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シャルウィールル

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月が濡れて、紫に染まる頃。
頬が染まる。
大きな滝の前で、待っている。
夕暮れの幽霊。
消えるように微かな希望の雪原
海原を超える、凍り付いた脈に、脈々と続く、言葉の羅列
兎のような眼をした君が、失恋の空に涼んで、満潮からひき続ける死体のような色で、紫の色。
着物を脱いで、裸のビートで、ビロードの幕屋におり続ける絹衣
重ねるスカートと、下で眠る竜のような息が、ドットあふれ出す、息遣い
はっはっと漏れる、口の端から垂れる唾液に春の香り。
46のダンスは、バッドランゲージ、悪いやつにかどわかされて、服を着られたジャックブラッド
俺は銃を撃って、奴の頭を打ち抜いた。
最後のアイドルは、シャルウィールル。
ダイヤルは777と打って、返事は来ない。
はぐらかされた吃音から濁流のように流れる息が、ダイヤルセックス
ダイアをプレゼントしたダイヤルを回して、俺はリボルバーのシリンダーを回す。
世界を回す、女を回す、権力にたてついた俺は、女を守るためだけに、回り続ける。
アラウンド、アラウンド、アラウンド!
マウントポジションから何発も入れて、狂った世界をぶっ潰す。
くるっと回って、ハイこんにちは!
ルル、ルル、ルル……
46は歌う。
犯された誓いと果されない肉体ジレンマ
俺は、守る。
楯ではなく盾ついた鉄の撃鉄を下ろして、奴を撃ち殺した後に、そっと彼女の涙を脱がす。すると46の微笑は、世界の氷を溶かして、シャルウィールル
うるっとしたとびっきりの笑顔で、俺を愛してくれる。
世界は継続中
恋は続行中。
一緒に踊ろう、愛する人。
ああ、そうしよう、このまま日が落ちるまで、煙草の火が消えて、音速のスピードでソックスを脱がして、片足にショーツをつるしたら、首を吊るまで、窒息の恋をしよう。
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