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第14章

高2最後の想い出

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冬休みも終わり、ヒデキとトシオは新学期を迎えた。

トシオはキャプテンとしてチームをまとめ野球部の練習で忙しかったが、ヒデキは授業を終えると一人図書館に足を運んで本を読んでいた。ノブコはというと週に2回、図書館に足を運んでヒデキとお話しながら恋愛小説を読んでいた。ノブコから積極的にヒデキに話しかけてきた。

ノブコ「もうすぐ3年生だね」

ヒデキ「うん」

ノブコ「ヒデキは進路先考えているの?」

ヒデキ「う~ん、進学するか就職するか迷っているよ」

ノブコ「そうだよね。あれ、なんだかますますヒデキ可愛くなってない?」

ヒデキ「えっ、そうかな。髪ちょっと伸びたからかな」

ノブコ「髪伸ばしているの。それにその座り方、足をしっかり揃えて上品に座っててまるで女の子みたい」

ヒデキ「足を揃えて座るのがクセになっちゃったみたい」

ノブコ「えっ、足開いて座った方が楽じゃない。女の子は女の子らしく見せたいから足閉じて座るのはわかるけど」

ヒデキは一瞬、考え込んでしまった。日頃、トシオと一緒にいる時など少しでも女の子らしいふるまいを使用と足を閉じて座っていたので、その癖もあり普段から足を閉じるのが習慣化していた。

ヒデキ「よくわからないけど足を閉じて座った方が姿勢正しいかなって気がするんだ」

ノブコ「でも、面接などの座り方の教本などを見ると女の子は足を閉じて姿勢正しく座っているけど、男の子は肩幅ぐらいまで足を広げて座っているじゃない」

ヒデキ「確かに。そうかもしれないね」

ノブコ「ヒデキちょっと女の子みたいだよね。女装とかしてみたら可愛くなりそうだよね」

ヒデキ「なんだか恥ずかしいな」

ノブコ「ところでヒデキって女装したことある?」

ヒデキ「中学校の時、催し物で1回だけあるよ」

ノブコ「1回女装させてみたいな」

ヒデキ「そんなの恥ずかしいよ」

ヒデキとノブコはそんな感じで図書館にいると一緒にお話をしている時間が長かった。ノブコが常にヒデキを積極的にリードしてお話している感じだった。ノブコはヒデキの彼女のことが知りたくて知りたくて時々、聞いてくることもあったがヒデキは上手くごまかし話をそらしてトシオのことについては一切話さなかった。ヒデキもノブコと話すのは楽しかったが、ノブコに対する恋愛感情はなかった。

ヒデキは家に帰っても本を読むのに夢中だった。特に野球の選手の身体づくりや筋トレに関する本を熱心に読んでいた。トシオが野球部で練習を頑張っているので応援したい気持ちもあった。学校の勉強の方はというと特別成績がよかったわけではなかったが、進学しようかなって考えていたので少しは勉強も頑張っていた。

学校内ではあんまり髪の毛を伸ばして女性らしく振舞っているのも変かなって思い、トシオとしばらく会えない間は髪の毛も切ってショートカットのちょっとだけ女の子らしさを演出する程度で過ごすようにしていた。

高2の想い出といえば学校内では図書館でノブコと一緒にお話をした時間と野球の本に夢中になったぐらいだったが、トシオの最後の夏の大会が楽しみでしかたなかった。トシオとは会えないものの頻繁にメールが届くのが楽しみだった。

トシオ「ヒデキくん、冬旅行以来なかなか会えないけど学校順調かな」

ヒデキ「うん、全然大丈夫だよ」

トシオ「よかった」

ヒデキ「トシオくん、野球の練習は怪我とか大丈夫」

トシオ「しっかり怪我しないようにケアしているから大丈夫だよ」

ヒデキ「僕、最近いろいろ野球の本を読んでいるんだ」

トシオ「そうなんだ。ヒデキくんに野球に興味を持ってもらえると嬉しいな」

ヒデキ「少しでもトシオくんに役に立てる情報が出せたらなって思っているんだ」

トシオ「ありがとう。ヒデキくんと話しているだけで頑張ろうって気持になれるよ」

春になって3年生も卒業して、ヒデキとトシオは春休みを迎えたが、トシオは練習で忙しくあっという間に春休みも終わってヒデキとトシオは3年生になった(続)

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