【完結】腐女子の私が美少年⁉

イケメンパパが出来ました、ありがとうございます。

「異世界人の身寄りはどうなってるんですか？」

「色々だな。国で保護するか、異世界人が選んだ個人が保護したりもある。ナオが良かったらなんだが、俺の家に来ないか？俺はこのガバリア帝国の騎士団長をしている。身分も財力も問題ないはず、ナオに不自由させないと誓う。だから、その、押し付けではないが…ダメだろうか？」

異世界転生が多いためか、保護の面でいえばしっかりしてそう。
クレマさんは少しシュンとした様子でこちらを伺っている。え、何それ。可愛いかよ。イケメンのシュン顔は破壊力ヤバい。

っていうか、クレマさん騎士団長？イケメンで、優しくて、可愛くて、騎士団長？天は二物も三物も与えるのですね、グッジョブ!!

「すごくあり難いのですが、その、ご迷惑ばかりかけると思うのですが、本当によろしいのでしょうか？」

「何も心配することはない。俺もナオともっと話したいし、一緒にいたい。お金とか、その他諸々は気にしなくても国から助成が出るから問題ない。まぁ、そんなものなくても十分に養えるがな。」ドヤッ

ちょっと胸張ってどや顔してるの可愛い。胸張ることで鍛えている雄っぱ…失礼、大胸筋が協調されている。ちょっと触らしてもらっても…何もないです、すいません。

「ありがとうございます。僕ちょっと不安だったんで、初めて会ったのがクレマさんで良かったです。僕もクレマさんともっと話したいし、一緒にいたいので…その、不束者ですがよろしくお願いします。」

二ヤつく顔を慌ててただして精一杯の笑顔を心掛ける。これからお世話になるし、印象大事。

「あぁ、こちらこそこれからよろしく。」

クレマさんはポカンと間抜けな顔をした後、少し耳を赤らめながら言った。間抜けな顔でもカッコいいって、さすがイケメン。

「今、仕事の休憩中に散歩してたんだ。すまないが手続きのために役所に行く前に、騎士団の詰所によってもいいか？」

「はい。あの、詰所は部外者が付いて行ってもだいじょうぶなのでしょうか？」

「ナオはもう俺の家族だ。部外者じゃない。そうだ、せっかくだし訓練を見てみると良い。あと、家族なんだから敬語じゃなくても大丈夫だぞ。」

「家族…うん!!訓練見てみたい!!」

嬉しくて勢いよく答えると、クレマさんは優しい顔でこちらを見ていた。

やっぱり右も左も分からない世界で、知ってる人もいなくて、もしかしたら価値観とかも全部違うかもしれないところで…いきなり一人になって…何とかなるかも分からなくて…すごい不安だったし、寂しかったし、怖かった。助けてくれる人は誰もいないかもしれない、そう思うと絶望感と孤独が心の中で広がって…だからこそ、クレマさんは何気なく言ったことかもしれないけど家族って言葉が嬉しくて、ここだけの話ちょっと泣きそうになったのは秘密。