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獣王の娘④

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 俺はラセルと一緒に城の内部にある溜池にやってきていた。

 そこで以前仲間にした魚竜の餌やりを彼女と行う事にしたのだ。

「ほら、今度はラセルが餌をやってみてよ」

「はい、こうですか?」

「そうそう、上手いぞ」

 俺は上手く餌やりをした彼女の頭を撫でる。

「...」

「どうした?」

「い...いえ、なんでもありません」

「そうか? 一瞬固まってたから何かあったのかと思ったぞ」

 俺はそう言いながらも彼女の姿を見てみた。

 相変わらず可愛い容姿をしているが、服装は完全に蛮族衣装だ。

 肌の露出面が多いし、裸足のまま歩いているのも気になる。

「なあ、ラセル」

「はい?」

「服に興味はないか? 別にお前の衣装を否定するつもりはないんだが、今は寒い時期だしもう少し暖かい服を着てみても良いんじゃないかと思ってさ」

「服...ですか?」

「ああ、真菜も呼んでお前の衣装を買いに行こうぜ」

 と言う俺の話を聞いていたスノウがいきなり声を出した。

「だったら私も行くよ! 和希!」

「わっ!? ってスノウか! 驚かすなよ!」

 彼女は尻尾を振りながらニコニコとした笑顔でラセルに近づく。

「ラセル。和希達人間の国の衣装は凄いぞ~。私のこの白くて綺麗なコートも人間界の物だからな」

 そう言いながらもフリフリの冬用コートを見せびらかすスノウ。

「こう言うのもあるのですね」

(おっ? 少し食らいついたか?)

 脳筋な蛮族とは言えラセルも女の子だ。

 きっと可愛い衣装には興味があるだろう。

「じゃあ、今から真菜を誘ってラセルの服を買いに行くか!」
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