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ドラゴン

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宇宙は、光り輝いていて、空中で回るその尾が、さかんに燃える情熱の炎
燃えさしにくべる薪はきっと、あなたの笑顔、そして悲しみ、後ろで泣いている子供が、叫んだ、もう生きてはいけないと。
やさしい君は、僕の手をとって、愛を囁くのではなく、友情の証にそっと手の甲に口づけを灯した。
唇の端から漏れるちらりとした火は、美しい歯並びのあなたのその存在が、かけがえのないものに感じたそんな日々の中で、憐れむわけでない、強い眼が、そっと大地を照らして、照りつける光のままに、手をかざした友であるあなたにそうドラゴン。
回る、踊る光、夢を歌う、口ずさむ音楽は、あなたの美しい金髪に映えるまるでフォトグラフのような止まったままの時間が、動きだす、沸き立つ胸のままに。
落ちていきたい。あなたの背に乗って。連れてって欲しい。宇宙の果ての銀河の先へ。
こんにちわっていったら、いかないで、青春。
きみの吐き出す青い煙は、僕の顔にかかって、劣情の灯に揺れる、沸き立つ思いが、待っている未知の世界。
好きだよ、ドラゴン。
ずっと一緒にいよう。
例え、世界の中で、取り残されて、灯が消えるまで追い詰められても、僕はきっとそばにいたいと思っている。
見捨てられたこの世で、見捨てないでおくれ、強い女性、そして、か弱いあなた。
好きという気持ちが、高ぶって、君の手を握る熱さが、僕を目覚めさせた、本気だよドラゴン
まだ、一緒にいてくれて、ついてきてくれるなら、僕は見せたいあなたに僕のすべて、この世界の神秘、愛、夢、それから一握りの優しさを。
だから握り返して。
きみの赤い心にそっと忍び込んで、一夜の過ちを繰り返し、抱きしめ続けたら、僕らは永遠になれる。
結び合ったほつれが溶けて、雪解けの頃にキスをしたら、僕とあなた、昇っていく日の裏にある本当の居場所。
そう、僕の心の中。
愛を信じる傷ついたあなたを連れていく。
信じてほしい、僕はあなたの背に乗るドラゴンライダー。
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