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逃げ惑う群衆の中で、不動の少年がいた。
ワイヤレスイヤホンを着けた彼は、イヤホンの表面をなぞった。
Al:ハイバッテリー。コネクティング。エミット。ゼットレーイ。
ダン:「怠いな」
群衆の隙間を駆ける。
青色に輝く合成チタンで打たれた、クラウソードを抜刀する。
(少し走る)
ダン:「はッ!」
(二階ほどの図体を持つムゲン体を斬り倒す)
ムゲン体、真っ二つ!
ダン:「歯応えのないヤツだな」
(絹田ダンはため息を吐く)
ダーウィン:「僕の分も残しておいてくれたら良かったのに」
飄飄とした感じで、涼川ダーウィン登場。
ダン:「図体がデカいだけだ」
(二人に無線が繋がる)
マイ:『気を抜かないでよ、ムゲン体の特徴は一体でも見つけたら周りにも注意!何だからね』
ダーウィン:「はいよー。それってフラグかにゃ?」
ダン:「周囲のドローンには……何も映っていないだろ」
(無線から冷静な声が聞こえる)
コロロ:『上です』
ダンとダーウィンを無数の影が包む。
二人は空を仰ぎ見る。
ダン:「は?」
三十羽以上のカラスが、二人に向かって滑空してくる。
ダーウィン:「わぁお!この数ヤバいんじゃない?」
ダン:「一羽でもスカると、一撃喰らうぞ」
(カラスのムゲン体をクラウソードで斬りまくる)
ダン:「はッ!ああ!」
ダーウィン:「なーにカラスみたいな声出してんだ……よッ!」
ダン:「余裕……じゃんか!」
ダーウィン:「今、首二つあったんですけどぉ」
ダン:「口より手を動かせ!」
残り約十羽……?
ダン:「おい!」
ダーウィン:「デカいのが来たよ!」
ダン:「おいおいおいおいおいおい!」
ダーウィン:「さっきのより、すげーデカいじゃん!」
四枚羽根の漆黒の怪鳥が二人に迫る。
ダーウィン:「ダン!構えろ!」
ダン:「黙れ。集中してる!」
刹那。
(ズドーーーン)
二人の眼前を眩い光が通り過ぎる。
怪鳥は眩い光線に包まれ、消滅した。
ダン:「……!」
ダーウィン:「……お!?」
ダーウィン:「僕らがいるのに、容赦なさすぎ」
ダン:「…殺す気かよ」
自身の二倍ある刀身のデカい大剣を引きずる小柄な少女━━コロロが歩いてくる。
コロロ:「ヨイショ。ヨイショ……っと」
横をマイが申し訳なさそうに歩いてくる。
マイ:「二人とも無事で良かったね」
AI:ローバッテリー。クラウソードのエネルギーが減っています。
コロロ:「私の……バッテリー切れみたい」
マイ:「コロロ、高出力のクラウビーム撃ったからね」
コロロ:「…疲れたぁ」
ダーウィン:「残りのカラスもいないみたいだし、セーフハウスに帰還だね」
ダン:「シャワー、浴びてえ」
JACK日本支部隊員セーフハウス。帰還。午後8時。
(ラウンドリールーム、自動販売機前ベンチにて)
(ダン、ダーウィン飲み物を飲む)
ダーウィン:「ぷはーー、酷い目に遭ったぁ」
ダン:「クラウソードの新作モデルだっけか?」
ダーウィン:「そうそう、ただバッテリー消費が激しいのが難点だってさ」
ダン:「天才少女、染毬博士の頭脳にかかれば一月で解決だろ」
コロロ:「……クラウビッグソード」
(二人、少しだけびっくり)
ダン:「うお!」
ダーウィン:「コロロちゃん、相変わらず足音を立てずに近づいてくるね」
(コロロ、二人を一瞥することもなく自動販売機でジュースを買おうとするが、10円足りないことに気づく)
コロロ:「……」
マイ:「はい」
(マイが10円を渡す)
コロロ:「マイちゃん、ありがとう」
マイ:「ダン、昼間のカラスの群れ。二人だけに向かって飛んできたんだよね?」
ダン:「ああ、俺達に一直線って感じだった」
ダーウィン:「カラスの群れ。同一個体の可能性ってことかな」
マイ:「単なる数の暴力なら……まだしも」
(間)
コロロ:「それらが一つの命令に、忠実に動いているのだとしたら」
ダン:「厄介だよな。一羽一羽が俺たちの、死角やら隙を狙ってきていた」
(間)
(ダンが決まり悪そうに、マイに頼む)
ダン:「マイ様、女神様…………お願いがありまして……」
マイ:「あーー、はいはい。本部に戦闘データと今の話を報告書として送って欲しいんでしょ」
ダン:「……すまない」
(マイとコロロがジュースを持って、廊下を歩きながら)
(コロロ、ジュースを一口飲んでから)
コロロ:「ぷへぇ。マイちゃん、ダンに甘いね」
マイ:「適材適所ですぅ」
ワイヤレスイヤホンを着けた彼は、イヤホンの表面をなぞった。
Al:ハイバッテリー。コネクティング。エミット。ゼットレーイ。
ダン:「怠いな」
群衆の隙間を駆ける。
青色に輝く合成チタンで打たれた、クラウソードを抜刀する。
(少し走る)
ダン:「はッ!」
(二階ほどの図体を持つムゲン体を斬り倒す)
ムゲン体、真っ二つ!
ダン:「歯応えのないヤツだな」
(絹田ダンはため息を吐く)
ダーウィン:「僕の分も残しておいてくれたら良かったのに」
飄飄とした感じで、涼川ダーウィン登場。
ダン:「図体がデカいだけだ」
(二人に無線が繋がる)
マイ:『気を抜かないでよ、ムゲン体の特徴は一体でも見つけたら周りにも注意!何だからね』
ダーウィン:「はいよー。それってフラグかにゃ?」
ダン:「周囲のドローンには……何も映っていないだろ」
(無線から冷静な声が聞こえる)
コロロ:『上です』
ダンとダーウィンを無数の影が包む。
二人は空を仰ぎ見る。
ダン:「は?」
三十羽以上のカラスが、二人に向かって滑空してくる。
ダーウィン:「わぁお!この数ヤバいんじゃない?」
ダン:「一羽でもスカると、一撃喰らうぞ」
(カラスのムゲン体をクラウソードで斬りまくる)
ダン:「はッ!ああ!」
ダーウィン:「なーにカラスみたいな声出してんだ……よッ!」
ダン:「余裕……じゃんか!」
ダーウィン:「今、首二つあったんですけどぉ」
ダン:「口より手を動かせ!」
残り約十羽……?
ダン:「おい!」
ダーウィン:「デカいのが来たよ!」
ダン:「おいおいおいおいおいおい!」
ダーウィン:「さっきのより、すげーデカいじゃん!」
四枚羽根の漆黒の怪鳥が二人に迫る。
ダーウィン:「ダン!構えろ!」
ダン:「黙れ。集中してる!」
刹那。
(ズドーーーン)
二人の眼前を眩い光が通り過ぎる。
怪鳥は眩い光線に包まれ、消滅した。
ダン:「……!」
ダーウィン:「……お!?」
ダーウィン:「僕らがいるのに、容赦なさすぎ」
ダン:「…殺す気かよ」
自身の二倍ある刀身のデカい大剣を引きずる小柄な少女━━コロロが歩いてくる。
コロロ:「ヨイショ。ヨイショ……っと」
横をマイが申し訳なさそうに歩いてくる。
マイ:「二人とも無事で良かったね」
AI:ローバッテリー。クラウソードのエネルギーが減っています。
コロロ:「私の……バッテリー切れみたい」
マイ:「コロロ、高出力のクラウビーム撃ったからね」
コロロ:「…疲れたぁ」
ダーウィン:「残りのカラスもいないみたいだし、セーフハウスに帰還だね」
ダン:「シャワー、浴びてえ」
JACK日本支部隊員セーフハウス。帰還。午後8時。
(ラウンドリールーム、自動販売機前ベンチにて)
(ダン、ダーウィン飲み物を飲む)
ダーウィン:「ぷはーー、酷い目に遭ったぁ」
ダン:「クラウソードの新作モデルだっけか?」
ダーウィン:「そうそう、ただバッテリー消費が激しいのが難点だってさ」
ダン:「天才少女、染毬博士の頭脳にかかれば一月で解決だろ」
コロロ:「……クラウビッグソード」
(二人、少しだけびっくり)
ダン:「うお!」
ダーウィン:「コロロちゃん、相変わらず足音を立てずに近づいてくるね」
(コロロ、二人を一瞥することもなく自動販売機でジュースを買おうとするが、10円足りないことに気づく)
コロロ:「……」
マイ:「はい」
(マイが10円を渡す)
コロロ:「マイちゃん、ありがとう」
マイ:「ダン、昼間のカラスの群れ。二人だけに向かって飛んできたんだよね?」
ダン:「ああ、俺達に一直線って感じだった」
ダーウィン:「カラスの群れ。同一個体の可能性ってことかな」
マイ:「単なる数の暴力なら……まだしも」
(間)
コロロ:「それらが一つの命令に、忠実に動いているのだとしたら」
ダン:「厄介だよな。一羽一羽が俺たちの、死角やら隙を狙ってきていた」
(間)
(ダンが決まり悪そうに、マイに頼む)
ダン:「マイ様、女神様…………お願いがありまして……」
マイ:「あーー、はいはい。本部に戦闘データと今の話を報告書として送って欲しいんでしょ」
ダン:「……すまない」
(マイとコロロがジュースを持って、廊下を歩きながら)
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