【R18】何度生まれ変わっても、必ず幸せにすると決めたんだ

葛葉

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番外編

二人暮らし②※

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 月夜が大学から帰ると、キッチンから美味しそうな匂いがした。

(そう言えば、今日は光留の当番だったか……)

 兄弟2人暮らしということもあり、家事は分担することを決めていた。と、言っても光留は大概家にいるので、ほとんどが光留の担当だ。
 代わりではないが、駆け出し作家の光留では収入が不安定で、月夜は高校時代に貯めていたお年玉や小遣いで投資を始めて、それが軌道に乗っていることもあり生活費はほとんど負担している。
 おかげで両親から仕送りの必要はなく、気ままな生活だ。

「ただいま」
「お帰り。ちょうど夕飯出来た」
「みたいだな」
「洗い物済ませるから、ちょっと待って」

 そう言って光留は料理中に使った道具を洗い始める。

「身体は?」
「ん、平気。朝ので少し落ち着いたから、しばらくは大丈夫」

 月夜から視ても確かに霊力は抑えられている。
 また数日すれば元に戻ってしまうのだろうが、前々世ならともかく、今はこれが精一杯だった。
 月夜は光留を後ろから抱きしめる。

「何?」
「いや、俺のことは気にしなくていい」
「重いしやり辛いんだけど」

 光留は洗い物の手を一旦止め、月夜と向き合う。

「なんかあった?」

 今でこそ双子として魂が2つに分かれてしまったが、もともとは同じ魂だったせいか、お互いの不安定さはよくわかる。
 ひとつだった魂が分かれて、欠けたものがもとに戻らない心許なさ。
 決して埋まることのない感情を二人で持て余している。
 光留が月夜の背中に腕を回して、肩に頭を乗せる。

(……落ち着く)

 光留の目から視ても、月夜の魂はとても綺麗だ。
 傷や欠けがあるのは、光留と分離したことによる影響もあるだろうが、それでも美しいと思う。
 彼女も、月夜のそういったところも好きになったのだろう。

「光留は、綺麗だな……」
「それ、魂の話? 顔の話ならお前自意識過剰すぎ」

 月夜も同じことを思っていたと思うと何だか少し気恥ずかしい。思わず可愛くないことを言ってしまうと、月夜に頬を引っ張られた。

「いひゃい!」
「ふっ、光留は可愛いな」

 今度は小馬鹿にしたように言われて、光留は月夜の手を叩き落とす。

「なるほど、確かに朝よりは元気になったな」
「んむっ!?」

 いきなりキスされて、光留は抗議の視線を向けるが、嫌だとは言わない。
 自ら口を開いて月夜の舌を迎えに行くように、口にねじ込む。月夜はしばらく光留の好きにさせながら、光留の細い腰を撫でる。

「はっ、ぁ……ンっ……」

 分厚い生地越しに月夜を受け入れる穴を押され、光留はビクッと震える。

「ん、ゃ……っ……こんな、とこで……」
「嫌じゃないだろ? 自分で解しておいて」

 指摘されて光留の顔が赤くなる。
 初めて月夜とセックスしてからまだ一ヶ月も満たない。けれど、前世から光留を知り尽くしている月夜の愛撫は気持ちよくて、魂に刻まれた快感を引き出し、欠けた魂を補うようなセックスは、光留を溺れさせるには十分だった。
 そもそも、兄弟で2人暮らしを始めたのも2人でこういうことをする罪悪感を少しでも無くしたかったというのもある。
 だから、期待していないと言えば嘘になる。

「……そうだよ。悪いか」
「いや。俺の光留は本当に可愛いって思うよ」
「どうだか。だいたい、俺達は元は同じ人間だし、今は双子なんだから……」

 いつかは離れることになるのだろう。
 遠くない未来で現れる彼女の生まれ変わり。会えることが楽しみなのに、心の何処かで会うことに怯えている。
 彼女が愛した“月夜”の記憶は、月夜が引き継いでいる。
 “光留”の恋は届かなかったことを思うと、2人に幸せになって欲しいのに、胸が苦しい。

「お前が何を気にしているのかはだいたい想像つくが、お前を独りにはしない。させない」

 “槻夜光留”だった前世で、“光留”は彼女に出逢うまで霊を視たりすることが出来なかった。両親ともに視えていたのに、光留だけが家族と同じものを共有出来ない。
 両親は視えないならその方がいいと言ってくれたが、幼い頃の光留は、それが仲間外れのようで悔しくて、寂しくて悲しかった。
 今世では双子で生まれてしまったことで、彼の人の共有することは出来ない。いつか光留は身を引かなくてはならない。彼女の為にも、月夜を独占してはいけない。彼女を愛しても、結ばれることを望んではいけない。

(――月夜と月花が幸せなら、俺は……)

 月夜が光留を大切にしてくれているのは分かっている。これでも前世からの付き合いだ。月夜が嘘をついているわけではないのも分かっている。月夜が優しい人であることも。

「うん、大丈夫。月夜の気持ちはわかってる」

 月夜は疑わしげに光留を見る。

「まあ、月夜に甘えてばっかの俺が言えることじゃないけど、少なくとも双子の兄さんの月夜とエッチ出来るくらいには好きだからさ、ちゃんと信じてるよ」

 抱きしめて、抱きしめられて。ほんの少しだけ切ない。

「飯、冷めるけど先に仕掛けたのは月夜だからな」

 月夜の手を取って、挑むように、誘うように指先を舐める。爪や指先、付け根や手のひらをたっぷりの唾液を絡めた光留の舌が這う。
 あまりのいやらしさに目眩がしそうだ。
 光留は勝ち誇ったように指を口に咥える。
 自分の気持ちのいいところを撫でてほしくて、月夜をもっと味わいたくて。

「この、淫乱……」
「俺が淫乱なら、月夜は変態だけどな」

 二本の指を咥えて吸って、指の間まで丁寧に舐めていると、月夜の指が舌の表面や裏側を撫でる。それがまた気持ちいい。

「は、ふぁ……ぁむ……ん……」

 敏感な口の中をいじられると堪らず、光留は強請るように月夜を見る。
 月夜も光留に煽られて理性を引き止めるのが精一杯だった。

「可愛い……光留……いやらしくて可愛い、俺の光留……」

 月夜の甘ったるい声が、光留の耳に吹き込まれる。
 同じ声のはずなのに、頭が溶けてしまいそうなくらい官能的で、光留は喘ぐ。
 耳を食まれ、月夜の舌が耳の中を犯す。湿った感触や敏感な身体はそれだけでイってしまいそうだ。

「ぁっ、ん、月夜っ、もっ、そこいい、からぁ……」

 光留の手が、しっかり反応している月夜の男根を撫でる。

「これ、ちょうだい?」
「いいよ。自分で脱いで、尻をこっちに向けろ」

 光留は言われた通り月夜に背を向けてズボンと下着を脱ぐと、くぱりと指でアナルを開いてみせる。

「ん、ちゃんと準備したから……も、入れて……」

 自分で言っていて少し恥ずかしかった。
 だけど月夜とするのは嫌じゃない。月夜の言う通り期待していた。

「いい子だな、光留。愛してるよ」

 それは、家族に向けるようなものでも、恋人に向けるものとも違う。歪でありながら純粋に半身を求める、もう一人の自分へ向けた愛情。
 月夜の先端が触れ、入り口に咥え込まされる。
 ひくりと穴が収縮して、ゆっくりと月夜が入ってくる。

「ん、ぅ……はっ、ぁっ……」

 熱い肉棒が内壁を掻き分けて入ってくる。
 襞が絡みついて、もっとと言わんばかりに締め付けるのが、自分でもわかる。
 光留はシンクの縁に手を付いて無意識に腰を揺らす。

「気持ちいいな、光留?」
「ぅん、つくよ、も……?」
「ああ。まだ少ししか入っていないのに、歓迎されているのがよくわかる」
「そりゃ、ぁんっ月夜を拒むなんて、はぁっ、ん……出来るわけっ……ない、だろ……ぁっ!」

 月夜は、光留のたったひとりの半身だ。月夜が光留に執着するように、光留もまた、同じくらい月夜に執着している。
 お互いにそれが心地良いと、自覚もしている。
 だからこそ、一生離れないと月夜は思っている。

「なら、応えないとな」
「ひぁっ! あ、あっ、あっ……いきなりっ、ん、はげしっ……ひっ、そこっ……あぁっ!?」

 光留の腰をつかんでゴツゴツと雁首で前立腺を擦る。
 刺激されるたびにゾクゾクした快感が腰や腹に響く。

「ふぁ、あ、……き、もち……んぁっ!」
「ああ、光留の中も、気持ちいい……」
「ほんと? ……ぁ、ンっ、はぅっ……あっ! う、れし……あぁんっ!」

 片足を抱えられ、少しだけ繋がりが深くなる。
 当たる角度が変わって新しい快感に足が震えるけれど、月夜が支えてくれるからか、不安はあまりなかった。

「はっ、あ、つくよ、ぉ……あんっ、キス、した……ぁむっ……」

 光留に強請られるままキスをすると中も悦ぶように締め付ける。

「はぁ、ん……はむ……んふ……」
「かわい……みつる……」

 唇を触れ合わせたまま、月夜の甘い声が口から注がれて、頭がぼんやりしてくる。
 月夜と繋がるのは気持ち良くて、幸せで、溶けてしまいそうだ。

「ふぁ、あ、あっ、も、イく……っ!」
「ああ、俺も……一緒に……」

 月夜に頬を撫でられ、光留は頷く。
 向かい合うと月夜は掬い上げるように光留を抱き上げ、シンクに押し付けると容赦なく攻め立てる。

「あっあっあっ、いいっ……! イく、イくっ……月夜っ、つくよぉ……ああッ!!」

 光留の身体がびくびくと痙攣しながら絶頂する。

「ぐ……っ……」

 光留の中で月夜が射精するのがわかり、その感触にぶるりと震える。

(ん、月夜の、気持ちいい……)

 月夜の温かな霊力も相まって、お腹の中がぽかぽかして心地良い。
 余韻に浸っていると、再び月夜に抱きかかえられる。

「へ? あ、ひゃあっ! あっやだっ、ふかいっ、やだ、ぬけっ……!」

 いわゆる駅弁スタイルに光留は藻掻いてみるが、動くと中の月夜が自重でさらに深いところに入ってくる。
 腹の奥――結腸はまだ一度しか弄られたことがないが、痛くて気持ち良くて、頭がチカチカするくらい暴力的な快感を思い出し、光留は月夜に必死にしがみつく。

「煽ったのは光留だ。この程度じゃ終われないからな、ベッドに行く」
「ひっ! やっ、自分で、あるく、からぁ……あっ、やばっ、うごくなっ……!」

 振動で予期せぬタイミングで前立腺を擦られると堪らない。イったばかりの敏感な身体はほんの少しの刺激に過剰に反応する。

「ぅ、ふ……ぅあ……ぁっ……」
「可愛い、光留。ずっとイってるな」
「うるさっ……ぁんっ……いぃ……も、やだぁ……」

 光留が半泣きになりながら訴えていると、ドサリとベッドに寝かされた。いつの間にか月夜の部屋に連れ込まれていたらしい。

「嫌だというわりにココはまだ元気だな。後ろだけでは足りないだろ?」
「ひっ! あ、バカッ! まだ触る……んあぁっ!!」

 ナカに月夜が入ったまま、陰茎を擦られ光留はガクガクと震えながら絶頂する。
 快感で歪んだ表情に、月夜もゾクゾクしてこのまま奥まで犯したい衝動に駆られる。

「上手にイけたな。ナカがうねって、俺も持ちそうにない」
「さっさとイけ、バカ兄貴ッ! ひっ、あ、そこはっ……ンンッ!」
「それだけ元気なら問題ないだろ。光留も気持ちよさそうだし、久しぶりにココに入れてもいいな」

 月夜の手が光留の腹を撫でる。
 先程は入り口を少し突かれる程度だったが、その奥までとなると……と光留は想像して甘イキしてしまう。

「ほう。想像だけでイけるようになったか。光留はもう抱く側じゃ満足出来なさそうだな」

 くすくすと笑う月夜に、光留は睨む。

「全部、月夜のせいだろ」
「ああ。だから責任持って一生世話するさ」

 月夜の言葉に光留は視線を背けた。

「ん、もういいから、早くしろ」

 月夜とのセックスは気持ちいい。後ろでイくことを覚えた身体は、きっと月夜の言う通り抱く側では足りないだろう。

(それでも、いつか……)

 きっと月夜は離れていく。“彼女”の生まれ変わりと共に。

(2人が幸せなら、俺は――)

 潔く身を引こう。前世でも出来たんだから、きっと今世でも出来るはずだ。
 だけど今は……。

「月夜の、奥にちょうだい?」

 月夜が与えてくれる愛情が心地良い。身体も心も満たされる。元は同じ魂だったからなのか、それとももう一人の自分とも言える彼を“愛している”からか。
 もっとと貪欲に求めたくなる。

「泣くなよ……」
「泣いてない」

 月夜が困ったように光留の頬を撫でてキスをする。
 ナカが切なくて、月夜を締め付けると、ゆるゆると腰が動き始める。

「光留、愛してる」

 その愛は、おそらく光留が抱えているものと同じだろう。だけど、応えてはいけない。

「おれもすきだよ、お兄ちゃん」

 はぐらかされたのがわかったのか、月夜は眉を顰めた。

「…………俺のせい、か」
「ん、何が、ぁっ!?」

 いきなり激しく突かれて光留はシーツにしがみつく。

「ゃ、ひぁっ! いきなり、なにっ、ンンッ!」

 口を塞がれて、ナカの気持ちいいところだけを執拗に責められて、もともと敏感になっていた身体はあっという間に上り詰める。

「あっあ、あぁっ! イくっ、イっちゃっ……ひぅっ!? おっ、あ……」
「入ったな」

 奥の更に奥まで月夜が入ってくる。
 月夜の形に広げられたそこは、頭がチカチカして、そこを中心に全身に電流が走ったように意識が飛びそうになる。
 雁首が結腸弁に引っかかるたびに気持ち良くて、先程の激しさはないのに、ゆっくりとナカを掻き回されると、絡みついた熱がもっと欲しいと締め付ける。
 形を、熱を、快感を。
 刻みつけるようにナカを優しく撫でる。月夜のものだと、嫌でも実感させられる。
 気持ちよすぎて涙が止まらない。自分が潮を吹いていることも気付かず、ただ月夜にしがみつく。

「いい子だな、光留。上手にイけて」

 月夜の甘く優しい声に、さっきまで考えていたことが全部どうでもよくなってくる。
 今はただ、この狂おしいほどの快楽をどうにかしてほしかった。

「月夜……つくよぉ……も、やだぁ……きもち、の、とまんない……」
「うん。でも、光留は気持ちいいの、好きだろ?」

 ほら、と月夜が突いてやれば光留は嬌声をあげる。

「ずっと一緒にいような、光留」

 光留を抱き締めて、離れないように指を絡めて、ナカを蹂躙する。元は月夜だったモノだ。離れるなんて許さない。何より“光留”の命を奪うと決めたあの時に、生まれ変わったら彼を必ず幸せにすると、“彼女”と誓った。
 光留を強く抱き締めて、月夜は光留のナカで熱をぶち撒けた。
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