転生少女、運の良さだけで生き抜きます!

足助右禄

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竜人族の島

思惑

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次の日の夜までは特にやる事もなく屋敷の中でのんびりしたり、交代で家に帰ったりして時間を過ごした。

そして夜。

夕食を終えていよいよ屋敷の大広間で会談が行われる。

席に着いているのはメルドガルビルさんとグルーンハウトさんと町長と言われるガルビル氏の竜人族ドラゴニュート。帝国側はレアさんと文官の人達が。そして何故か私も座らされている。

私は護衛役なんだけど。

「我々は交渉ごとが苦手でな、率直に貴国の目的を伺おうか。」

メルドガルビルさんは穏やかに喋り始める。

「はい。私達はこちらで採れるアダマンタイトを求めます。」
「そちらは何を提供できるのかね?」
「人的資源と魔工学技術以外ならある程度は皇帝陛下から裁量権をいただいています。」
「分かった。それではアダマンタイトの取引は金でやり取りをしようではないか。それで如何かな?」
「ありがとうございます。」
「それでは具体的な取引について話して参りましょう……」

スムーズに話が進んでいて安心する。

それで、私はなんでここに座ってるんだろう?

ーーーー

「次の話をさせていただこう。」

取引内容がまとまって会談は終わりかと思ったらメルドガルビルさんの方から話を切り出した。

なんだろう?

「このエジダイハンという国は6の氏族が取りまとめているのは知っておりますな?我らはその中でも1番勢力の弱いガルビルである。」

メルドガルビルさんはエジダイハンの構成について話し始めた。

最大勢力はハウト氏。個体数は少ないものの圧倒的な戦闘力と統治能力で勢力を拡大して他の5氏族を従えている。
その他4氏族もハウト氏に従いエジダイハンを構成しているということを説明してくれた。

4氏族?ガルビル氏は従っていないの…?

「知っての通り竜人族ドラゴニュートは人間を劣等種として見ており、隷属化は当然の様に行い食料にすらしている。」

…ここのご飯に使われていたりしないよね?

「安心せい。我らガルビルは人間を食ったりはせん。この町では禁止しておるのだ。」

私の方を見て言うメルドガルビルさん。
顔に出てたかな?

「このエジダイハンには人間の勢力もあるのは知っているかな?」
「はい。」
「私はその勢力に加担している。」

え?メルドガルビルさんが人間の勢力に加担?

「それは何故……?」

レアさんも驚いている。文官の人達も書く手を止めてメルドガルビルさんを見ていた。

「エジダイハンは今のままでは滅亡する。」
「滅亡ですか。」
「人間を食料にしている時点でこの未来は確定だ。」

メルドガルビルさんは話を続ける。

そもそもエジダイハンの竜人族ドラゴニュートは人間を隷属する事はあっても食料にする事はなかったらしい。

彼らは基本的に肉しか食べる事はないらしく、狩猟によって食糧を得ていた。
竜人族ドラゴニュートは増え続け、狩猟による食料確保はギリギリだったらしく、ある年天変地異が相次ぎ山の獣が激減、たちまち食糧難に陥って人間を食料にし始めた。

過去の世界の竜人族ドラゴニュート達とは経緯が違うみたいだね。

「我らは竜人族ドラゴニュートが人間よりも劣っているとは思えんが、勝てないものもある。魔力と知恵だ。」

メルドガルビルさんは、高い魔力と知力をもつ人間と半竜人族ドラゴンハーフとは共生していかなくては未来はないと語る。

「共生、隷属ではなく対等に生きていくという事ですか?」

レアさんがメルドガルビルさんに聞く。

「そうだ。」
「今も尚、他国から人間を買い付けてまで隷属しているあなた達に本当にそれができるでしょうか?」

レアさんの口調は冷たく厳しいものだった。一呼吸置いてからメルドガルビルさんが話し出す。

「この町におる者は皆、奴隷紋を使っておらん。首輪を外せば自由の身だ。実際外して逃げ出す者も跡を立たない。他国から連れて来ているのは、それがハウトの命令だからだ。途中でかなりの数を減らしてしまうがね。」

だから脱走しても追わないんだ。

リアードから連れてきた奴隷達も、全員を届けずにどこかで人間の勢力に引き渡して戦力補強をしていたらしい。

「無論、今のままでは共生など不可能。よって我らは6氏族体勢から脱却し、エジダイハンを作り変えるつもりだ。」

つまりは反乱を起こすと言う事だね。

「ここからは相談だ、ミナ殿。」

あー…それで私はここに座らされていたんだ。

「我らに力を貸してはもらえんか?」

真っ直ぐこちらを見ながら聞いてくるメルドガルビルさん。全員が私を見ていた。

「私はレア皇女の護衛でここにいます。任務を放棄する事は出来ません。」

会談は終わったし《テレポート》で送り返せば任務完了なんだけど。

「ふむ……確かに。」
「少しミナさん達と話をさせていただけませんか?」
「勿論だ。ただし屋敷からは出ないでくだされ。」

レアさんの提案を了承してくれるメルドガルビルさん。

私達は別室に移動した。

「ミナさんはエジダイハンについてどう思いますか?」
「私はメルドガルビルさんの言う事は良い事だと思います。ここで虐げられている人達も出来れば助けられればと。」

レアさんに聞かれて素直に答える。

「それならば協力してみるのはどうでしょうか?勿論私も手伝います。」
「報酬を貰えば立派な依頼だ。仕事の達成後なら受けても問題は無いね。」

ウェスターさんが補足してくれる。

「私も賛成よ。どうやらメルドガルビルはもう動き始めているみたい。これが失敗したらここの人達も手を結んでいる人間の勢力も壊滅するわ。」

リオさん達は私達が町の様子を見に行っている間に色々調べてくれていたんだね。

全員メルドガルビルさんの要請に応じると言う事で一致した。

大広間に戻り、私達の答えを話すとメルドガルビルさんは目を細めて喜んでいた。

「本当に助かる。報酬は何を用意すれば良いだろうか?」
「私達もアダマンタイトでいいですよ。」

色々調べてみたいし。合金にしたらもっと良いものが作れそう。

「私も協力させてもらいます。食糧事情の改善や戦闘の際に知恵を貸す事ができると思いますので。」

レアさんが食糧難に対して提案したのは畜産だ。本国でもやってきた事なので成功させられると言う。

私達はこの国を救う為の依頼を受けることにした。
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