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12 番と書いてメシツカイと読む

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案内された部屋は……リビング、衣装部屋、浴室、レストルーム、寝室に別れとにかく広い、寝室のベットは淡いグリーンの天蓋付き大人4、5人は寝れるんじゃないかと思う程広い、これを見てまず思ったのが、掃除が大変じゃないか?確かにいい部屋用意しろと言ったが、これは、……贅沢すぎやしないだろうか?

「グ、グラシオス?ここまで立派じゃなくてもいのよ、これじゃまるで……王族の部屋みたい…もっとシンプルでいいのよ」

自分で、言い出したことだけどまさか、これ程の部屋だとは、…あれ?私が要求する前に用意していたって言ってたっけ?

「問題ない、ここは元々リリィの為に用意させていた部屋だから、ここにあるものは全てリリィの物だ他に必要なものがあれば言ってくれ、用意させる。」

と、…各部屋を親切丁寧に説明し、ソファで休んでいろと言いそそくさとお茶の準備に取り掛かる……?え?グラシオスが嬉々として手際よく準備していく…そうですグラシオス自ら…腐っても王太子!私の中では威厳なんぞ消し飛んでいるが貴方は確か王族でしたよね?次期国王ではなかったですか?

「…あの…グラシオス?お茶の準備は……ああ。既に用意終わってるのね、……ありがとう…後は自分でするから、大丈夫よ今日は後は入浴して早目に休むから、グラシオスも自分の部屋に戻って休んだら?貴方も色々あったから、疲れてるでしょ。」

あれ?私の話聞いてなかった?隣に座り寛ぎ始めたわよこの男は…ここでお茶してから戻るのかしら?召使いじゃないから用意だけさせて帰れって言うのも悪いわよね、お茶ぐらいいいか!…ああ、甘いものが食べたくなっちゃった。

__コンコン__

「グラシオス様、アイルス様がお見えになりました、お通ししても宜しいでしょうか?」

「…チッ…もうきたか、よい通せ!」

?今舌打ちしたよね?しかもなんでグラシオスが許可してるの?ここは私に聞くところでしょ、まぁ通してあげちゃうけどさ!本当はもう1人で寛ぎたいけど目の前まで来て断ったら、可哀想だしね。

「リリィねぇ様、お母様の事ありがとうございました。おつかれと思いお菓子をおもちしました。いかがですか?」

「わぁ!丁度今、甘いものが食べたいと思っていたの~すごく嬉しい~アイルスありがとう~」

隣に座ったアイルスの頭を撫でるとふにゃりとなるその仕草が可愛くてついデレてしまった。アイルスの頭を撫でている間グラシオスの視線を感じていたが面倒なので無視してその後しれっとお菓子を堪能した。

「うわ!何これ?すごくおいしい!ねぇアイルス、これどこで売ってるの?お義父様にもあげたいわ。」

「お口にあいましたか?それ、ボクがりょうり長といっしょに考えて作ったんですよ。リリィねぇ様が甘いものお好きだときいたので、ダンテこうしゃく様には後でおくっておきますね。」

「えー?これ、アイルスが作ってくれたの?凄いわ!私お料理とか全然だめなのよ、センスがないみたいでレシピ通りに作っているはずが、出来上がると凄い味の物が完成するのよ、びっくりしちゃうわ」

グラシオスの入れたお茶もおいしいし、この2人は女子力高い男子なのね。さっきから見てるとテキパキ動いて甲斐甲斐しく世話してくれるし、まるで……侍女…召使い?意外とお世話されても嫌な気分にならないのよね、気配りが自然だし、…なんか…お腹が満たされたら、…なんか眠くなってきた。ふゎ~、、、。zzz


__グラシオス&アイルス__

「グラシオス様、リリィねぇ様よほどおつかれだったんですね。」

アイルスはソファで寝てしまったリリィの頭を撫でながら愛おしそうに見つめていた。

「そうだな、かなり魔力を消費していたからな、それより、私たちの前で無防備に寝れる程に気を許してくれたのは嬉しいな。_アイルス、私達竜種は本来、番は1人のはずだが私たちはお互いリリィの番だ!これは変えようのない事実として今後支え合わねばならない。できればリリィが私たち2人を受け入れてくれることを願っているから、お互い協力し合わないか?」

「…そうですね、ぼくはまだ体が成人になるまであと6年程かかりますから、ぼくが大人になるまで、グラシオス様もガマンしてくださいね。抜けがけはなしですよ。」

「あ、ああ、我慢しよう。そもそもリリィがその気になってくれなければ無理な事だし、今はリリの側にいられるだけで幸せなんだよ。リリィが番だと気づいてから、ずっと会いたいと願っていたが会うことが叶わなかったから、リリィの存在を側で感じる事が出来てとても幸せなんだよ。」

「……父上のことがあったから、……ですね。もし、父上と母上が出会わなければ…リリィ姉様は王女のままグラシオス様の番として嫁いだかもしれませんね…」

「アイルス、それは違う!リリィの番の紋様は両翼だ!そして私の紋様は片翼だったが番だと認識していた。その時点で運命は決まっていたんだ。これは偶然ではなく必然なんだ!片翼をもつアイルスもリリィの番だ私たち2人がリリィに必要なんだ。2人で支え合おう」

グラシオスは眠るリリィをそっと抱き上げ寝室に向かった。着替えは侍女を呼び夜着に着替えさせた後、2人はそれぞれ、汗を流し寝支度をしてリリィを挟んで3人で眠りについた。

ぐっすり朝まで目覚めることなく寝てしまったリリィはまたしても驚く?事に?
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