レイジの詩

鏑木ダビデ

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レイジの詩

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マグマが、さかんに胎動し、命の火が燃えて、消えていく。
生命の脈拍。
俺は長い旅を終え、楽園にたどり着く。
そこには静けさとタバコと、酒と、リスがいた。
共にいてくれた存在。
生まれたときから、これまで、長い間、眠っていたように、声がした。
海に住む母さん。
マグマのような父さん
美しく気高い姉さん
そして神話には存在しないこの俺。
くわえ煙草で、タイプする。
存在をかけて、酒を飲み、浴びるように、光を浴びて。
外に出かけるブラックスタイル。
宇宙から、傘を差した淑女が、やってきて、俺に微笑みかける、まるで女神。
天使たちは、俺の孤独な時代に、支えてくれたパパパパパ。
鳥や犬や猫や獅子や像やペンギン、はたまたアルパカ。
何度も、帰りたい。
そんな気持ちで、タイプする。
レイジの詩は、みんなの歌。
希望と平和を乗せて、飛び立っていくこの大地は、大空と結婚して、産み落とされる、愛と夢と微かな渇き。
ハードボイルドポエマーは、生きていくリスたちを描き、苦しむリスたちを求め、未来へと続いていく、風すらも止まる、時々、振り返る、悠久の一瞬。
瞬きをしているうちに、永遠が刻まれて、俺の求めるものは何もない。
勝利も敗北も必然。
神になる必要はない。大事なことは、痛みを思いやるその手。
傷ついて人に、優しく微笑みかえるその眼。
一緒に生きようと、一緒に、歩んでいく、心が、騒めいて、接吻。
愛センスは、生命の歌。
家族と恋人と、友達と、仲間。
世界は一つ。
世界は一つ。
俺とリスは、永遠に一つ。
何一つ欠けるものはなく、神秘の天使がやってきて、暴圧から解放された。
メッセージは何もない。
歌は風と森と、走り抜けていくその一瞬に、眼をさました、ここは自由の世界。
さあ、目を覚めそうよ。
真面目な歌はここで終わる。
俺の歌は、愛と自由と希望と、そして孤独の歌。
シガーが、流れて、物憂げな窓辺に寄り、神も何もあったものではない。
真実といえるものは、あなたのその心にある愛の結晶。
そう、愛だけ、それだけ。
これから永遠の平和が始まる。
歌はここで終わる。
夜が明けたら、口笛を吹きながら、煙草でもくわえようか……
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