620 / 763
特別編3:異世界
ルトシカ突入
しおりを挟む
飛空艇は静かに離陸してドンドン上昇していく。
ルトシカと繋がっている門はかなり上空にあるらしい。
途中で3隻が合流してくる。その内2隻は船というより潜水艦とか、見方によっては飛行船にも見える。
「バカでかいラムが付いているのがエヴァルの船『アルマータグレイヴ』変な形をしている小さい方がリコッタの船『ロアゾブルエステレラ』、大型の方がメレの船『ルミエドゥースゾハル』だ。メレの船はドック艦で、あの中に我々の船を入れて修理を行えるんだ」
エリザベートさんが合流してくる船を指差しながら解説してくれた。
メレ君の船から《シャプロンルージュ》の起動が行われて全員がリンクする。
情報が次々と表示されてくる。
はじめから簡易表示で見やすいね。
「あなた達はこんな船をどうやって手に入れたの?」
「私らは元々鋼鉄の島を狙う海賊だった。あの島は無人で、宝の山なんだと親父に教えられてきたからな。私達が13回目の攻撃をした時、《ピクシーハンズ》の連中も鋼鉄の島にいてな、戦闘になって私とリコッタが捕まった」
「で、縛り首になったと」
「そうそう、海賊は極刑だからな…ってそんなわけあるか!」
ソラちゃんのボケにノリツッコミをするエリザベートさん。
ノリが良くて助かります。
「まあ親父に唆されて色々やらかしてしまったんだが…その後、島の管理者と和解して村ごと移住させてもらって、その時に島の守護者になる代わりに船を飛空艇に改造してもらったんだ。元々遺跡から掘り出したもので作られた船だったんだが、島の超技術で更にパワーアップした」
元々は敵同士が和解して今に至るって感じなんだね。
「鋼鉄の島というのは何なのでしょう?」
「何と聞かれてもなぁ…管理者の話だと世界の礎になった始まりの欠片とか何とか言っていたぞ」
世界の礎?この世界の成り立ちに関係しているのかな。
これが終わったら行ってみたいかも。
飛空艇は雲を抜けて更に上へ。遠くに空間がパックリと開いている箇所が見えてきた。大きい…飛空艇でも余裕で通れる直径がある。
「正面、出て来るぜ!」
船員の1人が声を上げる。
頭を出してきたのは巨大な魚。身体を唸らせてこちらに入って来ようとしている。
「メレ、出て来たぞ!お前の出番だ!」
『早速出番だね。任せて!特装弾用意ー!』
メレ君の声が聞こえてきた。
大きな潜水艦みたいな船が2つに分かれて中が見える。
あれは…!
『魔力式噴進弾、発射!』
ドックの中にあったのは巨大なミサイル!?
炎を噴き上げながら勢いよく魚に突っ込んでいくミサイル。そのまま頭に命中するかと思ったら直前で弾けて小さな弾頭に分かれた!
でもそれじゃ威力は無くなってしまうんじゃ…?
魚の頭を中心に次々と弾頭が炸裂して鱗が溶けていく。
あれは何?
『鱗の欠片を成分解析したからね。魔力を調整しておいたんだ』
なるほど、硬い鱗を無効化する為の兵器だったんだね。
「よし、ラウオ!」
『おう!』
エリザベートさんの合図でラウオさんの船が中央に陣取って艦首の砲を放つ。
鱗が溶けた所に大型魔力砲が突き刺さって魚の頭から半分程を焼いて押し返す。
「焼き魚~」
「文字通り半生ね」
「ソラ、いくらなんでもあれは食べられないぞ」
ソラちゃん、リオさん、テュケ君がそんな話を…。
「火力にムラがある時は半分に切ると焼きやすいですよ」
ユキさんそういう問題じゃないよ…。
「仕上げだ!エヴァル!イルナ!」
『任せておけ!』『任せて!』
エヴァルさんの船の衝角に魔力が集まっていく。イルナさんの船がその後ろに続く。
イルナさんって屋敷に来てた明るい感じのお姉さんだよね。高速機動艦だっけ。あれで勢いを付けるんだね。
イルナさんの船の周りに魔力が集まって、エヴァルさんの船を押し上げる。
そのまま加速して魚の頭を貫通、内部から引き裂いて魚を粉砕した。
おお!凄い!
「全艦続け!全速で門に侵入するぞ!」
エリザベートさんの号令で残りの3隻も続く。
『門を通ったら《シャプロンルージュ》が切れるからね。向こうの世界に行ったらミナさんが起動してね』
「はい!」
私達を乗ったヘッジホッグセレイラとルーティアさん達を乗せたロートヴォルフメルジーネ、リコッタちゃんのロアゾブルエステレラも後に続いて門を潜る。
門の先、ルトシカは大自然が広がる世界だった。
あちこち破壊されていて荒地にもなっているけど、建物などの人工物が見当たらない。
かなり遠くだけど山の様に大きな四足歩行の神獣が歩いているのが確認できた。
「ミナ、《シャプロンルージュ》を」
「はい!」
《アドラステア》、《アルスアドラステア》を起動して《シャプロンルージュ》も作動。
地形の詳細が分かる。
破壊された所に僅かだけど人の居た痕跡があった。あれは…馬車の残骸?よく見たら古い道の跡もある。随分長い間使われてないみたいだ。
《鑑定》で更に詳細を確認する。
人はいないの…?
[地中に人工物があります。人間も確認しました]
そっか。地上は神獣がいるから地中に生活圏を移したんだ。
[10時の方向、神獣がいます]
地形マップに神獣の姿が反映されてハッキリと見えてくる。あれは大きな猿?
山の中腹あたりを掘り返しているけど、何をしているの…?
「あそこは…人が居るのではないですか?」
レアさんは静かに呟く。
「襲われているのですね…!」
「早く助けに行かなくちゃ!」
ユイさんとユウキちゃんが叫ぶ。
「上方に神獣!2匹いるぞ!」
ナオトさんが叫ぶ。空には巨大サーペントドラゴンと巨大な鳥。
「迎撃!エヴァル、イルナ、リコッタ!任せるぞ!」
「「「了解!」」」
「私達は地上の猿だ!突入!」
エリザベートさんが指示を出す。
すぐに助けに行くからね!
ルトシカと繋がっている門はかなり上空にあるらしい。
途中で3隻が合流してくる。その内2隻は船というより潜水艦とか、見方によっては飛行船にも見える。
「バカでかいラムが付いているのがエヴァルの船『アルマータグレイヴ』変な形をしている小さい方がリコッタの船『ロアゾブルエステレラ』、大型の方がメレの船『ルミエドゥースゾハル』だ。メレの船はドック艦で、あの中に我々の船を入れて修理を行えるんだ」
エリザベートさんが合流してくる船を指差しながら解説してくれた。
メレ君の船から《シャプロンルージュ》の起動が行われて全員がリンクする。
情報が次々と表示されてくる。
はじめから簡易表示で見やすいね。
「あなた達はこんな船をどうやって手に入れたの?」
「私らは元々鋼鉄の島を狙う海賊だった。あの島は無人で、宝の山なんだと親父に教えられてきたからな。私達が13回目の攻撃をした時、《ピクシーハンズ》の連中も鋼鉄の島にいてな、戦闘になって私とリコッタが捕まった」
「で、縛り首になったと」
「そうそう、海賊は極刑だからな…ってそんなわけあるか!」
ソラちゃんのボケにノリツッコミをするエリザベートさん。
ノリが良くて助かります。
「まあ親父に唆されて色々やらかしてしまったんだが…その後、島の管理者と和解して村ごと移住させてもらって、その時に島の守護者になる代わりに船を飛空艇に改造してもらったんだ。元々遺跡から掘り出したもので作られた船だったんだが、島の超技術で更にパワーアップした」
元々は敵同士が和解して今に至るって感じなんだね。
「鋼鉄の島というのは何なのでしょう?」
「何と聞かれてもなぁ…管理者の話だと世界の礎になった始まりの欠片とか何とか言っていたぞ」
世界の礎?この世界の成り立ちに関係しているのかな。
これが終わったら行ってみたいかも。
飛空艇は雲を抜けて更に上へ。遠くに空間がパックリと開いている箇所が見えてきた。大きい…飛空艇でも余裕で通れる直径がある。
「正面、出て来るぜ!」
船員の1人が声を上げる。
頭を出してきたのは巨大な魚。身体を唸らせてこちらに入って来ようとしている。
「メレ、出て来たぞ!お前の出番だ!」
『早速出番だね。任せて!特装弾用意ー!』
メレ君の声が聞こえてきた。
大きな潜水艦みたいな船が2つに分かれて中が見える。
あれは…!
『魔力式噴進弾、発射!』
ドックの中にあったのは巨大なミサイル!?
炎を噴き上げながら勢いよく魚に突っ込んでいくミサイル。そのまま頭に命中するかと思ったら直前で弾けて小さな弾頭に分かれた!
でもそれじゃ威力は無くなってしまうんじゃ…?
魚の頭を中心に次々と弾頭が炸裂して鱗が溶けていく。
あれは何?
『鱗の欠片を成分解析したからね。魔力を調整しておいたんだ』
なるほど、硬い鱗を無効化する為の兵器だったんだね。
「よし、ラウオ!」
『おう!』
エリザベートさんの合図でラウオさんの船が中央に陣取って艦首の砲を放つ。
鱗が溶けた所に大型魔力砲が突き刺さって魚の頭から半分程を焼いて押し返す。
「焼き魚~」
「文字通り半生ね」
「ソラ、いくらなんでもあれは食べられないぞ」
ソラちゃん、リオさん、テュケ君がそんな話を…。
「火力にムラがある時は半分に切ると焼きやすいですよ」
ユキさんそういう問題じゃないよ…。
「仕上げだ!エヴァル!イルナ!」
『任せておけ!』『任せて!』
エヴァルさんの船の衝角に魔力が集まっていく。イルナさんの船がその後ろに続く。
イルナさんって屋敷に来てた明るい感じのお姉さんだよね。高速機動艦だっけ。あれで勢いを付けるんだね。
イルナさんの船の周りに魔力が集まって、エヴァルさんの船を押し上げる。
そのまま加速して魚の頭を貫通、内部から引き裂いて魚を粉砕した。
おお!凄い!
「全艦続け!全速で門に侵入するぞ!」
エリザベートさんの号令で残りの3隻も続く。
『門を通ったら《シャプロンルージュ》が切れるからね。向こうの世界に行ったらミナさんが起動してね』
「はい!」
私達を乗ったヘッジホッグセレイラとルーティアさん達を乗せたロートヴォルフメルジーネ、リコッタちゃんのロアゾブルエステレラも後に続いて門を潜る。
門の先、ルトシカは大自然が広がる世界だった。
あちこち破壊されていて荒地にもなっているけど、建物などの人工物が見当たらない。
かなり遠くだけど山の様に大きな四足歩行の神獣が歩いているのが確認できた。
「ミナ、《シャプロンルージュ》を」
「はい!」
《アドラステア》、《アルスアドラステア》を起動して《シャプロンルージュ》も作動。
地形の詳細が分かる。
破壊された所に僅かだけど人の居た痕跡があった。あれは…馬車の残骸?よく見たら古い道の跡もある。随分長い間使われてないみたいだ。
《鑑定》で更に詳細を確認する。
人はいないの…?
[地中に人工物があります。人間も確認しました]
そっか。地上は神獣がいるから地中に生活圏を移したんだ。
[10時の方向、神獣がいます]
地形マップに神獣の姿が反映されてハッキリと見えてくる。あれは大きな猿?
山の中腹あたりを掘り返しているけど、何をしているの…?
「あそこは…人が居るのではないですか?」
レアさんは静かに呟く。
「襲われているのですね…!」
「早く助けに行かなくちゃ!」
ユイさんとユウキちゃんが叫ぶ。
「上方に神獣!2匹いるぞ!」
ナオトさんが叫ぶ。空には巨大サーペントドラゴンと巨大な鳥。
「迎撃!エヴァル、イルナ、リコッタ!任せるぞ!」
「「「了解!」」」
「私達は地上の猿だ!突入!」
エリザベートさんが指示を出す。
すぐに助けに行くからね!
0
お気に入りに追加
3,734
あなたにおすすめの小説
泉の精の物語〜創生のお婆ちゃん〜
足助右禄
ファンタジー
沢山の家族に看取られ80歳で天寿を全うした春子は、神様らしき人物に転生させられる。
「おめでとうございまーす。アナタは泉の精に生まれ変わりまーす。」
気がついたら目の前には水溜まり。
「これが……泉?」
荒れ果てた大地に水溜まりが一つ。
泉の精として長大な時間を過ごす事になったお婆ちゃんの話。
プラス的 異世界の過ごし方
seo
ファンタジー
日本で普通に働いていたわたしは、気がつくと異世界のもうすぐ5歳の幼女だった。田舎の山小屋みたいなところに引っ越してきた。そこがおさめる領地らしい。伯爵令嬢らしいのだが、わたしの多少の知識で知る貴族とはかなり違う。あれ、ひょっとして、うちって貧乏なの? まあ、家族が仲良しみたいだし、楽しければいっか。
呑気で細かいことは気にしない、めんどくさがりズボラ女子が、神様から授けられるギフト「+」に助けられながら、楽しんで生活していきます。
乙女ゲーの脇役家族ということには気づかずに……。
#不定期更新 #物語の進み具合のんびり
#カクヨムさんでも掲載しています
のほほん異世界暮らし
みなと劉
ファンタジー
異世界に転生するなんて、夢の中の話だと思っていた。
それが、目を覚ましたら見知らぬ森の中、しかも手元にはなぜかしっかりとした地図と、ちょっとした冒険に必要な道具が揃っていたのだ。
全能で楽しく公爵家!!
山椒
ファンタジー
平凡な人生であることを自負し、それを受け入れていた二十四歳の男性が交通事故で若くして死んでしまった。
未練はあれど死を受け入れた男性は、転生できるのであれば二度目の人生も平凡でモブキャラのような人生を送りたいと思ったところ、魔神によって全能の力を与えられてしまう!
転生した先は望んだ地位とは程遠い公爵家の長男、アーサー・ランスロットとして生まれてしまった。
スローライフをしようにも公爵家でできるかどうかも怪しいが、のんびりと全能の力を発揮していく転生者の物語。
※少しだけ設定を変えているため、書き直し、設定を加えているリメイク版になっています。
※リメイク前まで投稿しているところまで書き直せたので、二章はかなりの速度で投稿していきます。
貴族令嬢に生まれたからには念願のだらだらニート生活したい。
譚音アルン
ファンタジー
ブラック企業に勤めてたのがいつの間にか死んでたっぽい。気がつくと異世界の伯爵令嬢(第五子で三女)に転生していた。前世働き過ぎだったから今世はニートになろう、そう決めた私ことマリアージュ・キャンディの奮闘記。
※この小説はフィクションです。実在の国や人物、団体などとは関係ありません。
※2020-01-16より執筆開始。
魔力∞を魔力0と勘違いされて追放されました
紗南
ファンタジー
異世界に神の加護をもらって転生した。5歳で前世の記憶を取り戻して洗礼をしたら魔力が∞と記載されてた。異世界にはない記号のためか魔力0と判断され公爵家を追放される。
国2つ跨いだところで冒険者登録して成り上がっていくお話です
更新は1週間に1度くらいのペースになります。
何度か確認はしてますが誤字脱字があるかと思います。
自己満足作品ですので技量は全くありません。その辺り覚悟してお読みくださいm(*_ _)m
(完結)もふもふと幼女の異世界まったり旅
あかる
ファンタジー
死ぬ予定ではなかったのに、死神さんにうっかり魂を狩られてしまった!しかも証拠隠滅の為に捨てられて…捨てる神あれば拾う神あり?
異世界に飛ばされた魂を拾ってもらい、便利なスキルも貰えました!
完結しました。ところで、何位だったのでしょう?途中覗いた時は150~160位くらいでした。応援、ありがとうございました。そのうち新しい物も出す予定です。その時はよろしくお願いします。
善人ぶった姉に奪われ続けてきましたが、逃げた先で溺愛されて私のスキルで領地は豊作です
しろこねこ
ファンタジー
「あなたのためを思って」という一見優しい伯爵家の姉ジュリナに虐げられている妹セリナ。醜いセリナの言うことを家族は誰も聞いてくれない。そんな中、唯一差別しない家庭教師に貴族子女にははしたないとされる魔法を教わるが、親切ぶってセリナを孤立させる姉。植物魔法に目覚めたセリナはペット?のヴィリオをともに家を出て南の辺境を目指す。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。