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ギルド長視点
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ギルド長レッド視点
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どっぷりと日が落ちたころ、ガルダがギルド長室に現れた。
「今日は随分部屋が明るいなぁ」
「ああ。光属性魔法の子供たちが帰り際に勲章のお礼だってギルド中に光をともして帰っていったからな」
見上げれば天井近くに、日光魔法のように明るい光の玉が浮かんでいる。
LEDというらし。
「なんだ?暗くなってから随分たつが、そんなに遅くまでやってたのか?」
確かに、そろそろ夜の9時を過ぎるところか。6時には暗くなり始めるから、3時間はたっている。
日光魔法といえば、3時間使える者も希少だったか。
「いや。暗くなる前には終わって帰っている……ガルダみたいに暗くなってからも実験を続けるような戦闘馬鹿と、アリスを一緒にするなよ」
ガルダがあははと笑った。
「まぁ、あれだ。暗くなってからしか出てこない魔物もいるからな?別に楽しくなってついつい時間を忘れたわけじゃないぞ?」
楽しかったんだな。
「で、まぁ、とりあえずだ。火光魔法はすごかったぞ。魔物のほとんどが騙されて逃げ出していくか近寄ってこねぇ。もともと火を怖がらない魔物には効果はないがな。大当たりだ。火属性魔法の魔力の温存にかなり役立つこと間違いないぞ。お前の嫁はすごいな」
ガルダがしきりにアリスのことを褒める。
「あ、ああ……俺には過ぎた嫁だ」
ガルダに頭をがりがりと乱暴に撫でられた。
「そう謙遜するな。お前もすごいぞ?この俺から数年でギルド長の座を奪っちまえるんだからな」
奪ったんじゃなくって、押し付けたんだろう?
「何言ってるんだ。魔法ぬきじゃいまだに俺よりもずっと強いくせに……」
「ははは、そりゃぁな。まだまだ若いもんには負けんってセリフは年寄りの憧れの言葉の一つだろうが。それを言うのが人生の目標だ」
ガルダがあははと笑う。
「嫌な目標だな……。もっと、こう、結婚して子供を育ててとかないのかよっ!」
ガルダがふっと笑う。
「そうだな、孫の顔が見られたらうれしいな」
「は?孫よりまずは子供だろ?」
ガルダが俺の背中をバンバンと叩いた。
「冷たいことを言うな!俺は、お前のことを息子のように思ってるんだ!」
え?
「だから、孫だ、孫!お前とアリスの子を早く俺に見せてくれ!」
ニヤニヤするガルダの脛を軽く蹴る。
「痛っ、何するんだ」
「アリスとは離婚する予定だ。前にも言っただろう?貴族は3年白い結婚であると証明できれば離婚できる」
はぁーと、ガルダが大きなため息をついた。
「貴族のいろいろは知らないが……リリアリスとアルフレッドが離婚したあと、アリスとレッドが結婚すればいいじゃないのか?」
「何を言ってるんだ、そんなこと……」
できるわけがない。
「ここは流刑地だぞ。アリスに苦労させたくはない」
頭を強くつかまれた。
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どっぷりと日が落ちたころ、ガルダがギルド長室に現れた。
「今日は随分部屋が明るいなぁ」
「ああ。光属性魔法の子供たちが帰り際に勲章のお礼だってギルド中に光をともして帰っていったからな」
見上げれば天井近くに、日光魔法のように明るい光の玉が浮かんでいる。
LEDというらし。
「なんだ?暗くなってから随分たつが、そんなに遅くまでやってたのか?」
確かに、そろそろ夜の9時を過ぎるところか。6時には暗くなり始めるから、3時間はたっている。
日光魔法といえば、3時間使える者も希少だったか。
「いや。暗くなる前には終わって帰っている……ガルダみたいに暗くなってからも実験を続けるような戦闘馬鹿と、アリスを一緒にするなよ」
ガルダがあははと笑った。
「まぁ、あれだ。暗くなってからしか出てこない魔物もいるからな?別に楽しくなってついつい時間を忘れたわけじゃないぞ?」
楽しかったんだな。
「で、まぁ、とりあえずだ。火光魔法はすごかったぞ。魔物のほとんどが騙されて逃げ出していくか近寄ってこねぇ。もともと火を怖がらない魔物には効果はないがな。大当たりだ。火属性魔法の魔力の温存にかなり役立つこと間違いないぞ。お前の嫁はすごいな」
ガルダがしきりにアリスのことを褒める。
「あ、ああ……俺には過ぎた嫁だ」
ガルダに頭をがりがりと乱暴に撫でられた。
「そう謙遜するな。お前もすごいぞ?この俺から数年でギルド長の座を奪っちまえるんだからな」
奪ったんじゃなくって、押し付けたんだろう?
「何言ってるんだ。魔法ぬきじゃいまだに俺よりもずっと強いくせに……」
「ははは、そりゃぁな。まだまだ若いもんには負けんってセリフは年寄りの憧れの言葉の一つだろうが。それを言うのが人生の目標だ」
ガルダがあははと笑う。
「嫌な目標だな……。もっと、こう、結婚して子供を育ててとかないのかよっ!」
ガルダがふっと笑う。
「そうだな、孫の顔が見られたらうれしいな」
「は?孫よりまずは子供だろ?」
ガルダが俺の背中をバンバンと叩いた。
「冷たいことを言うな!俺は、お前のことを息子のように思ってるんだ!」
え?
「だから、孫だ、孫!お前とアリスの子を早く俺に見せてくれ!」
ニヤニヤするガルダの脛を軽く蹴る。
「痛っ、何するんだ」
「アリスとは離婚する予定だ。前にも言っただろう?貴族は3年白い結婚であると証明できれば離婚できる」
はぁーと、ガルダが大きなため息をついた。
「貴族のいろいろは知らないが……リリアリスとアルフレッドが離婚したあと、アリスとレッドが結婚すればいいじゃないのか?」
「何を言ってるんだ、そんなこと……」
できるわけがない。
「ここは流刑地だぞ。アリスに苦労させたくはない」
頭を強くつかまれた。
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