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特別編3:異世界
魔神狩り
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首を落としたからといって油断は出来ない。ヴォーグたん…じゃなかった、ヴォーグタンルーみたいに別々に動き出す可能性だってあるんだから。
ジールディアスレイヤーにもう一度オーバーブーストを掛けて頭と身体を斬り刻んでいく。ある程度細かくなった所で強めの魔法で遺骸を焼こう。
「《メルトストライク》!」
十分に距離を取ってから、同じくピクシーハンズで教わった魔法にオーバーブーストを掛けて放つ。
高空から火花を散らしながら炎が一直線に落ちてくる。
バラバラになったエルナギータ様の遺骸に命中すると、地面を溶かし抉り取りながら大爆発を起こした。
後には巨大なクレーターと真っ黒に燃え尽きた大地が残っている。
エルナギータ様の身体は完全に消滅したみたい。
これで一安心だね。
[《メルトストライク》が使用不能になりました]
やっぱりかぁ…。
手にしているジールディアスレイヤーは健在。これって元々は神様由来の物だけど…。
[一定の法則で能力が失われているわけではない模様。更なる検証が必要]
だよね。
「ミナさん…今のは一体…?」
マークさん達が戻って来た。かなり遠くまで逃げてくれたみたいで全員巻き込まずに済んだ。
「魔神ですね。今度こそ仕留めましたよ」
「いや、それは見ていたから分かるんだが…」
「その膨大な魔力と力はどうやって身につけたの…?」
ゴードンさんとニールさんに聞かれるけど困ってしまう。
《アドラステア》が使えないから最高出力には程遠いんだけどなぁ。
トリプルブーストを使えばもっと簡単に倒せるだろうけど、一時的でも身動きが取れなくなるのはかなりマズい。
「まあ…研鑽と訓練、かな?」
「そう…ですか」
適当に言っておこう。
「アンタ…あいつを倒したのか…?」
次にやって来たのはムドさん。他の獣人族もついて来ている。全員狼の姿から人の姿に変わっていた。
ムドさんは180センチくらいの筋肉質の男性。黒く長い髪が野生的な印象を与えている。
獣化していた時に体に巻き付いていた布や鎧は人の姿になった時にすぐに身につけられる様になっていたみたいで、全員服も鎧もしっかりと着ていた。
「はい。森はかなり壊しちゃいましたけど、何とか倒せました」
暫くは何も生えてこないかも。
「あの魔神に俺達の仲間は大勢殺された」
大森林の北部に岩山があるらしく、ムドさん達の様なクルエナールに隷属しなかった人達はそこに隠れ住んでいたらしい。そこに悪神のエルナギータ様が現れて岩山ごとみんなを吹き飛ばしてしまったそう。
「アルギット山が無くなったのは魔神の仕業だったのか…」
そう言って頷いているのはゴードンさん。
名前も付いているし大きな山だったのかな。
「同胞の仇を討ってくれたアンタには礼を言わねばならない」
「いえ、元々私は魔神を討伐する約束をしていましたので」
気付けば大勢の獣人族が集まって来ていた。破壊してしまった森の広さは大きな野球場が丸ごと入るくらいだ。
無事な木々の間から覗いている獣人族も大勢いて、かなりの数がこの森に隠れ住んでいたのが分かる。
「囲まれてます…」
「今更ジタバタしても仕方ねぇな」
ザクスさんに抱えられたままのルルさんが怯えているけど、ザクスさんは周囲を一瞥して苦笑しただけだった。
さて、これで私は敵ではないって分かってもらえたかな?
「私はミナと言います。皆さんと敵対するつもりはありません。魔神を倒して仲間と合流したいだけなのです」
取り敢えず名乗っておこう。
何も言わずに私を見ている獣人族の人達。
うーん…。
「皆さんが敵対すると言うなら私は全員を倒してでも進みます。今度は一切の手加減はしません」
脅しになっちゃうけどしょうがないよね。このまま黙って通してくれるだけでいいんだけと。
「敵対などするわけがない。先程の非礼を詫びよう」
そう言って土下座の様な格好をするムドさん。他の獣人族も同じ格好をしていた。
「魔神を狩る者、ミナよ。我らの長になってはくれないか?」
「へ?」
いやいや、いくらなんでも話が飛び過ぎだよ。
「あなたこそ真の戦士。我らの王になってください!」
「あなたがいてくれればクルエナールの人間など敵ではない!」
…うーん。
〈随分と身勝手な事を言っていますね〉
うん。流石にこれは無いよね。
「私が彼らの身元を引き受ける事はできるのですか?」
「それはミナさんの所有物にすると言う事ですか?」
「そういう訳ではないのですが…」
マークさんに聞いてみたけど、クルエナール連邦の中では獣人族は奴隷でしかないんだったね。
彼らに自由に生きてもらうには色々と交渉しなくちゃいけなさそう。
しかも今回の事でアウラン大森林にかなりの数の獣人族が住んでいる事が判っちゃったし、このままここにいたら軍が来てみんな捕らえられてしまう。
「ここに住んでいる人達について報告しますよね?」
「まあそうだな」
ゴードンさんに即答される。
一度は敵対した人達とはいえ、奴隷にされるのを見て見ぬ振りはしたくない。
でも私は部外者なんだよね。この世界にずっと居られるわけでもないし…。
うーん、困ったなぁ。このまま放置するのもちょっと…。
「私はずっと皆さんと一緒にいられないし、クルエナールと戦う気もありません。私には獣人族の皆さんを自由にしてあげられる権限もありません。それでも私に従うと言うのなら、この国の決まり事を守る為に、全員に奴隷の証の首輪を付けていただくことになります」
これで諦めてくれるかな?今度は新しい住処を探してあげたい所だけど。
「それで構わない。俺達全員アンタの奴隷になる!」
「えぇ…」
っていうかムドさんが勝手に決めていい事なの?みんな首輪を付けるのが嫌で逃げて来たんじゃ…?
全員って何人になるんだろう。
ジールディアスレイヤーにもう一度オーバーブーストを掛けて頭と身体を斬り刻んでいく。ある程度細かくなった所で強めの魔法で遺骸を焼こう。
「《メルトストライク》!」
十分に距離を取ってから、同じくピクシーハンズで教わった魔法にオーバーブーストを掛けて放つ。
高空から火花を散らしながら炎が一直線に落ちてくる。
バラバラになったエルナギータ様の遺骸に命中すると、地面を溶かし抉り取りながら大爆発を起こした。
後には巨大なクレーターと真っ黒に燃え尽きた大地が残っている。
エルナギータ様の身体は完全に消滅したみたい。
これで一安心だね。
[《メルトストライク》が使用不能になりました]
やっぱりかぁ…。
手にしているジールディアスレイヤーは健在。これって元々は神様由来の物だけど…。
[一定の法則で能力が失われているわけではない模様。更なる検証が必要]
だよね。
「ミナさん…今のは一体…?」
マークさん達が戻って来た。かなり遠くまで逃げてくれたみたいで全員巻き込まずに済んだ。
「魔神ですね。今度こそ仕留めましたよ」
「いや、それは見ていたから分かるんだが…」
「その膨大な魔力と力はどうやって身につけたの…?」
ゴードンさんとニールさんに聞かれるけど困ってしまう。
《アドラステア》が使えないから最高出力には程遠いんだけどなぁ。
トリプルブーストを使えばもっと簡単に倒せるだろうけど、一時的でも身動きが取れなくなるのはかなりマズい。
「まあ…研鑽と訓練、かな?」
「そう…ですか」
適当に言っておこう。
「アンタ…あいつを倒したのか…?」
次にやって来たのはムドさん。他の獣人族もついて来ている。全員狼の姿から人の姿に変わっていた。
ムドさんは180センチくらいの筋肉質の男性。黒く長い髪が野生的な印象を与えている。
獣化していた時に体に巻き付いていた布や鎧は人の姿になった時にすぐに身につけられる様になっていたみたいで、全員服も鎧もしっかりと着ていた。
「はい。森はかなり壊しちゃいましたけど、何とか倒せました」
暫くは何も生えてこないかも。
「あの魔神に俺達の仲間は大勢殺された」
大森林の北部に岩山があるらしく、ムドさん達の様なクルエナールに隷属しなかった人達はそこに隠れ住んでいたらしい。そこに悪神のエルナギータ様が現れて岩山ごとみんなを吹き飛ばしてしまったそう。
「アルギット山が無くなったのは魔神の仕業だったのか…」
そう言って頷いているのはゴードンさん。
名前も付いているし大きな山だったのかな。
「同胞の仇を討ってくれたアンタには礼を言わねばならない」
「いえ、元々私は魔神を討伐する約束をしていましたので」
気付けば大勢の獣人族が集まって来ていた。破壊してしまった森の広さは大きな野球場が丸ごと入るくらいだ。
無事な木々の間から覗いている獣人族も大勢いて、かなりの数がこの森に隠れ住んでいたのが分かる。
「囲まれてます…」
「今更ジタバタしても仕方ねぇな」
ザクスさんに抱えられたままのルルさんが怯えているけど、ザクスさんは周囲を一瞥して苦笑しただけだった。
さて、これで私は敵ではないって分かってもらえたかな?
「私はミナと言います。皆さんと敵対するつもりはありません。魔神を倒して仲間と合流したいだけなのです」
取り敢えず名乗っておこう。
何も言わずに私を見ている獣人族の人達。
うーん…。
「皆さんが敵対すると言うなら私は全員を倒してでも進みます。今度は一切の手加減はしません」
脅しになっちゃうけどしょうがないよね。このまま黙って通してくれるだけでいいんだけと。
「敵対などするわけがない。先程の非礼を詫びよう」
そう言って土下座の様な格好をするムドさん。他の獣人族も同じ格好をしていた。
「魔神を狩る者、ミナよ。我らの長になってはくれないか?」
「へ?」
いやいや、いくらなんでも話が飛び過ぎだよ。
「あなたこそ真の戦士。我らの王になってください!」
「あなたがいてくれればクルエナールの人間など敵ではない!」
…うーん。
〈随分と身勝手な事を言っていますね〉
うん。流石にこれは無いよね。
「私が彼らの身元を引き受ける事はできるのですか?」
「それはミナさんの所有物にすると言う事ですか?」
「そういう訳ではないのですが…」
マークさんに聞いてみたけど、クルエナール連邦の中では獣人族は奴隷でしかないんだったね。
彼らに自由に生きてもらうには色々と交渉しなくちゃいけなさそう。
しかも今回の事でアウラン大森林にかなりの数の獣人族が住んでいる事が判っちゃったし、このままここにいたら軍が来てみんな捕らえられてしまう。
「ここに住んでいる人達について報告しますよね?」
「まあそうだな」
ゴードンさんに即答される。
一度は敵対した人達とはいえ、奴隷にされるのを見て見ぬ振りはしたくない。
でも私は部外者なんだよね。この世界にずっと居られるわけでもないし…。
うーん、困ったなぁ。このまま放置するのもちょっと…。
「私はずっと皆さんと一緒にいられないし、クルエナールと戦う気もありません。私には獣人族の皆さんを自由にしてあげられる権限もありません。それでも私に従うと言うのなら、この国の決まり事を守る為に、全員に奴隷の証の首輪を付けていただくことになります」
これで諦めてくれるかな?今度は新しい住処を探してあげたい所だけど。
「それで構わない。俺達全員アンタの奴隷になる!」
「えぇ…」
っていうかムドさんが勝手に決めていい事なの?みんな首輪を付けるのが嫌で逃げて来たんじゃ…?
全員って何人になるんだろう。
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