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お手合わせはお手柔らかに⑵

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「魔法の使用は禁止、体術あるいは木刀のみ使用可能。どちらかがギブアップ、もしくは戦闘不能なるまでこちらから止めることはないだろう。……では両者ともに並んで、レディーファイト!!」

ウーゴさんのイケヴォな掛け声のもと、手合わせと言う名の結構本気な私達の戦いが始まった。

ウーゴさんの掛け声とともに突進してくるジーリオかわしながら、あわよくば引っかかってくれないかなと思いながら足を掛ける。それをヒラリとかわしながら回し蹴りをしてくるあたりまだまだ余裕がありそう。

回し蹴りの後に来るであろう拳を身構えつつ、姿勢を低くして鳩尾を狙って拳と蹴りを何回か繰り返す。

私がいくら重心を乗せて重たい拳や蹴りを出そうがかわすこともなく腕のカバーでどうにかできてしまうのはセコイと思う。これぞガチムチの真骨頂かと思うと許せてしまうのだけど…

そうこう言っているうちにジーリオから蹴りと拳が繰り出される。それもかなりの速さで…って言っても私は力が弱い分速さでは負けない自信がある。たとえ、ジーリオでも、ね。

「ナオちゃん、結構やるね。最近動いてる所見なかったから鈍ってるかと思ったけど、これは…」

…これは…何よー!気になるじゃん!その先に続く言葉!

でも手合わせを誘ってきたのは今なら楽勝とか思ったのか。舐められてたって訳なら私も負けれないよねぇ。仮にもクレマさんの息子なわけだし。年とか経験年数とか関係ない。勝ってやる。

「ジーリオ?私のこと嘗めてると…」

そこまで言うと、ジーリオの攻撃をずっと避けてた私は一気に距離を詰めて懐に入る。手合わせが始まってから一番低い体勢でそのまま体重も、捻りの力も全部乗せて無防備な鳩尾に一撃。

「痛い目見るよ?」

キャピッと可愛くそう言うも、相手には聞こえて無さそうだ。

「勝者ナオくん!」

「やられた~さすがナオちゃん。でも次は負けないから!」

拍手喝采。みんな自分たちの手を止めて見ていたみたい。そこまで長い時間はかかずに決着がついて良かったかも。

「さすが俺のナオ。」




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