1 / 8
惚れ薬入りクッキー
しおりを挟む
ラウル公爵家ではパーティーが行われていた。長男デイビットのお披露目会だった。お見合いも兼ねているのか、良家のお嬢様たちがズラリならんでいる。
デイビットは一通り挨拶をすませると、もううんざりだというように、肩をすくめた。そんなデイビットの目のはしに小さく走る影があった。妹のユキだった。ユキは手に何かを隠し持っている。
「あのいたずら娘め、何を持っているんだ?」
小さくひとり言をいい、デイビットはそーっとパーティーを抜け出して、妹のほうへ向かった。ユキは中庭のバラ園の間に座り、クッキーを食べていた。デイビットは、小さな声で言った。
「いたずら娘、何を食べているんだ?」
「お兄様?これは特別なクッキーよ?お母様のお部屋から持ってきたの。昨日きた商人から購入したものだわ。特別なクッキーって言ってたもの。お母様ひとりじめは、ずるいわ」
ユキはそう言うとモグモグ食べていた。
「ユキ、兄様にもわけてくれないかい?」
「もちろんよ、お兄様」
そう言うとクッキーを差し出した。
「オレにも少しわけてくれないかな?」
突然現れたのは、第3王子レイド様だった。
「もちろんですわ、レイド王子様」
ユキは挨拶をして、クッキーを差し出した。3人同時にパクリとクッキーを口にいれた。
本当に特別なクッキーだった。惚れ薬の入ったクッキーだったのだ。母が今日のお見合いでデイビットが気に入った娘に食べさせようと考えていたのだった。
デイビットはユキに恋をした。
レイド王子様はユキに恋をした。
ユキはレイド王子様とデイビットに恋をした。
母はユキがクッキーを食べたのを知り激怒したが、レイド王子様と食べたことをきくと喜んだ。
「デイビットが困ったことに、なったわねぇ」
と、つぶやいた。
デイビットは一通り挨拶をすませると、もううんざりだというように、肩をすくめた。そんなデイビットの目のはしに小さく走る影があった。妹のユキだった。ユキは手に何かを隠し持っている。
「あのいたずら娘め、何を持っているんだ?」
小さくひとり言をいい、デイビットはそーっとパーティーを抜け出して、妹のほうへ向かった。ユキは中庭のバラ園の間に座り、クッキーを食べていた。デイビットは、小さな声で言った。
「いたずら娘、何を食べているんだ?」
「お兄様?これは特別なクッキーよ?お母様のお部屋から持ってきたの。昨日きた商人から購入したものだわ。特別なクッキーって言ってたもの。お母様ひとりじめは、ずるいわ」
ユキはそう言うとモグモグ食べていた。
「ユキ、兄様にもわけてくれないかい?」
「もちろんよ、お兄様」
そう言うとクッキーを差し出した。
「オレにも少しわけてくれないかな?」
突然現れたのは、第3王子レイド様だった。
「もちろんですわ、レイド王子様」
ユキは挨拶をして、クッキーを差し出した。3人同時にパクリとクッキーを口にいれた。
本当に特別なクッキーだった。惚れ薬の入ったクッキーだったのだ。母が今日のお見合いでデイビットが気に入った娘に食べさせようと考えていたのだった。
デイビットはユキに恋をした。
レイド王子様はユキに恋をした。
ユキはレイド王子様とデイビットに恋をした。
母はユキがクッキーを食べたのを知り激怒したが、レイド王子様と食べたことをきくと喜んだ。
「デイビットが困ったことに、なったわねぇ」
と、つぶやいた。
0
あなたにおすすめの小説
つまらない妃と呼ばれた日
柴田はつみ
恋愛
公爵令嬢リーシャは政略結婚で王妃に迎えられる。だが国王レオニスの隣には、幼馴染のセレスが“当然”のように立っていた。祝宴の夜、リーシャは国王が「つまらない妃だ」と語る声を聞いてしまい、心を閉ざす。
舞踏会で差し出された手を取らず、王弟アドリアンの助けで踊ったことで、噂は一気に燃え上がる――「王妃は王弟と」「国王の本命は幼馴染」と。
さらに宰相は儀礼と世論を操り、王妃を孤立させる策略を進める。監視の影、届かない贈り物、すり替えられた言葉、そして“白薔薇の香”が事件現場に残る冤罪の罠。
リーシャは微笑を鎧に「今日から、王の隣に立たない」と決めるが、距離を取るほど誤解は確定し、王宮は二人を引き裂いていく。
――つまらない妃とは、いったい誰が作ったのか。真実が露わになった時、失われた“隣”は戻るのか。
侯爵夫人のハズですが、完全に無視されています
猫枕
恋愛
伯爵令嬢のシンディーは学園を卒業と同時にキャッシュ侯爵家に嫁がされた。
しかし婚姻から4年、旦那様に会ったのは一度きり、大きなお屋敷の端っこにある離れに住むように言われ、勝手な外出も禁じられている。
本宅にはシンディーの偽物が奥様と呼ばれて暮らしているらしい。
盛大な結婚式が行われたというがシンディーは出席していないし、今年3才になる息子がいるというが、もちろん産んだ覚えもない。
勝手にサインしろと仰いましたので、廃嫡書類に国璽を押して差し上げました
鷹 綾
恋愛
「確認? 面倒だ。適当にサインして国璽を押しておけ」
そう言ったのは、王太子アレス。
そう言われたのは、公爵令嬢レイナ・アルヴェルト。
外交も財政も軍備も――
すべてを裏で処理してきたのは彼女だった。
けれど功績はすべて王太子のもの。
感謝も敬意も、ただの一度もない。
そして迎えた舞踏会の夜。
「便利だったが、飾りには向かん」
公開婚約破棄。
それならば、とレイナは微笑む。
「では業務も終了でよろしいですね?」
王太子が望んだ通り、
彼女は“確認”をやめた。
保証を外し、責任を返し、
そして最後に――
「ご確認を」と差し出した書類に、
彼は何も読まずに署名した。
国は契約で成り立っている。
確認しない者に、王の資格はない。
働きたくない公爵令嬢と、
責任を理解しなかった王太子。
静かな契約ざまぁ劇、開幕。
---
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
婚約破棄すると言われたので、これ幸いとダッシュで逃げました。殿下、すみませんが追いかけてこないでください。
桜乃
恋愛
ハイネシック王国王太子、セルビオ・エドイン・ハイネシックが舞踏会で高らかに言い放つ。
「ミュリア・メリッジ、お前とは婚約を破棄する!」
「はい、喜んで!」
……えっ? 喜んじゃうの?
※約8000文字程度の短編です。6/17に完結いたします。
※1ページの文字数は少な目です。
☆番外編「出会って10秒でひっぱたかれた王太子のお話」
セルビオとミュリアの出会いの物語。
※10/1から連載し、10/7に完結します。
※1日おきの更新です。
※1ページの文字数は少な目です。
❇❇❇❇❇❇❇❇❇
2024年12月追記
お読みいただき、ありがとうございます。
こちらの作品は完結しておりますが、番外編を追加投稿する際に、一旦、表記が連載中になります。ご了承ください。
※番外編投稿後は完結表記に致します。再び、番外編等を投稿する際には連載表記となりますこと、ご容赦いただけますと幸いです。
王妃そっちのけの王様は二人目の側室を娶る
家紋武範
恋愛
王妃は自分の人生を憂いていた。国王が王子の時代、彼が六歳、自分は五歳で婚約したものの、顔合わせする度に喧嘩。
しかし王妃はひそかに彼を愛していたのだ。
仲が最悪のまま二人は結婚し、結婚生活が始まるが当然国王は王妃の部屋に来ることはない。
そればかりか国王は側室を持ち、さらに二人目の側室を王宮に迎え入れたのだった。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
なんども濡れ衣で責められるので、いい加減諦めて崖から身を投げてみた
下菊みこと
恋愛
悪役令嬢の最後の抵抗は吉と出るか凶と出るか。
ご都合主義のハッピーエンドのSSです。
でも周りは全くハッピーじゃないです。
小説家になろう様でも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる