろから、声と共に吉志がひょっこり顔を出す。
「えっ……あ゛!」
さーっと血の気が引く。入院患者の検査や診察が入ると、カルテに書き込んで予定の管理をし、スタッフ全員で共有してダブルブッキング等が起きないようにしているが、吉志の診察の予定を入力し忘れていた。
「すいません、すいません。俺の入力漏れで、MRI検査を入れちゃいました……今日、診察入れるのはもう厳しいですよね……」
「うーん。そうだね……今日は予定埋まっちゃってるから、厳しいな」
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「明後日の夕方なら、時間取れそうかな。田中さんの予定も確認してくれる?」
カルテを確認すると、特に予定入っていなくホッとして、吉志に伝える。
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「すいません……」
「まあまあ、とりあえず重大な問題になったわけではないし、同じミスは繰り返さないことは頭に入れて、切り替えが大事だよ」
「……はい。すいませんでした……」
吉志にそう言われても、モヤモヤは晴れずうまく頭を切り替えられない。
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そう言って吉志はニヤニヤ笑っている。
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