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第二十二章 無敵形態
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平原を進むうちに馬のスピードはさらに加速し、敵集団の影がみるみる近づいてきた。
そしてその奥、小高い丘陵地の上には、追い詰められた数百人のロードラントの兵士たちの姿が見えた。
あれはエリックに、トマス――!
僕はその中に、さっき声だけ聞いたエリックの姿と、トマスの巨体を認めた。
二人は満身創痍《まんしんそうい》になりながら仲間を庇い、今までずっと戦い続けてきたのだ。
「リナ様、ここから大きく時計回りに馬を走らせて下さい!」
僕は夢中になって叫んだ。
「は、はい!」
リナも必死に応え、馬首を左にめぐらす。
エリックはおそらく僕たちが助けに来たことに気付いていない。
が、今ここで白魔法を使えば、少なくとも僕が近くにいて、何かしようとしていることだけは察してくれるだろう。
と、その時だった。
包囲網を形成していたイーザ騎兵のうち数騎が、後ろに振り向くのが見えた。
どうやら背後から迫る僕とリナを察知したようだ。
しかしその点はあらかじめ想定済み。
敵が襲ってくる前に、僕はすかさず魔法を唱えた。
『ミスト!!』
その途端に白い霧――というより、まるで積乱雲のような白い煙が周囲にもくもくと湧き上がり、僕とリナを包み込んだ。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇
『ミスト』
自分の周囲に霧を発生させ、敵の攻撃ミスを誘ったり、その場から逃走したりする補助魔法。
その効力は術者の魔力に比例し、より高まる。
そしてその奥、小高い丘陵地の上には、追い詰められた数百人のロードラントの兵士たちの姿が見えた。
あれはエリックに、トマス――!
僕はその中に、さっき声だけ聞いたエリックの姿と、トマスの巨体を認めた。
二人は満身創痍《まんしんそうい》になりながら仲間を庇い、今までずっと戦い続けてきたのだ。
「リナ様、ここから大きく時計回りに馬を走らせて下さい!」
僕は夢中になって叫んだ。
「は、はい!」
リナも必死に応え、馬首を左にめぐらす。
エリックはおそらく僕たちが助けに来たことに気付いていない。
が、今ここで白魔法を使えば、少なくとも僕が近くにいて、何かしようとしていることだけは察してくれるだろう。
と、その時だった。
包囲網を形成していたイーザ騎兵のうち数騎が、後ろに振り向くのが見えた。
どうやら背後から迫る僕とリナを察知したようだ。
しかしその点はあらかじめ想定済み。
敵が襲ってくる前に、僕はすかさず魔法を唱えた。
『ミスト!!』
その途端に白い霧――というより、まるで積乱雲のような白い煙が周囲にもくもくと湧き上がり、僕とリナを包み込んだ。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇
『ミスト』
自分の周囲に霧を発生させ、敵の攻撃ミスを誘ったり、その場から逃走したりする補助魔法。
その効力は術者の魔力に比例し、より高まる。
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