JACK【約5人向け声劇台本】【男3女2】

未旅kay

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2話

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人気ひとけ のない路地裏で、人狼姿のムゲン体を追う。

AI:ハイバッテリー。コネクティング。エミット。ゼットレーイ。

ダン:「おい!そっち行ったぞ!」

(ダーウィンが壁を蹴り、ムゲンに斬りかかる)

ダーウィン:「……!」

(人狼は疾走し、ける)

ダーウィン:「速いって!狼ちゃん!赤ずきんは森ん中だゼ」

ダン:「スカってんじゃねーよ」

ダーウィン:「馬鹿と煙は高い所へ上がるって言うじゃん。隊長、行っておいで!」

(ガゴン)

(ダンは室外機を使って建物の屋根へ跳ぶ)

ダン:「……誰が馬鹿だ」

ダーウィン:「いってらっしゃーーい」

(間)

ダンがクラウソードの鯉口を切る。

人狼が毛を逆立てながら、鋭利な牙をのぞかせる。

その犬歯には、赤。赤。赤。

ダン:「もう、手遅れか。……来いよ」

空間を裂くように、人狼は秒速で距離を詰める。

人狼:「グアアアアアアア」

ダンを目掛めがけて、顎が大きく開く。

ダン:「……ッ!」

ダンは人狼の首を落とし、胴を真っ二つにした。

ダーウィン:「一斬ひときりで、二撃にげきの交差した斬撃ざんげき標的ターゲットに与える……。さすが、ダンだね。……よっと!」

(ダーウィンは、思いついたかのように自動拳銃オートマチックピストルーーグロック17を取り出し)

(発砲)

ノールックで電線に止まるカラスを、撃ち落とす。

ボタり。

頭が二つあるカラスが、地面で泡を吹く。

ダン:「ダーウィンか?…おい、そのカラス!」

ダーウィン:「(M)こりゃあ、かなり厄介かもしれないね」

ダーウィン:「さっきから、僕らを見ていたみたいだよ」

ダン:「(M)知性だけじゃなく、もっと複雑で面倒な……何か能力があるのか?」

ダン:「とりあえず、染毬そまり博士はかせの所に送った方が良さそうだな」

(間)

(廃ビルにて、黒衣の男が一人。その大きな口をバクリと開く)

黒衣の男:「嗚呼、まただ。まただよ。隣人は愛さないと……いけないのにね。彼らは永遠に勘違いを正さない」

(間)

同時刻。

JACK日本支部。対ムゲン部隊教育訓練研究本部。第一研究所。


マイ:「(M)JACKジャックは第1部隊から第13部隊が存在する。私たちは第11部隊に所属している。部隊が壊滅かいめつすると、新しい隊員が補充される。

マイ:日本の各地に点在しているJACKの基地にはクラウソードなどの武器を開発する研究機関が存在し、武器を補充する役割もになっている」

コロロ:「……染毬博士、忙しいから会えないって」

マイ:「そっかー。急用だったから、お会いしたかったんだけどね」

コロロ:「どうする?」

マイ:「クラウビッグソードのメンテナンスと、スペアソードだけ多めにもらおっか」

マイは武器管理事務局に武器の申請を行う。

コロロを見かけて、通りすがりの訓練生がソワソワする。

マイ:「(M)コロロちゃんのファンかな?あっ、話しかけてきた」

コロロ:「ああ、ありがとう。え?ううん。違うよ、私は隊長でも副隊長でもないよ」

マイ:「(M)一瞬、訓練生の一人がこっちを見た。どうして?みたいな顔をしている。

マイ:露骨だなぁ。私なんかがコロロちゃんを差し置いて副隊長だって知ったら、そういう顔するよね」

マイ:「(M)Zゼット適正だって、私はBだ。ダーウィンはAプラス、ダンはS、コロロちゃんなんてSSSトリプルエスだもん」

コロロ:「え?指導?うーーーーーん。自動販売機って近くにある?…無いんだ。

コロロ:用事も済んだし帰るね。どんなに強くても、かたよった考え方しか持てなかったら……死ぬ……よ?」

コロロは訓練生に表情だけ微笑んだ。

コロロは振り返り、小さい手でマイの手をしっかり握りしめ歩いた。

マイ:「あっ」

マイ:「(M)Z適正。それはZ周波数を耳から流した時に脳を刺激して、身体しんたい能力をどれだけ強化できるかを示したランク付け。生まれ持った体質による要因が大きい。Dマイナスが最も低く、SSSが最も高い」

コロロ:「ねえ、マイちゃん。ダンとダーウィン、……人狼倒したって」

マイ:「帰ろっか」

コロロ:「……うん!」

マイ:「(M)コロロちゃん。もとは第8部隊に所属。当時の第8部隊は全員が女の子でも先鋭の大規模な部隊だったらしい。
JACK設立後、最も悲惨な結果と記録されているOOマルマル奪還だっかん作戦。その唯一ゆいいつの生き残りがコロロちゃん。初めて会った時、コロロちゃんは私たちと一言も喋れないくらい傷ついてたよね」

コロロ:「マイちゃーん!」

マイ:「はーーい!」
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