転生少女、運の良さだけで生き抜きます!

足助右禄

文字の大きさ
276 / 828
ディルロード帝国

転生者のこれから

しおりを挟む
「皆さんおかえりなさい。…どうでしたか?」

屋敷からユイさんとマイケルさんもやって来た。声を掛けてきたのはユイさん。両肩には小さくなったリルさんとミーちゃんが乗っている。

「皆さんの事で話しておかなければならない事があります。」

私は皇帝陛下と話した内容を3人と2匹に伝えた。

「やはりそうですか。いや、これは我々にとっては良かったかも知れません。」

マイケルさんはこうなる事を予想していたみたい。

「後悔はありませんか?」
「ないと言えば嘘になるけど、帝国で戦争を続けるよりは良かったかと思います。」
「それでその…私達はどうなってしまうのでしょう?」

不安そうにユイさんが聞いてくる。

「そうね…残念だけど奴隷として売り払う事になるわ。素敵なご主人様に買ってもらえる事を祈っているわね。」
「やっぱり…うぅ…」

その場にへたり込んでしまうユイさん。

「ちょっとリオさん!」
「冗談よ。あなた達はもう自由だから好きにしていいわ。」
「ふぇ…?冗談…?」
「冗談でもそう言う事をいったらダメです!」

涙目になりながらユイさんはリオさんを見上げている。

「ユイさんごめんなさい。もう帝国には戻れません。何かお手伝い出来ることがあれば言ってください。」
「ごめんなさいね。あなたを見てるとつい苛めたくなっちゃって。ミナの言う通り私達はあなた達帝国の転生者を保護するわ。」

リオさんが手を差し出すと恐る恐るその手を取って立ち上がるユイさん。

「小娘…ユイで遊ぶでない。」
「ユイちゃんを苛めないでよ。」

両肩のリルさんとミーちゃんが抗議の声を上げる。

「ゴメン。つい、ね。」
「気持ちは分かるがユイは我らの家族だ。苛めていいのは私たちだけだ。」
「そうなのよ。」
「何でそうなるの~。」

リルさんとミーちゃんは冗談の通じる子の様だ。

まあ、それはいいとしてこれからどうしたいのかを聞いておかないと。

「まだ気持ちの整理がつかなくて…どうしたらいいのでしょう?」
「焦らなくてもいいですよ。落ち着くまでここにいてもらっていいですし、外に出たければ好きな所にお連れします。」
「ありがとうございますミナさん。」

涙目のままお礼を言ってくるユイさん。

…なんだろう、小動物的な可愛さを感じる。見た目は歳上だけど頭を撫でてあげたくなるような。

「私とユウキは暫くここにいようと思うのですがよろしいですか?」

マイケルさんはユウキちゃんの事を心配している。

「勿論です。必要なものがあったらアウラさんに言ってください。」
「ありがとう。」

マイケルさんはお礼を言いながら頭を下げてくる。ユウキちゃんはマイケルさんに抱きつきながらマイケルさんを見上げていた。

親子みたいだね。

「一つだけ言っておきたいことがある。」

話を切り出したのはリルさん。

「ミナに助けられた時に私は変質してしまったらしい。眷属とまではいかぬが私はミナと敵対する事はできない様だ。」
「私もなのよ。」

《アドラステア》の能力でエリトラシス様の力を打ち払ったり、壊れ掛けた魂を修復したからだろう。

「ええと、どこかおかしな所はありませんか?」
「何の問題もない。」

それなら良かった。

「私も質問、いい?」
「はい。ソラちゃん、ですよね?」
「ん、ミーちゃんの本名はミーちゃん?」
「ミドガルズオルムだからミーちゃんですよ。」
「なるほど。」

ヨルムンガンドのミドガルズオルムさん…?名前が長いからミーちゃんなのかな。

「ええと、私は皆さんと暫く一緒に行動させてもらえないでしょうか?どんな事をされているのか興味があって…」
「いいですよ。」

隠す様な事もないし問題ないよね。

次に私達は初めに収監した4人の所へ。

「……と言う事ですので、皆さんには暫くここにいてもらいます。」
「そこは『もう自由です』じゃないのかよ?」

不満そうなショウ君。

「あなた達は危険だからもう少し様子を見るわ。」
「俺達のどこが危険なんだよ?」

リュウさんが聞いてくる。

「迷わず弱っているミナを捕らえようとしたじゃない。」
「それを言うなら他の転生者とも戦ったんじゃないか?」

マサムネさんが抗議してくる。

「裁量権はこちらにあるのよ。私達が危険だと判断したらどうしようとこちらの勝手だわ。」

リオさんは聞く気はないみたい。暫くこの4人の様子を見て、敵対の意思が無いと判断したら解放すると言っていた。

「私はそれで構わないわ。敵対行動をとったのは事実だし、ここは安全だからね。大人しくしていれば開放してくれるんでしょ?」

ジュンさんは嫌では無いみたい。

「そうよ。あと念の為リヴェルティアに何かされていないか調べさせてもらうわ。」
「リヴェルティアってレアを転生させた神様だろ?」

私はリヴェルティア様が良からぬ事を企んでいると4人に説明する。

「…分かった。俺達もこの世界で生きていたいからな。できる事は協力する。」

マサムネさんは了解してくれた。

ショウ君とリュウさんは不満そうだけど何も言わなかった。

「ではアウラさんに協力してください。皆さんを検査しますので。」

暫くはこの階層で大人しくしていてもらおう。

そういえばルーティアさん達が捕えたシンゴさんという人もいたね。その人もアウラさんに調べてもらって機を見て開放しようと思ったんだけど、なかなか好戦的な人みたいで言うことを聞いてくれないらしい。
リオさんに言われて私が話をする事になった。

「……はい。申し訳ありませんでした。」
「ええと、それでは私達の言う通りにしてくれるんですね?」
「はい。勿論です。二度と敵対いたしません。」

階層にやって来たら直ぐに魔法で攻撃してきたので《アドラステア》の《ヴェンデッタ》で跳ね返して制圧。その後もまだ抵抗するのでアウラさんに階層の設定をリスポーン有りに設定してもらって、20回ほど大出力魔法で攻撃したらようやく大人しくなってくれた。

「手動お仕置き部屋。」

ソラちゃんはそう言うけど《シャイターン》にやらせたらユウキちゃんみたいになっちゃうかもだから仕方ないよ。

「ミナさん過激…、」
「敵対できなくて良かったかもしれん。」
「えげつないのよ。」

ユイさん達まで引いている。
印象悪かったかな…。

ーーーー

次はアブレスの人達だ。そろそろ国に戻してあげないと。

先にアブレスに行って町とお城を修復しておいた。

「ミナ殿、本当に助かった。それから暴動を諫めることができず申し訳ない。彼らのことをどうか許してほしい。」
「もう済んだことです。1日も早く復興できることを祈っています。」

レイロン殿下と話をして全員をアブレスに帰した。

暫くは竜達を警備につけて、食料もかなりの量を渡しておく。何かあれば私と連絡が取れる様にビジョンリングも渡しておいた。

冒険者の人達は死んだ事になっているのでもうアブレスには戻れないし、冒険者としてやっていく事もできないかもしれない。
レギウスさんに相談したら「リリエンタあたりで冒険者として活動するなら知られる事はあるまい」と助言をしてくれたので、ラギンさんにそれを伝えたら「是非お願いしたい」と言われた。

彼らの暮らす場所を提供できて良かったと思う。
しおりを挟む
感想 1,520

あなたにおすすめの小説

五年後、元夫の後悔が遅すぎる。~娘が「パパ」と呼びそうで困ってます~

放浪人
恋愛
「君との婚姻は無効だ。実家へ帰るがいい」 大聖堂の冷たい石畳の上で、辺境伯ロルフから突然「婚姻は最初から無かった」と宣告された子爵家次女のエリシア。実家にも見放され、身重の体で王都の旧市街へ追放された彼女は、絶望のどん底で愛娘クララを出産する。 生き抜くために針と糸を握ったエリシアは、持ち前の技術で不思議な力を持つ「祝布(しゅくふ)」を織り上げる職人として立ち上がる。施しではなく「仕事」として正当な対価を払い、決して土足で踏み込んでこない救恤院の監督官リュシアンの温かい優しさに触れエリシアは少しずつ人間らしい心と笑顔を取り戻していった。 しかし五年後。辺境を襲った疫病を救うための緊急要請を通じ、エリシアは冷酷だった元夫ロルフと再会してしまう。しかも隣にいる娘の青い瞳は彼と瓜二つだった。 「すまない。私は父としての責任を果たす」 かつての合理主義の塊だった元夫は、自らの過ちを深く悔い、家の権益を捨ててでも母子を守る「強固な盾」になろうとする。娘のクララもまた、危機から救ってくれた彼を「パパ」と呼び始めてしまい……。 だが、どんなに後悔されても、どんなに身を挺して守られても、一度完全に壊された関係が元に戻ることは絶対にない。エリシアが真の伴侶として選ぶのは、凍えた心を溶かし、温かい日常を共に歩んでくれたリュシアンただ一人だった。 これは、全てを奪われた一人の女性が母として力強く成長し誰にも脅かされることのない「本物の家族」と「静かで確かな幸福」を自分の手で選び取るまでの物語。

冷遇王妃はときめかない

あんど もあ
ファンタジー
幼いころから婚約していた彼と結婚して王妃になった私。 だが、陛下は側妃だけを溺愛し、私は白い結婚のまま離宮へ追いやられる…って何てラッキー! 国の事は陛下と側妃様に任せて、私はこのまま離宮で何の責任も無い楽な生活を!…と思っていたのに…。

白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?

夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」 教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。 ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。 王命による“形式結婚”。 夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。 だから、はい、離婚。勝手に。 白い結婚だったので、勝手に離婚しました。 何か問題あります?

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

貴族令嬢、転生十秒で家出します。目指せ、おひとり様スローライフ

ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞にて奨励賞を頂きました。ありがとうございます! 貴族令嬢に転生したリルは、前世の記憶に混乱しつつも今世で恵まれていない環境なことに気が付き、突発で家出してしまう。 前世の社畜生活で疲れていたため、山奥で魔法の才能を生かしスローライフを目指すことにした。しかししょっぱなから魔物に襲われ、元王宮魔法士と出会ったり、はては皇子までやってきてと、なんだかスローライフとは違う毎日で……?

公爵令嬢やめて15年、噂の森でスローライフしてたら最強になりました!〜レベルカンストなので冒険に出る準備、なんて思ったけどハプニングだらけ〜

咲月ねむと
ファンタジー
息苦しい貴族社会から逃げ出して15年。 元公爵令嬢の私、リーナは「魔物の森」の奥で、相棒のもふもふフェンリルと気ままなスローライフを満喫していた。 そんなある日、ひょんなことから自分のレベルがカンストしていることに気づいてしまう。 ​「せっかくだし、冒険に出てみようかしら?」 ​軽い気持ちで始めた“冒険の準備”は、しかし、初日からハプニングの連続! 金策のために採った薬草は、国宝級の秘薬で鑑定士が気絶。 街でチンピラに絡まれれば、無自覚な威圧で撃退し、 初仕事では天災級の魔法でギルドの備品を物理的に破壊! 気づけばいきなり最高ランクの「Sランク冒険者」に認定され、 ボロボロの城壁を「日曜大工のノリ」で修理したら、神々しすぎる城塞が爆誕してしまった。 ​本人はいたって平和に、堅実に、お金を稼ぎたいだけなのに、規格外の生活魔法は今日も今日とて大暴走! ついには帝国の精鋭部隊に追われる亡国の王子様まで保護してしまい、私の「冒険の準備」は、いつの間にか世界の運命を左右する壮大な旅へと変わってしまって……!? ​これは、最強の力を持ってしまったおっとり元令嬢が、その力に全く気づかないまま、周囲に勘違いと畏怖と伝説を振りまいていく、勘違いスローライフ・コメディ! 本人はいつでも、至って真面目にお掃除とお料理をしたいだけなんです。信じてください!

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません

きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」 「正直なところ、不安を感じている」 久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー 激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。 アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。 第2幕、連載開始しました! お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。 以下、1章のあらすじです。 アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。 表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。 常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。 それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。 サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。 しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。 盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。 アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。