【完結】腐女子の私が美少年⁉

カタカナって覚えにくいね

「ぅん、んん？」

自分の声で目が覚め、目の前に人影が見える。寝起きにいきなり日光がダイレクトに入ってきたため、目をパシパシさせて慣らす。

「…ふぁ――わあぁぁぁ!?」

私が寝ている間に誰か来たんだろう、どんな人かなって思い人影に目をやると…思った以上に近く、ドアップのイケメンに驚き、思わず後ずさる。私の背後にあるのは木なわけで…

ゴンッ「ッい!!～～～～っ!!」

あ―痛い痛い痛い!!頭割れるかと思った。ってか割れてない?
とりあえず深呼吸で痛みを治める。ひっひっふー、ひっひっふー。

「驚かしたみたいですまない。大丈夫か？」

イケメンさんが心配そうに声を掛けてくれた。改めて見ると、漆のような漆黒の瞳に艶のある黒髪は少しウェーブがかかっている。間近で見ても毛穴などは見当たらない綺麗な肌と、服の上から見ても分かるほどの体格の良さも合わさり、何とも言えない色気を醸し出している。20代に見えなくもないが、大人の色気から30代にも見える。黒の軍服のようなものを着ており、正直性癖に刺さりまくって困る。しかも、心配そうな表情をして私の顔を覗き込んでいるというオプション付き。え、これなんのご褒美？

「あ、大丈夫です。すいません。」

普通に返すも、今更だが冷静になりちょっと恥ずかしくて思わず謝ってしまう。うぅ～顔が熱い。

「ッ!!…打ったところ冷やした方が良いだろう。冷やすものを持って来よう。」

一瞬生唾を飲む音が聞こえたような気がするが、イケメンさんの表情は変わらず心配そうだ。

「あ、こぶができたぐらいなので大丈夫です。ありがとうございます。」

そこまでしてもらうのは申し訳なかったから、遠慮しておいた。

「そうか、大事になっていないようで良かった。俺は、クレマン＝デシャン。クレーとかクレマとか呼びやすいように呼んでくれ。君の名前は？」

「じゃあ、クレマさん。わ…僕は奈央です。あの、少し聞きたいことがあるんですけど、良いですか？」

「ナオ、良い名前だな。大丈夫だ。何でも聞くと良い。」

「あの、変なことを聞くようですが、ここは何という国ですか？あと、日本や地球という国や惑星をご存知でしょうか。」

「ここは、ガバリア帝国だ、ちなみに現皇帝はイヴォン=ガバリア。にほんやちきゅうは聞いたことがないな。君はそこから来たのか？」

カタカナ多くて情報量過多だわ。

やっぱり日本はないか～日本というか地球？から来た事言っても大丈夫かな。優しそうだし、何しろイケメンだからいい人だよね、うん、イケメン大事。性別が変わってるのは面倒だから黙っとこう。

「えぇっと、地球っていう星の日本という国から来ました。ガバリア？は聞いたことがないので…」

「そうか。なら、ナオは異世界人ということか。」

「異世界人？って、異世界からくる人がいるんでしょうか。」

「あぁ、たまに聞く。珍しいが、全くいないわけではない。恐らく、話している言葉も翻訳されているだろう。」

異世界人が多いってみんな何かしらで人生の最期を迎えたのかな…過去引きずっても仕方ないか。私男の子なっちゃったし。え、待って？前より間近で萌えが見られるのでは？やばい、想像しただけでよだれが。ジュルッ