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54話
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これからパラジウムの焼成に入る。
アテナの骨の製作が出来たというシステムメッセージが流れてこない事をみると、まだフクロウくんは作れていないんだろう。これからさらに厳しい作業が続く事が予想出来る。
「よし頑張るぞ」
「一点集中スキル・オン」
「鋳造作業・開始」
まずは焼成炉に超耐熱ゴーレムのコアを取り付ける。これで本当の意味で神の鍛冶場の完成だ。そして焼成炉にパラジウムとアテナの酸化カルシウムのナノ粉末を入れる。
「よし、集中だ、集中」
ボクは炉の温度計と時計を見ながら、魔力を流し込んでゆっくりと温度を上げていく。
すると温度計と時計に輝く点が見える。
温度計は185度、時計は40分。
温度計は525度、時計は68分。
温度計は965度、時計は110分。
次は・・・
温度計は1555度、時計は59分11.92296秒。
「温度の調整は問題ない。問題はアテナの酸化カルシウムよりも細かい時間合わせだ。集中、集中」
・・・
「もう少しで59分経過する。ここから女神の加護を発動させる」
「女神の加護・オン」
陸上競技で使われているような時計のデジタル表示がゆっくりと進み始める。
59分11.9229&秒
59分11.9229$秒
59分11.9229☆秒
59分11.9229%秒
59分11.9229#秒
59分11.9229※秒
「最後の1桁がわからないがここでどうだ!!」
「鋳造作業・終了」
「一点集中スキル・オフ」
品質は・・・
アテナの骨、95%の最高品質。
「やはりダメだったか」
・・・多分フクロウくんも同じようになっているんだろう。
それならば運頼みで鋳造を繰り返したとしても神品質のアテナの骨は出来ないはずだ。
・・・運・・・運・・・やっぱりあれがないと作れないみたいようだな。
ボクは地下倉庫の奥深くに眠っているクロロ豚のウンコを装備して、再び鋳造に取り掛かる。
「改めて思うがこのウンコすごい臭いな。でもこれで女神の加護は+10されて100になった。これならいける」
・・・
「女神の加護・オン」
陸上競技で使われているような時計のデジタル表示がゆっくりと進み始める。
59分11.9229&秒
59分11.9229$秒
59分11.9229☆秒
59分11.9229%秒
59分11.9229#秒
59分11.9229※秒
「か、変わらないだと・・・」
59分12秒
「あっ、ヤバい。」
「鋳造作業・終了」
「一点集中スキル・オフ」
品質は・・・
アテナの骨、55%の普通品質。
「ウンコを使ってもダメだった。最後にはこのウンコの出番が来ると思っていたけど違った。じゃあこの臭いだけのアイテムは何のためにあるんだよ」
・・・臭い・・・ニオイを感じるという事は完全に鋳造作業に集中出来ていないという事でもあるのかもしれない。
普段の生活であればニオイを感じるのは重要な事だ。このゲームにおいては不快に思うニオイはシャットアウトされていて臭いと思うのはこのクロロ豚のウンコだけ。
だからこそこのウンコのニオイが強調されて臭いと思ってしまう。
もっともっと集中して感覚を研ぎ澄まして嗅覚をシャットアウトしなければいけない。
イヤ、それだけではダメだ。
全ての感覚をシャットアウトして、その先にある感覚、ドラゴンセンスを完全覚醒させなければアテナの骨は作れない。
集中しろ、集中だ、集中。
まずは目を閉じて集中する。すると次第に耳鳴りがしてくる。
キーーーーーン・・・・・
それも過ぎていくとやがて気にならなくなる。すると今度は鼻が敏感になってくる。イヤなニオイというのはしばらく時間が経つと麻痺して気にならなくなるが、再びウンコのニオイが気になってくる。
・・・・・
それも過ぎると心臓の鼓動が手に取るようにわかる。
ドクン、ドクン、ドクン、ドクン、ドクン
心臓の鼓動をシャットアウトするのは非常に難しい。それは自分が生きている証でもあるから。
五感というのは生を司る感覚。ファントムセンスは霊感ともいい、死を司る感覚。
じゃあドラゴンセンスとは一体どんな感覚だ。
今ボクがいるのはゲームの中の世界であり、リアルの現実世界ではない。だからこそこの生きている証でもある心臓の鼓動は消せるはずだ。
ドクン、ドクン、ドクン、ドクン・・・
これで生を司る感覚はシャットアウトできた。
次はファントムセンスのシャットアウト。霊を感じる感覚があるから人は不安だったり恐怖に囚われる。この感覚がなければ人は無謀な事をいとも簡単に行なって死んでしまう。
ここはゲームの中の世界だから本当の意味での死というものはない世界。だったら死を恐れるな。
死を恐れ生きる現実世界と死のない仮想世界を融合させて生と死を超越させる。
生と死を超越した先にある感覚。それがドラゴンセンス。龍を感じる感覚。
目に見えない龍は一体どんな時に姿を現すのだろうか。
死の恐怖に怯えている時に龍が現れるとは聞いた事はない。
龍と聞くと人はなぜか心がワクワクする。じゃあワクワクする時に姿を現すはず。
人はどんな時にワクワクするんだ。
それは・・・希望ある未来を描いた時だ。
もっともっとイメージするんだ。龍と共にアテナの骨を製作する自分の姿を。
今まで気づいていないだけで、いつも自分と共に一緒にいてくれていた龍を思い描け。
これから作るのはモノじゃない。未来を創るんだ。
・・・・・
「よし、今ならいける」
「一点集中スキル・オン」
「鋳造作業・開始」
ボクは目を閉じて温度計や時計を見る事なく、魔力を込めて温度を上げていく。
「ここだ!!!」
「鋳造作業・終了」
「一点集中スキル・オフ」
品質は・・・
辺りは眩しい光に包まれて、気づくとボクは真っ白な空間の中に立っていた。
アテナの骨の製作が出来たというシステムメッセージが流れてこない事をみると、まだフクロウくんは作れていないんだろう。これからさらに厳しい作業が続く事が予想出来る。
「よし頑張るぞ」
「一点集中スキル・オン」
「鋳造作業・開始」
まずは焼成炉に超耐熱ゴーレムのコアを取り付ける。これで本当の意味で神の鍛冶場の完成だ。そして焼成炉にパラジウムとアテナの酸化カルシウムのナノ粉末を入れる。
「よし、集中だ、集中」
ボクは炉の温度計と時計を見ながら、魔力を流し込んでゆっくりと温度を上げていく。
すると温度計と時計に輝く点が見える。
温度計は185度、時計は40分。
温度計は525度、時計は68分。
温度計は965度、時計は110分。
次は・・・
温度計は1555度、時計は59分11.92296秒。
「温度の調整は問題ない。問題はアテナの酸化カルシウムよりも細かい時間合わせだ。集中、集中」
・・・
「もう少しで59分経過する。ここから女神の加護を発動させる」
「女神の加護・オン」
陸上競技で使われているような時計のデジタル表示がゆっくりと進み始める。
59分11.9229&秒
59分11.9229$秒
59分11.9229☆秒
59分11.9229%秒
59分11.9229#秒
59分11.9229※秒
「最後の1桁がわからないがここでどうだ!!」
「鋳造作業・終了」
「一点集中スキル・オフ」
品質は・・・
アテナの骨、95%の最高品質。
「やはりダメだったか」
・・・多分フクロウくんも同じようになっているんだろう。
それならば運頼みで鋳造を繰り返したとしても神品質のアテナの骨は出来ないはずだ。
・・・運・・・運・・・やっぱりあれがないと作れないみたいようだな。
ボクは地下倉庫の奥深くに眠っているクロロ豚のウンコを装備して、再び鋳造に取り掛かる。
「改めて思うがこのウンコすごい臭いな。でもこれで女神の加護は+10されて100になった。これならいける」
・・・
「女神の加護・オン」
陸上競技で使われているような時計のデジタル表示がゆっくりと進み始める。
59分11.9229&秒
59分11.9229$秒
59分11.9229☆秒
59分11.9229%秒
59分11.9229#秒
59分11.9229※秒
「か、変わらないだと・・・」
59分12秒
「あっ、ヤバい。」
「鋳造作業・終了」
「一点集中スキル・オフ」
品質は・・・
アテナの骨、55%の普通品質。
「ウンコを使ってもダメだった。最後にはこのウンコの出番が来ると思っていたけど違った。じゃあこの臭いだけのアイテムは何のためにあるんだよ」
・・・臭い・・・ニオイを感じるという事は完全に鋳造作業に集中出来ていないという事でもあるのかもしれない。
普段の生活であればニオイを感じるのは重要な事だ。このゲームにおいては不快に思うニオイはシャットアウトされていて臭いと思うのはこのクロロ豚のウンコだけ。
だからこそこのウンコのニオイが強調されて臭いと思ってしまう。
もっともっと集中して感覚を研ぎ澄まして嗅覚をシャットアウトしなければいけない。
イヤ、それだけではダメだ。
全ての感覚をシャットアウトして、その先にある感覚、ドラゴンセンスを完全覚醒させなければアテナの骨は作れない。
集中しろ、集中だ、集中。
まずは目を閉じて集中する。すると次第に耳鳴りがしてくる。
キーーーーーン・・・・・
それも過ぎていくとやがて気にならなくなる。すると今度は鼻が敏感になってくる。イヤなニオイというのはしばらく時間が経つと麻痺して気にならなくなるが、再びウンコのニオイが気になってくる。
・・・・・
それも過ぎると心臓の鼓動が手に取るようにわかる。
ドクン、ドクン、ドクン、ドクン、ドクン
心臓の鼓動をシャットアウトするのは非常に難しい。それは自分が生きている証でもあるから。
五感というのは生を司る感覚。ファントムセンスは霊感ともいい、死を司る感覚。
じゃあドラゴンセンスとは一体どんな感覚だ。
今ボクがいるのはゲームの中の世界であり、リアルの現実世界ではない。だからこそこの生きている証でもある心臓の鼓動は消せるはずだ。
ドクン、ドクン、ドクン、ドクン・・・
これで生を司る感覚はシャットアウトできた。
次はファントムセンスのシャットアウト。霊を感じる感覚があるから人は不安だったり恐怖に囚われる。この感覚がなければ人は無謀な事をいとも簡単に行なって死んでしまう。
ここはゲームの中の世界だから本当の意味での死というものはない世界。だったら死を恐れるな。
死を恐れ生きる現実世界と死のない仮想世界を融合させて生と死を超越させる。
生と死を超越した先にある感覚。それがドラゴンセンス。龍を感じる感覚。
目に見えない龍は一体どんな時に姿を現すのだろうか。
死の恐怖に怯えている時に龍が現れるとは聞いた事はない。
龍と聞くと人はなぜか心がワクワクする。じゃあワクワクする時に姿を現すはず。
人はどんな時にワクワクするんだ。
それは・・・希望ある未来を描いた時だ。
もっともっとイメージするんだ。龍と共にアテナの骨を製作する自分の姿を。
今まで気づいていないだけで、いつも自分と共に一緒にいてくれていた龍を思い描け。
これから作るのはモノじゃない。未来を創るんだ。
・・・・・
「よし、今ならいける」
「一点集中スキル・オン」
「鋳造作業・開始」
ボクは目を閉じて温度計や時計を見る事なく、魔力を込めて温度を上げていく。
「ここだ!!!」
「鋳造作業・終了」
「一点集中スキル・オフ」
品質は・・・
辺りは眩しい光に包まれて、気づくとボクは真っ白な空間の中に立っていた。
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