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17歳のシガンたん⑵
しおりを挟む「そんな隙などないわ、変態教師と言っておいてくれ。…いや、今度自分で言っておこう。」
耳元で聞こえた声に肩が跳ねる。シガンんたんの声だ。いつからそんなに低く、カッコよくなって…
「ベル、待たせた?ごめんね、行こうか。」
そう言って見えた背中は広く、俺が守っていたあのか弱いシガンたん面影なんてなくて…
「ベル?どうした?早く行こう?」
「あっ、はい!」
離れていた時間が長かったからなのか、いつの間にか立派な男の人になっていた。
え、受けってあんなにカッコよくなるのか?
なんて疑問が拭いきれないが、今俺の目の前にいるのは間違いなく17歳のシガンたんで…
「(俺は何を見ていたんだろう…)」
久しぶりの剣術の授業って言っても定期的にあるからそうでもないかも?
「ベルデさん!シガンと一緒にいるの久しぶりに見た気がします!仲直りはしたんですか?」
「エディ様、お久しぶりです。仲直り?シガン様とは喧嘩などしていませんが…」
シガンたんとの距離が離れてから自然と攻め要員との距離も離れてしまったため、エディと話すのもすっごく久しぶりに感じる。
「そ、そうなんですね!てっきり喧嘩をしたのかと。それではやはりシガンとの婚約が近いのですか?」
「(!?婚約!?仲直りの話題からいきなりぶっ飛んでない?)こ、婚約ですか?どなたとどなたの婚約でしょうか?」
「もちろん、シガンとべ」
「その話はあとででも大丈夫?」
エディの話の途中に入って来たのはシガンたん。今エディがシガンたんの婚約の話をしてたんだけど!?俺超気になっちゃってるんだけど!?もうこの話は終わっちゃう感じですかね?
そう強く願うも突然入って来たシガンたんに主導権がいってしまった会話は元には戻らず
「ベル、ケガだけはしないで?」
そう言って毎度ながら心配してくれるシガンたん。
「はい、ご心配ありがとうございます。すぐに終わらせてきます。」
会場に入って早々に指名されたため、舞台へあがる。
今俺の頭の中はシガンたんの婚約のことが占めている。が、ここで切り替えられるのが本物の騎士というものだ。
シガンたんは昔こそただただ心配って顔で見ていたのに、最近では剣術に注目しているように感じる。
要所要所に推しの成長を感じ、感慨深くなる。
そして、文字通り秒で終わらせてきてやった。
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