転生少女、運の良さだけで生き抜きます!

足助右禄

文字の大きさ
369 / 828
地球

散り散りの仲間達7

しおりを挟む
~side アウレリア~

神界でも異変を察知していた。
女神リヴェルティアがミナ達を強制的に地球へと転移させていたのだ。

私達は協議する。

ヴェルトラオム様の行方が分からない以上、私達で対応せねばならない。

このままではリヴェルティアの思い通りになってしまう。

「お姉…アウレリア様、地球の神に捜索を願いましょう」

ナーサリアの提案には私も賛成だ。あちらの事はあちらの神に頼もう。

「ええ。それが良いでしょう」
「ならば我が連絡をしよう」

ソルアード様が対応してくれるようだ。

「さて、我々はどうすればいいだろうね」

セルヴェード様もどう対応しようか悩んでいるようだ。

「あちらの神は僕たちよりも地上に住む者達に無関心だからね。僕らの子供達が迷い込んでも何もしてくれないかもしれないよ」

アルメディオ様が言う通り、地球の神々は私達以上に地上の者に手出しをしない事は知っていた。
だが、今回は状況が違うのだ。
元々はこちらの神があちらに迷惑をかけているのだが、地球側に被害が出ないうちに協力して対処をしたい。

「残念な知らせだ」

ソルアード様が落胆して告げてくる。

「あちらの神は今回の事、一切手出しはしないそうだ」
「そんな……何故?」

理解できない。あちらの世界にとって明らかな異物を放置するなんて。

「我らの子達も追っていないそうだ」
「ならば我々が勝手に介入しても良いと言う事かな?」
「そうですな。それについても何も言っておりませんでした」

ソルアード様の報告を聞いてアルメディオ様が聞いている。

ならば私達だけで何とかしましょう。
しかし、介入しようにもこちらから出来ることはごく限られてしまう。

あちらとの門を開いたとしてもそれからミナ達を探すとなるとかなり難しい筈だ。

「こちらとあちらを繋ぐ為の門を開くのにどれくらいのエネルギーが必要でしょうか?」
「そうだね……少なくともこちらの神6柱分の存在力を消費しなければ開けないだろうね」

そんなに……?それでは到底開けない。

「いや、今回地球側は一切手出ししないのであるなら僕達がやるしかないんだよ。協力してくれる神を僕が募ってくるから、少し待っていて」

そう言ってアルメディオ様はどこかに行ってしまった。

その直後、地上からこちらにやってきたのはシゲルとレアとテュケとアウラだった。
シゲルはギフトでミナに変身していて、アウラは仮初の身体を作ってここに来た様だ。

「私は女神リヴェルティアに転生させられたレアと申します。失礼ですが、アウレリア様はどなたでしょうか?」
「私がアウレリアです。レア、よく来てくれましたね」
「アウレリア様、既にご存知かと思いますが、リヴェルティアの手によってミナさんが何処かに転移されてしまいました。何処に連れて行かれてしまったかご存知ですか?」
「ミナ達は地球へ飛ばされてしまいました。私達は現在彼女達を救出する準備をしています」

レア達もミナ達を助け出す為にここにきた様だ。

「地球への門を開く為の準備をしています。ただ開いても、そこからミナ達を探さなければならない為、どうするか考えていたところです」

私達はアスティアの神であって地球の神ではない。勝手が分からないのだ。

「シゲルさんがミナさんの能力を完全にコピーしています。役に立たないでしょうか?」
「そうですね……可能性は低いですが、《ラッキーシュート》の重ね掛けをテュケに付与して、眷属として探知が出来るかも知れません。地上より神界の方が、探査がしやすい筈です。ただしあなた達が無事で済むかは分かりません」

シゲルとテュケには相当の負担が掛かってしまうだろう。ただの人間の2人が負荷に耐え切れるかは分からない。

「ここまで来たんだ、やらせて貰いますよ」
「俺も今度こそねーちゃん達を助けたいんだ!お願いします、やらせてください!」

シゲルもテュケも覚悟はできている様だ。

「居場所が分かったとして、ミナさん達が同じ所にいなかった場合、全員を救助出来るのでしょうか?」
「門を開けるのは、ほんの僅かな時間だけです。目の前に門を作ったとしても数人しか助け出す事は出来ないでしょう」

消費を考えると、何度も開く事は不可能だ。一度で最大限やれる事をしなければならない。

「提案ですが、アウレリアがミナを探知出来ない事からして、恐らくあちらのミナは加護が切れていると思われます。もしかしたら技能全般が封印されている可能性もあります。そこで、ミナに加護を届ける方法を探しませんか?」

アウラの言っている事はほぼ間違い無いだろう。私もミナに加護を戻して、自力で帰ってくる方法を探してもらうのが良いと考えていた。

「アウラの提案に賛同致します」

この場にいる他の神達も頷いている。

「それならば私の剣を授けてやろう」
「それを儂が鍛えて必要な力を付与するのはどうだ?」

声のした方を見ると、アルメディオ様と他の神様達がやって来ていた。
声を掛けて来たのは戦を司る神、ゲールヴァイナー様と、鍛治を司る神、フォールジュローン様だった。

「お2人がお力を貸してくださるならこれ程心強い事はありません」

私が推測される状況を説明すると、ゲールヴァイナー様が長剣を取り出してフォールジュローン様に手渡す。

フォールジュローン様はその場に鍛冶場を召喚して長剣を打ち直し始めた。

「必要なのはこちらの世界の加護なのだろう?それからリヴェルティアを滅する為の力だな。我らの加護もありったけ入れておくぞ」

ゲールヴァイナー様も手伝って2人で剣を打ち始める。
やがて剣は青白い光を放ち出し、その光が淡くなった頃に2人は鎚を振るうのをやめた。

「うむ、神としての最後の務めとしては上々であるな」
「この剣を媒体とすれば加護も復活出来るだろう。ただし基礎情報を全て入れる事は出来なんだ。あの次代の主神候補とほぼ同等の力の持ち主をこちらから送り込まねばならんぞ」

そうなると候補は能力を全てコピーしているシゲルになるけど、彼は探査の役目も担っている。消耗し切った状態であちらに送り込んで大丈夫だろうか?

「私は他のミナさんのコピーを送り込む事を提案します」

そう言ったのはレアだった。

ーーーー

「それで、私はオリジナルにこの剣を届ければいいのね?」

レアがアウラに言って用意させたのは《シャイターン》状態のミナだった。

「やってもらえますか?」
「言った先にいるリヴェルティアって神は倒しても良いんでしょ?」
「その剣があれば滅する事が出来るじゃろう。ただし何回か斬らねばならんぞ」

フォールジュローン様が答えている。

「あなたはダンジョンからの生成物です。こちらの理の通用しない地球では長くは存在できないでしょう」
「それでも私を指名したという事は、他に適任が居ないという事かな?」
「そうです。お願いします」
「分かったわ。出来ればリヴェルティアのいるタイミングで行けると最高なんだけどね」

《シャイターン》のミナを間近で見るけど、本人とは全然違う性格をしていた。

「ここに居る神達は皆、門を開く為に存在力を分けてくれるそうだよ。」
「しかし…そのような事をすれば消滅してしまわれるのでは……?」
「我らとてアスティアをリヴェルティアに好きにさせるの我慢ならんのだ。何、気にするな。少し早く輪廻の輪に加わるだけだ。気にせず使うが良い」
「ありがとうございます。必ずやリヴェルティアを止めて参ります」

アルメディオ様が連れて来てくださった神々は皆同じ決意だった。
申し訳ないけど、これしか方法がない。有り難く使わせて頂こう。

「それでは探査を始めます。シゲル、テュケ、よろしく頼みます」

「おう!」「それじゃ、やりますか…」

彼らの働きにより無事にミナの現在地を特定することが出来、《シャイターン》のミナを送り込む事に成功した。
しおりを挟む
感想 1,520

あなたにおすすめの小説

五年後、元夫の後悔が遅すぎる。~娘が「パパ」と呼びそうで困ってます~

放浪人
恋愛
「君との婚姻は無効だ。実家へ帰るがいい」 大聖堂の冷たい石畳の上で、辺境伯ロルフから突然「婚姻は最初から無かった」と宣告された子爵家次女のエリシア。実家にも見放され、身重の体で王都の旧市街へ追放された彼女は、絶望のどん底で愛娘クララを出産する。 生き抜くために針と糸を握ったエリシアは、持ち前の技術で不思議な力を持つ「祝布(しゅくふ)」を織り上げる職人として立ち上がる。施しではなく「仕事」として正当な対価を払い、決して土足で踏み込んでこない救恤院の監督官リュシアンの温かい優しさに触れエリシアは少しずつ人間らしい心と笑顔を取り戻していった。 しかし五年後。辺境を襲った疫病を救うための緊急要請を通じ、エリシアは冷酷だった元夫ロルフと再会してしまう。しかも隣にいる娘の青い瞳は彼と瓜二つだった。 「すまない。私は父としての責任を果たす」 かつての合理主義の塊だった元夫は、自らの過ちを深く悔い、家の権益を捨ててでも母子を守る「強固な盾」になろうとする。娘のクララもまた、危機から救ってくれた彼を「パパ」と呼び始めてしまい……。 だが、どんなに後悔されても、どんなに身を挺して守られても、一度完全に壊された関係が元に戻ることは絶対にない。エリシアが真の伴侶として選ぶのは、凍えた心を溶かし、温かい日常を共に歩んでくれたリュシアンただ一人だった。 これは、全てを奪われた一人の女性が母として力強く成長し誰にも脅かされることのない「本物の家族」と「静かで確かな幸福」を自分の手で選び取るまでの物語。

冷遇王妃はときめかない

あんど もあ
ファンタジー
幼いころから婚約していた彼と結婚して王妃になった私。 だが、陛下は側妃だけを溺愛し、私は白い結婚のまま離宮へ追いやられる…って何てラッキー! 国の事は陛下と側妃様に任せて、私はこのまま離宮で何の責任も無い楽な生活を!…と思っていたのに…。

白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?

夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」 教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。 ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。 王命による“形式結婚”。 夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。 だから、はい、離婚。勝手に。 白い結婚だったので、勝手に離婚しました。 何か問題あります?

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

貴族令嬢、転生十秒で家出します。目指せ、おひとり様スローライフ

ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞にて奨励賞を頂きました。ありがとうございます! 貴族令嬢に転生したリルは、前世の記憶に混乱しつつも今世で恵まれていない環境なことに気が付き、突発で家出してしまう。 前世の社畜生活で疲れていたため、山奥で魔法の才能を生かしスローライフを目指すことにした。しかししょっぱなから魔物に襲われ、元王宮魔法士と出会ったり、はては皇子までやってきてと、なんだかスローライフとは違う毎日で……?

公爵令嬢やめて15年、噂の森でスローライフしてたら最強になりました!〜レベルカンストなので冒険に出る準備、なんて思ったけどハプニングだらけ〜

咲月ねむと
ファンタジー
息苦しい貴族社会から逃げ出して15年。 元公爵令嬢の私、リーナは「魔物の森」の奥で、相棒のもふもふフェンリルと気ままなスローライフを満喫していた。 そんなある日、ひょんなことから自分のレベルがカンストしていることに気づいてしまう。 ​「せっかくだし、冒険に出てみようかしら?」 ​軽い気持ちで始めた“冒険の準備”は、しかし、初日からハプニングの連続! 金策のために採った薬草は、国宝級の秘薬で鑑定士が気絶。 街でチンピラに絡まれれば、無自覚な威圧で撃退し、 初仕事では天災級の魔法でギルドの備品を物理的に破壊! 気づけばいきなり最高ランクの「Sランク冒険者」に認定され、 ボロボロの城壁を「日曜大工のノリ」で修理したら、神々しすぎる城塞が爆誕してしまった。 ​本人はいたって平和に、堅実に、お金を稼ぎたいだけなのに、規格外の生活魔法は今日も今日とて大暴走! ついには帝国の精鋭部隊に追われる亡国の王子様まで保護してしまい、私の「冒険の準備」は、いつの間にか世界の運命を左右する壮大な旅へと変わってしまって……!? ​これは、最強の力を持ってしまったおっとり元令嬢が、その力に全く気づかないまま、周囲に勘違いと畏怖と伝説を振りまいていく、勘違いスローライフ・コメディ! 本人はいつでも、至って真面目にお掃除とお料理をしたいだけなんです。信じてください!

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません

きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」 「正直なところ、不安を感じている」 久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー 激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。 アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。 第2幕、連載開始しました! お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。 以下、1章のあらすじです。 アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。 表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。 常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。 それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。 サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。 しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。 盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。 アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。