転生少女、運の良さだけで生き抜きます!

足助右禄

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地球

逃亡

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ショウ君に銃弾は命中していた。
命中はしていたけど鎧に弾かれてしまった様だ。

「そんな豆鉄砲じゃ俺は殺せないぜ!」

ショウ君が拳銃を構えている警察のおじさんに斬り込んでいく。

今のショウ君は狂ってる。間違いなく殺す気だ。

私はパトカーを飛び越えて、おじさんの前に立ってショウ君の攻撃を受け止める。

「はっ!馬鹿だな!俺の目的は最初からアンタだけなんだよ!」

振り下ろしに来た剣を防ごうとしたらギリギリで攻撃を変えてきた。鋭い突きを放って来る!

何とか避けられるけど、今避けたら後ろにいる警察のおじさんに当たってしまう。

やれるか分からないけど仕方ない。

ショウ君の攻撃を小剣で弾く事にする。

技能があれば簡単に受け流せるだろうけど、自力でやるのは難しいかもしれない。剣先を小剣で絡める様にして受け流す。

上手くいったかと思ったけど、右肩に激痛が走る。

剣が肩を掠めていた。

「ぐはっ…!」

私の後ろにいたおじさんの右腕に突き刺さってしまった。

「技能もないのによくやるぜ。だが、これで終わりだ!」

剣をおじさんから引き抜こうとしたけど動きが止まる。
おじさんは左手でショウ君の剣を掴んでいた。

「なにしやがる…痛えじゃないか…」
「ちっ…タフなオヤジだな。面倒くせぇ…」

複数のサイレンがこちらに向かってきている。多分予め応援を呼んでいたのだろう。

そのサイレンに一瞬気を取られたショウ君。私はその隙を逃さなかった。

剣を握っている右腕を斬り付けると顎を蹴り上げる。

ゴッと鈍い音がしてショウ君は仰け反りながら倒れた。

やった…何とか勝てた…。

「大丈夫ですか!?」

若い警察官がおじさん警察官の所に駆け寄って来る。

「俺の事はいいから早く確保しろ」
「はい!」

ショウ君に手錠を掛け始める。

「君にも聞かなければならん事があるぞ。分かってるな?」
「ええと…正当防衛にはなりませんか?」
「君は日本国の法律に詳しくはないかも知れんが、まず君達の持っているものは駄目だ。銃砲刀剣類所持等取締法に違反している。わかるかね?」

おじさんはショウ君の剣を抜いて持っていたハンカチで傷口を押さえながら言っている。

あれ…?ひょっとして私、外国の人だと思われてる…?

「あー、ソード、ノー、フロムジャパン、オーケー?」

黙っていたらおじさんがよく分からない英語を喋り出した。
このまま警察のお世話になるわけにはいかない。

「ごめんなさい!」

私はその場から逃げることにした。

「待ちなさい!」と後ろから声が聞こえるけど、立ち止まるつもりはない。
住宅街を右へ左へと曲がりながらとにかく逃げる。

パトカーのサイレンが聞こえなくなる位まで逃げてきて一度物陰に身を隠す。

ここって私の知ってる日本だよね…?
私の事を外国人みたいに言っていたけど、何でだろう?

小剣を抜いて、刀身で自分の顔を見てみるけど、日本人ぽくないかな?
アウレリア様にキャラメイクしてもらった時にアスティアの人間みたいに作り替えたからかも知れない。

それはともかく、警察のお世話になったら身元を証明も出来ないし、外国人だと思われているなら尚更駄目だろう。
パスポートもビザも持っていないのだから。

さて、これからどうしようか。

みんなも同じ様にこちら側に飛ばされて来ているのなら、集合場所に向かうべきだろう。

ティナちゃんの呼びかけで、万が一地球に飛ばされた時の集合場所を決めていた。
未来予知ってホントにスゴい。

まずここが何処かを知らないといけない。少なくとも私の知っている所ではないので、大きな道路に出て道路の標識を見てみよう。

丁度正面、かなり向こうに煌々と照らされている高架道路が見える。あの道でここが何処なのか調べてみよう。

この辺りは田んぼや畑が多い。結構な田舎なのかと思ったら建物もそれなりにある。歩道をゆっくり歩いていたら赤い回転灯の車が走ってきた。

今って夜だし、見つかったら補導…いや、さっきの事があるし逮捕されちゃうかも。

歩道を歩くのは止めた方が良さそう。

隠れてパトカーをやり過ごして小走りに移動する。
小走りといってもかなりの速度で走れる。身体が軽いというか、自然に速度が出るというか…。

どういう事かは分からないけど息も切れないし楽でいい。

大きな高架道路の手前に青い大きな看板を見つけたのでここが何処なのか確認しよう。

うん…知らない地名ばかりだよ。

ため息を付いて考えていると近くにコンビニがあるのに気付いた。
あそこで聞いてみようかな。

お店に入ると暇そうにしていた20歳位のバイトのお兄さんが私を見て驚いた顔をしていた。

あ…格好がマズかったかな。

「君…今はハロウィンじゃないよ」
「へ?」

仮装だと思われてるんだね。

自分の服装を改めて見ると、肩や腕から出血して服に血が滲んでいた。

あー確かにこれはハロウィンの仮装みたいだ。

「これは本物の血なので、仮装じゃないんです。ええと、ここって何処だか教えてもらえませんか?」

お兄さんは返事をしてくれない。

「いや、本物の血だったら手当てしないと!こっちに来て!」

カウンターから出てきて私の手を取るとカウンター裏の事務所に連れて行かれる。

「何があったの?事故?お父さんかお母さんは?」

近くにあったタオルを傷口に当てながら聞いてくる。
強く押さえられたから痛いかと思ったらそうでもない。
不思議に思って襟をめくって肩を見てみたら、既に傷口が塞がり始めていた。

「すぐに救急車を呼ぶから、じっとしていて」

そう言って事務所の固定電話の受話器を取るお兄さん。

「あ!待ってください!救急車は呼ばないで…」

呼ばれても困る。折角お巡りさんから逃げてきたのだ。病院に連れて行かれたら意味がない。

「何…?訳あり?」
「はい…今は治療よりも行かなくちゃいけない所があるんです」

お兄さんは受話器を置いて暫く考え込んでいる。
やっぱりここから出た方が良さそう。

「分かった。これを着て行きな。それからこれ、その様子じゃ何も持っていないだろ?」

お兄さんはロッカーから黒いパーカーを出して渡してくれた。それからお金まで…。

「そんな…悪いです」
「いいよ。その代わり、問題が解決したら返しにきてね」

そう言って笑顔を作っているお兄さん。

「ありがとうございます。私はミナって言います。必ずお返しに来ますので」
「みなちゃんね。俺は矢島慎吾。大体夜はここでバイトしてるから」

見ず知らずの私に親切にしてくれるお兄さん。
必ず返しに来ます。
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