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シガーバリウム

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体内から毒を吐く、届かぬ肉の誘惑が、光点の驚くべき軋轢に、富の消えた、桟橋で、明るく笑うあの子は、病身。
刻んでいく肉体のパノラマに、絶望の鐘が鳴る、時すでに遅し、秒針から消えた、三発の銃弾が、ギターを貫く、肺から流れる黒い血が、どくどくと毒の華シガードグラス、夢の息から虫の息。
悲し気な人形が、あちこちで、散らばる、散髪に行った日本美人が、後姿に、寄り掛かる、鏡のよれたシャツ、直して、色直し、衣装は着替えて、衣の竜が、鱗を着たなら、下着を脱いだ翼のエンジェル、早く行きたい、刹那に行きたい、ゴーアラウンドカムカムガムは、色鮮やかなガン&スモーク
サーモンのサーチライト、照らした全身に浮き出る斑点が、病気の傾向、糖から出た錆が、バリウム検査、バリバリと食うサメのあごに一撃の拳を見舞って、見舞いに行った帰りに交通事故死、デッド&スモーク
ウインナーを食う西洋人の頭を噛んだ、唇が腫れる人形は、ドールドールドル札で買った一軒家の奥で、眠る、秘宝の理論それは、ポイズンポリポリ、咀嚼したなら、言葉を返さぬ輩に一発、どてっぱらに一撃、ウっと唸って、ナマズの頭に、ぬるっと滑る、突いた手あかは、指の間、滑るように、灯が落ちる、そして今日も、日が落ちる、落日の妖艶、まるで、いかさま師の語る逆さまの詩、ロジックポジション、バックスキャンダル、裏庭に咲いた花が、枯れる前に、今生の別れを告げる。
だまし絵のような眼で、追う、あのキングを殺す、ハートのクイーンのトランプに、さっとポーカーフェイスで、刻み続けるシガーエレメント。
光点のぶれる、手が触れる、挟んだ足に、股下接吻、その穴に入れる、シガーソード、ソーダがこぼれて泡を吹いた、臭い液体のこぼれる刀の錆るまで。
バリウムを飲んで、見つかった疾患は、性針の病。
針を刺すように、刺激を求める肉体のドラマ、たどる世紀の一戦。
ボクサーは、目を打たれて、失明の悲劇に、涙もにじむ、暴発した拳が、マフィアを打ちのめす。
よろけて、川に落ちて、金魚の群れに、小便を引っかける。
そんな酔っぱらいは、もういない。
病院に行けば、気の病。憑依すれば、偽のやばい。
やばいと言って、やばくない。
俺の撃つ詩には、シガーのときめき入れ食いで、透かした眼をして、通りを歩く。
雨が降ってきて、口に入った甘い感触に、あの子のイチゴを思い出す。
野イチゴなら蛇の舌。
生娘なら、丘の下。蛇も娘も3Pして狂気の宴に一発銃弾を撃ち込んだから、濡れる月が、月のものに触れる。
俺は、木を登って、落ちる。
馬鹿も休み休み言え、と叫んで、宇宙のかなたに、テラフォーミングした、てらてらの生地に、濡れ月ウサギ、叩いた太鼓に、タヌキのしっぽを踏みつけて、共同作業は、恐喝作用。
シガーバリウム。
俺の昆布が、コンプしたコンピレーションの詩に、パズルのスバル。
星を集めた気配の空に、流れる白い雲、夜と言ったら、這いまわるトカゲのしっぽから丸飲んだ再生の誓いは、恐竜復活。
あの鬼婆は、今日も、屈折。
屈伸運動をして骨が鳴って、病院へ行って、なぜかバリウム。
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