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特別編2:神様はじめました

遭難者

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──〔human side〕──

次の日、朝食を取って観光の続きをしようという話になっていた。

メイファさんとスイさんとは林の中で別れたけど、次の日旅館にやって来ていた。

「ミナ様、昨日は助かりました。主人マスターに代わり感謝申し上げます」
「いえいえ。結果的に何とかなっただけでご迷惑をかけてしまいましたし」

メイファさん達はお礼を言いに来てくれただけみたい。

「ところでメイファさん達は普段はどうされているんですか?」
「日本周辺で起こる異常事態の対処が僕たちの任務です」

スイさんが答えてくれた。

「あんな侵入者が来たりは滅多にありませんよね?」
「はい。今回が初めてです」
「普段はどんな事をされているんですか?」

聞いていい事だったかな?

「外部からの侵入者の対処も私達使徒の役割ですが、普段は現世に彷徨っている魂の誘導ご主な任務です」
「魂が迷う?」
「はい。自分が死んだ事に気付かない人や認めたくない人を魂のあるべき場所に還すのです」

メイファさん達は亡くなった方の水先案内人なんだね。

「つまり死神?」

ソラちゃんその言い方はちょっと失礼じゃない?

「まあ、似たようなものですね」
「卍解する?」
「する訳ないでしょ」
「リミッターは外せますが、一回きりの切り札ですね」

メイファさんはソラちゃんの言っている事が分かるのかな?

「日本のサブカルチャーは面白いですからね」
「おー、話がわかる」

握手をしているソラちゃんとメイファさん。

「他には異世界からの遭難者の保護も僕達の仕事ですね」
「そんな事あるんですか?」
「この間も1人見つけたのだけど、逃げられてしまったのですよ」

そんなこともやってるんだね。

「どんな人だったの?」
「大きな鎌を武器にする女性でした。力尽くで捕らえようとしたら逃げられてしまいました。」

リオさんの質問に答えるメイファさん。
相手はメイファさん達を傷付けないようにしながら逃げてしまったそう。

「という事はかなり強かったという事ですね」
「そうなんですよ。私達が全然歯が立たなかったのです」

相当な使い手なんだね。
ていうか大きな鎌って、そっちの方がよっぽど死神っぽいよね。

「私達今から観光に行くんですけど、メイファさん達もどうですか?」
「どうと言われましても…」
「私達は主人マスターに皆さんと行動を共にする様にと言われております。ご同行させてもらいます」

というわけで二人追加になった。

今日は隣の県に行って古い街並みやミュージアムを巡ってみる。お城にも行ってみた。

「これが地球の城か…なるほど、地形を活かしつつ防御に利用しているわけか」

クロウさんが真面目に考察している。

「見た目も何か格好いいね」
「古い建物の造りは面白いな」

中を見学してみんなも楽しそうだ。

お昼を古い街並みの方でとることに。
大人数で来たけど入れるお店があってよかったね。

ご飯も食べて、街並みを自由行動で散策してみることになった。
屋台が出ていたりしてちょっとしたお祭りみたいになっていた。

私、ユキさん、リオさん、ソラちゃん、テュケ君に加えてメイファさんとスイさんも一緒だ。

「あのお店、お煎餅売ってる!食べる~」

早速ソラちゃんが屋台の方へと駆けていく。

さっきご飯食べたばかりなのに、相変わらずすごい食欲だね。

焼きたてを出してくれるお店みたいで、一枚ずつで売ってくれていた。

香ばしい美味しそうな匂いはするけど、流石に食べれそうにない。
私達は少し離れたところで待っている事に。

話しながら待っていたらソラちゃんと他の観光客の女の人が話している。
あの人も外国人かな?年齢は結構若い様な…

「あの女…この前取り逃した遭難者です!」
「えぇ…!?」
「今すぐ取り押さえます!」
「ちょっ!待ってください!」

こんな所で荒事はダメだよ!

メイファさんを引き止める。

「まずは穏便に話してみたらどうですか?逃げる様なら私も追跡を手伝いますから」
「わかりました」

という訳で話を聞いてみる事にした。

「あのー…」
「どしたのミナ?」

煎餅を咥えながら聞いてくるソラちゃん。隣にいる女性もニコニコしながら煎餅を頬張っていた。

「つかぬ事をお尋ねしますけど、あなたはこの世界の人ではありませんね?」
「はい。何となくこの世界に迷い込んでしまいました」

迷子になったくらいの感覚で答えてくる女の人。年齢はリオさんくらいかな?
長めの茶色の髪をした美人さんだった。

何だか穏やかな人っぽい。話せば分かってくれそうなんどけど…。
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