13 / 14
護衛騎士
しおりを挟む
「何だか元気がありませんね?お兄様」
ミィファルトはスノーヴァの顔色を見て首を傾げる。
拳を強く握り何かを耐えている様だった。
「先程の路地裏に何かあったのですか?」
「な、何でもない」
スノーヴァは何時もよりぎこちなく笑う。
それを見たミィファルトは眉間をしかめた。
「……体調わるいならかえれば良いだろう」
ずっと黙って観察していたアルファスがスノーヴァの手を掴む。
「ぼくは疲れた。かえるぞ」
「《は?何様なのお前》」
「そうですね。結構散策できましたし、帰りますか」
「《は?何で愛し子の意見聞かないわけ?》」
アルファスとミィファルトが会話を進めていると精霊達がイラつき始める。
だが…
「そうだな」
「《イエッサー!》」
スノーヴァが同意すると同時に精霊達は再び元の笑顔に戻ったのだった。
†††
「スノーヴァ王子!なぜ何時も護衛を置いていくのですか!」
クリパルクが早朝スノーヴァに怒鳴り込む。
「黙れ」
「お断りします。黙りません!何時も置いてかれて団長にしごかれる俺の気持ちを理解するまでもー離れませんから!」
スノーヴァの体質を知らないクリパルクは犬の様にギャンギャン喚く。
スノーヴァが朝に弱い事をクリパルクの上司であるレオンはしっかりとクリパルクに伝えた。
だがクリパルクの周りに朝が弱い人間がいないので程度を知らなかった。
スノーヴァは机に置いてある果物の中からリンゴを取り出す。
そしてそれをクリパルクの股間に向かって投げた。
「ッ!?~~~!!!」
クリパルクが声にもならない叫びをあげる。
「《攻撃力上昇を付与してみました》」
「《やるやん!》」
「《気が利く~》」
妖精達はクスクス笑いクリパルクの周囲をフワフワ飛んでいた。
「城下町へ行く。お前も来い」
スノーヴァは城下町用の服を着ると剣を腰に携えた。
「え、城下町!?王子が城下町に行ける訳無いでしょう!?」
「一人で行かないだけ感謝しろ」
スノーヴァは小麦色の粉を肌に塗り鬘を被り、帽子を深くかぶった。
「一般人の私生活を知るのも僕の務めだ。」
首が千切れるほど左右に振り拒否を示していたクリパルクだったが、スノーヴァが再びリンゴを取り握り潰すと、すぐに諦めたのだった。
✝✝✝
「そう言えばスノーヴァ王子。第四側妃リリアン様が倒れられたらしいですよ?
第一側妃も倒れられてまだそんなに時間が経ってないのに‥‥なんだか不気味ですね?
帰りたくなりません?
ここ最近侍女達の中にも体調を崩し家へ戻された者がいるらしいですよ?
帰りたくなりません?
暗殺とか呪殺とか扱う者がいたら俺じゃ勝てませんて!
まだ帰りたくなりませんか!?
俺まだ恋人もいないんです。ここで人生終わらせるのは憐れだと思いませんか?いや憐れだと思ってください!
せっかく第一王子の護衛騎士兼騎士団長の部下にまで出世したのにここで生を終わらすなんて残酷すぎる!
きっとこの後暗殺(ets)が待ち構えているんですよ!それで見目の良い俺達は慰み者を扱う店へ売り飛ばされたり人体実験されたり!ありとあらゆる苦行と屈辱を与えられるんです!
あぁ!せめて熟した淑女の胸の中で安楽死したかった人生だった!!!」
「貴様クレフェルト階級だろう」
「その前はレイフィですよ!?第一王子と騎士団長の直々の部下なら、ってクレフェルト階級を授かったんです!!実力はレイフィ階級レベルですよ!!ほぼ不正ですよ!!」
「グレーゾーンだな」
「ブラック!真っ黒ですよ!」
クリパルクは【騎士階級】クレフェルトだ。
【騎士階級】は実力や出生、統率力等を加味し決定される騎士団内の階級制度だ。
階級順位は最上位の[ミオ]から始まり[レミオ][レミオル][レフ][クレフェ][クレフェルト][クローズ][レイフィ][レイフィト][レイフォスター][レクト]だ。
クローズ階級から抜けるのは難関な試験と面接を合格しなければならない。
だがクリパルクはそれをスルーしクレフェルトへ上がったのだ。
「大出世だな」
「そうだすよ!半年でクレフェルトですよ!?大大大出世ですよ!!」
貴族出身の騎士はレイフォスターから。
市民出身のクリパルクらはレクトからスタートだ。
半年でレイフィも異常なスピードだがスノーヴァもクリパルクも気が付いていない。
「好きなだけ僕に感謝すれば良い」
「感謝はしていますが今、王子を外出させているのがバレると良くてクビなので何とも言えません!!」
クリパルクは泣いた。
「最後に熟女の店に行きたかった!!!そして逝きたかった!!」
†††
『【スノーヴァ】でいたいのなら憎しみを忘れろ。貴様が人を殺せば殺す程あいつは力を持つだろう』
スノーヴァはふとその言葉を思い出した。
それは幼いスノーヴァの話し相手の一人だった猫だ。
スノーヴァは首を傾げた。
「嫌な感じだ」
市民街は今日も活気づき賑わっている。
誰もが笑みを浮かべ働いている。
だがその隅で泣く精霊達を見るとスノーヴァは素直に喜べなかった。
「スノーヴァーーーーーじゃなくてス、スス、スノー?スー??様あ、様はダメか。スー行こう」
「…なんだその変な名は。カスミと呼べ」
「そっちの方が変じゃないですか?帝国人の様ですよ、その名」
「ならイヴァン」
「分かりましたイヴァンさーーーーーー………。ゴホン。分かりましたイヴァン」
スノーヴァとクリパルクは何軒かの店をまわる事にしたのだった。
串肉のお店でクリパルクは何かを思い出したかのように掌を叩いた。
クリパルクはスノーヴァに小声で耳打ちした。
「そう言えば隠し通路、気軽に教えちゃダメですよ?」
スノーヴァは串肉を食べながら言った。
「お前を信用しているんだ」
「それは何よりの褒美ですね」
スノーヴァは『(妖精に殺されていない)お前を信用しているんだ』と言ったのだが知らないクリパルクは純粋に笑った。
ミィファルトはスノーヴァの顔色を見て首を傾げる。
拳を強く握り何かを耐えている様だった。
「先程の路地裏に何かあったのですか?」
「な、何でもない」
スノーヴァは何時もよりぎこちなく笑う。
それを見たミィファルトは眉間をしかめた。
「……体調わるいならかえれば良いだろう」
ずっと黙って観察していたアルファスがスノーヴァの手を掴む。
「ぼくは疲れた。かえるぞ」
「《は?何様なのお前》」
「そうですね。結構散策できましたし、帰りますか」
「《は?何で愛し子の意見聞かないわけ?》」
アルファスとミィファルトが会話を進めていると精霊達がイラつき始める。
だが…
「そうだな」
「《イエッサー!》」
スノーヴァが同意すると同時に精霊達は再び元の笑顔に戻ったのだった。
†††
「スノーヴァ王子!なぜ何時も護衛を置いていくのですか!」
クリパルクが早朝スノーヴァに怒鳴り込む。
「黙れ」
「お断りします。黙りません!何時も置いてかれて団長にしごかれる俺の気持ちを理解するまでもー離れませんから!」
スノーヴァの体質を知らないクリパルクは犬の様にギャンギャン喚く。
スノーヴァが朝に弱い事をクリパルクの上司であるレオンはしっかりとクリパルクに伝えた。
だがクリパルクの周りに朝が弱い人間がいないので程度を知らなかった。
スノーヴァは机に置いてある果物の中からリンゴを取り出す。
そしてそれをクリパルクの股間に向かって投げた。
「ッ!?~~~!!!」
クリパルクが声にもならない叫びをあげる。
「《攻撃力上昇を付与してみました》」
「《やるやん!》」
「《気が利く~》」
妖精達はクスクス笑いクリパルクの周囲をフワフワ飛んでいた。
「城下町へ行く。お前も来い」
スノーヴァは城下町用の服を着ると剣を腰に携えた。
「え、城下町!?王子が城下町に行ける訳無いでしょう!?」
「一人で行かないだけ感謝しろ」
スノーヴァは小麦色の粉を肌に塗り鬘を被り、帽子を深くかぶった。
「一般人の私生活を知るのも僕の務めだ。」
首が千切れるほど左右に振り拒否を示していたクリパルクだったが、スノーヴァが再びリンゴを取り握り潰すと、すぐに諦めたのだった。
✝✝✝
「そう言えばスノーヴァ王子。第四側妃リリアン様が倒れられたらしいですよ?
第一側妃も倒れられてまだそんなに時間が経ってないのに‥‥なんだか不気味ですね?
帰りたくなりません?
ここ最近侍女達の中にも体調を崩し家へ戻された者がいるらしいですよ?
帰りたくなりません?
暗殺とか呪殺とか扱う者がいたら俺じゃ勝てませんて!
まだ帰りたくなりませんか!?
俺まだ恋人もいないんです。ここで人生終わらせるのは憐れだと思いませんか?いや憐れだと思ってください!
せっかく第一王子の護衛騎士兼騎士団長の部下にまで出世したのにここで生を終わらすなんて残酷すぎる!
きっとこの後暗殺(ets)が待ち構えているんですよ!それで見目の良い俺達は慰み者を扱う店へ売り飛ばされたり人体実験されたり!ありとあらゆる苦行と屈辱を与えられるんです!
あぁ!せめて熟した淑女の胸の中で安楽死したかった人生だった!!!」
「貴様クレフェルト階級だろう」
「その前はレイフィですよ!?第一王子と騎士団長の直々の部下なら、ってクレフェルト階級を授かったんです!!実力はレイフィ階級レベルですよ!!ほぼ不正ですよ!!」
「グレーゾーンだな」
「ブラック!真っ黒ですよ!」
クリパルクは【騎士階級】クレフェルトだ。
【騎士階級】は実力や出生、統率力等を加味し決定される騎士団内の階級制度だ。
階級順位は最上位の[ミオ]から始まり[レミオ][レミオル][レフ][クレフェ][クレフェルト][クローズ][レイフィ][レイフィト][レイフォスター][レクト]だ。
クローズ階級から抜けるのは難関な試験と面接を合格しなければならない。
だがクリパルクはそれをスルーしクレフェルトへ上がったのだ。
「大出世だな」
「そうだすよ!半年でクレフェルトですよ!?大大大出世ですよ!!」
貴族出身の騎士はレイフォスターから。
市民出身のクリパルクらはレクトからスタートだ。
半年でレイフィも異常なスピードだがスノーヴァもクリパルクも気が付いていない。
「好きなだけ僕に感謝すれば良い」
「感謝はしていますが今、王子を外出させているのがバレると良くてクビなので何とも言えません!!」
クリパルクは泣いた。
「最後に熟女の店に行きたかった!!!そして逝きたかった!!」
†††
『【スノーヴァ】でいたいのなら憎しみを忘れろ。貴様が人を殺せば殺す程あいつは力を持つだろう』
スノーヴァはふとその言葉を思い出した。
それは幼いスノーヴァの話し相手の一人だった猫だ。
スノーヴァは首を傾げた。
「嫌な感じだ」
市民街は今日も活気づき賑わっている。
誰もが笑みを浮かべ働いている。
だがその隅で泣く精霊達を見るとスノーヴァは素直に喜べなかった。
「スノーヴァーーーーーじゃなくてス、スス、スノー?スー??様あ、様はダメか。スー行こう」
「…なんだその変な名は。カスミと呼べ」
「そっちの方が変じゃないですか?帝国人の様ですよ、その名」
「ならイヴァン」
「分かりましたイヴァンさーーーーーー………。ゴホン。分かりましたイヴァン」
スノーヴァとクリパルクは何軒かの店をまわる事にしたのだった。
串肉のお店でクリパルクは何かを思い出したかのように掌を叩いた。
クリパルクはスノーヴァに小声で耳打ちした。
「そう言えば隠し通路、気軽に教えちゃダメですよ?」
スノーヴァは串肉を食べながら言った。
「お前を信用しているんだ」
「それは何よりの褒美ですね」
スノーヴァは『(妖精に殺されていない)お前を信用しているんだ』と言ったのだが知らないクリパルクは純粋に笑った。
0
あなたにおすすめの小説
君に望むは僕の弔辞
爺誤
BL
僕は生まれつき身体が弱かった。父の期待に応えられなかった僕は屋敷のなかで打ち捨てられて、早く死んでしまいたいばかりだった。姉の成人で賑わう屋敷のなか、鍵のかけられた部屋で悲しみに押しつぶされかけた僕は、迷い込んだ客人に外に出してもらった。そこで自分の可能性を知り、希望を抱いた……。
全9話
匂わせBL(エ◻︎なし)。死ネタ注意
表紙はあいえだ様!!
小説家になろうにも投稿
生まれ変わりは嫌われ者
青ムギ
BL
無数の矢が俺の体に突き刺さる。
「ケイラ…っ!!」
王子(グレン)の悲痛な声に胸が痛む。口から大量の血が噴きその場に倒れ込む。意識が朦朧とする中、王子に最後の別れを告げる。
「グレン……。愛してる。」
「あぁ。俺も愛してるケイラ。」
壊れ物を大切に包み込むような動作のキス。
━━━━━━━━━━━━━━━
あの時のグレン王子はとても優しく、名前を持たなかった俺にかっこいい名前をつけてくれた。いっぱい話しをしてくれた。一緒に寝たりもした。
なのにー、
運命というのは時に残酷なものだ。
俺は王子を……グレンを愛しているのに、貴方は俺を嫌い他の人を見ている。
一途に慕い続けてきたこの気持ちは諦めきれない。
★表紙のイラストは、Picrew様の[見上げる男子]ぐんま様からお借りしました。ありがとうございます!
時間を戻した後に~妹に全てを奪われたので諦めて無表情伯爵に嫁ぎました~
なりた
BL
悪女リリア・エルレルトには秘密がある。
一つは男であること。
そして、ある一定の未来を知っていること。
エルレルト家の人形として生きてきたアルバートは義妹リリアの策略によって火炙りの刑に処された。
意識を失い目を開けると自称魔女(男)に膝枕されていて…?
魔女はアルバートに『時間を戻す』提案をし、彼はそれを受け入れるが…。
なんと目覚めたのは断罪される2か月前!?
引くに引けない時期に戻されたことを嘆くも、あの忌まわしきイベントを回避するために奔走する。
でも回避した先は変態おじ伯爵と婚姻⁉
まぁどうせ出ていくからいっか!
北方の堅物伯爵×行動力の塊系主人公(途中まで女性)
運命じゃない人
万里
BL
旭は、7年間連れ添った相手から突然別れを告げられる。「運命の番に出会ったんだ」と語る彼の言葉は、旭の心を深く傷つけた。積み重ねた日々も未来の約束も、その一言で崩れ去り、番を解消される。残された部屋には彼の痕跡はなく、孤独と喪失感だけが残った。
理解しようと努めるも、涙は止まらず、食事も眠りもままならない。やがて「番に捨てられたΩは死ぬ」という言葉が頭を支配し、旭は絶望の中で自らの手首を切る。意識が遠のき、次に目覚めたのは病院のベッドの上だった。
【本編完結】死に戻りに疲れた美貌の傾国王子、生存ルートを模索する
とうこ
BL
その美しさで知られた母に似て美貌の第三王子ツェーレンは、王弟に嫁いだ隣国で不貞を疑われ哀れ極刑に……と思ったら逆行!? しかもまだ夫選びの前。訳が分からないが、同じ道は絶対に御免だ。
「隣国以外でお願いします!」
死を回避する為に選んだ先々でもバラエティ豊かにkillされ続け、巻き戻り続けるツェーレン。これが最後と十二回目の夫となったのは、有名特殊な一族の三男、天才魔術師アレスター。
彼は婚姻を拒絶するが、ツェーレンが呪いを受けていると言い解呪を約束する。
いじられ体質の情けない末っ子天才魔術師×素直前向きな呪われ美形王子。
転移日本人を祖に持つグレイシア三兄弟、三男アレスターの物語。
小説家になろう様にも掲載しております。
※本編完結。ぼちぼち番外編を投稿していきます。
愛してやまなかった婚約者は俺に興味がない
了承
BL
卒業パーティー。
皇子は婚約者に破棄を告げ、左腕には新しい恋人を抱いていた。
青年はただ微笑み、一枚の紙を手渡す。
皇子が目を向けた、その瞬間——。
「この瞬間だと思った。」
すべてを愛で終わらせた、沈黙の恋の物語。
IFストーリーあり
誤字あれば報告お願いします!
乙女ゲームのサポートメガネキャラに転生しました
西楓
BL
乙女ゲームのサポートキャラとして転生した俺は、ヒロインと攻略対象を無事くっつけることが出来るだろうか。どうやらヒロインの様子が違うような。距離の近いヒロインに徐々に不信感を抱く攻略対象。何故か攻略対象が接近してきて…
ほのほのです。
※有難いことに別サイトでその後の話をご希望されました(嬉しい😆)ので追加いたしました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる