転生少女、運の良さだけで生き抜きます!

足助右禄

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2種族の栄華

過去の世界

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「そろそろアスティアに戻りますか?」
「はい。色々ありがとうございました。」

アウレリア様にお別れをして地上に帰る事にする。

「それでは、ミナの人生に幸あらん事を。」

アウレリア様がそういうと気が遠くなって意識を失った。

ーーーー

ゴトゴトと耳障りな音が聞こえる。
何かに乗せられて運ばれているみたい。
ゆっくりと目を開けると、閉め切られた幌馬車の中だった。真ん中に寝かされていた。

「この子、目を覚ましたよ。」
「大丈夫?ずっと目を覚さなかったけど。」

私を心配そうに覗き込んでいるのは10歳位の女の子と14~5歳の男の子。2人とも麻袋に穴を開けて作った様なボロボロの服を着ていた。

「ん…ここは?」
「車の中だよ。」

馬車の中なのは分かるんだけど、どの辺りにいるんだろう?近くの町とを教えて欲しいんだけど、この子達に聞いても分からないかな。

周りを見渡すと、向かい合わせに子供達が座らされていた。全員足枷が付いている。みんな同じ服装。私もだ。

まさか人攫い?私も巻き込まれた?

「君達は?」
「…君と同じだよ。」
「ええと、私と同じって…」

男の子はそういうけど、そう言われても分からない。周りの子はみんな表情は暗く何も話そうとしない。

「やっぱりあの時頭を打って…」
「君はアイツらに殴られて気を失っていたんだよ。」

アイツらって誰?

首を傾げていると女の子が説明してくれる。

竜人族ドラゴニュートに殴られたんだよ。ずっと目を覚さなかったからもうダメだと思っていたけど。」
竜人族ドラゴニュート?」
「ダメだ。やっぱり頭を打ったから…。」

可哀想な目で私を見る少年。
ダメだ。状況が全く分からない。

私と頭を突き合わせる様にして寝かされている子がいる事に気付く。振り返ってその子を見ると、頭を包帯でぐるぐる巻きにされて、その包帯は血が滲んでいた。

「この子はもう助からないよ。」
「君と一緒にアイツらに殴られたんだ。こっちの子の方が随分酷くやられたから…」

私と一緒に殴られた?
ひょっとしたらこの子なら何か分かるかも知れない。

鑑定で様子を見る。

名前 リィン 性別 女
種族 人間  年齢 14歳 
職業 奴隷  レベル 1
状態 瀕死

生命力 1/12

このままじゃ死んじゃう。

「《キュア》。」

リィンさんに手をかざして回復魔法を唱える。

「君は魔法を使えるの…?」
「はい。」

少年に聞かれたけどリィンさんを注視しながら返事をする。

とりあえず回復はしたけどまた少しずつ生命力が減っている。レベル1だと生命力はこんなものか。

「《レヴィタリゼーション》!」

最上級持続回復魔法を掛けておく。これでしばらくは大丈夫なはず。

「すごい…」
「なんで魔法使いがこんな…」

こんな?

「みんなはなんでそんな格好で足枷まで着けられているの?」
「僕達は奴隷だよ。竜人族ドラゴニュートの。今からどうなるのかはそいつらに決められる。」

何も言わずに隅に座っていた少年が言った。

うん…何となく分かってた。

自分がどういう状況に置かれているかは分かったけど、何でこんな事になっているかは理解できない。みんなはどうしちゃったの?

そうだ!アウラさん!

[ミナ、貴女は何者かの策略で過去の世界に飛ばされてしまったみたいです。]

過去の世界?そんな事ができるのって…

[介入の痕跡があります。間違いなく神でしょう。該当するのは2神。運命を司る神アーリアーデと時を司る神ディルヴェです。]

じゃあそのどちらかの介入で私はここにいるって事?

[断定は出来ませんがそうだと推測します。]

アウラさん、ここが何処か分かりますか?

[情報が不十分です。特定はできません。]

私のこの状況って、この時代の誰かに成り代わってしまったとかそういうのじゃない?

[その可能性はあります。その場合元の人物がどうなったのかは不明です。]

何にせよ情報不足か…。とにかく情報を集めないと。

「さっきから黙り込んでどうしたの?まだ何処か痛むの?」

女の子が心配そうに聞いてくる。
そういえば自分の回復はまだだったけと大丈夫かな?
鑑定でステータスを確認したけど生命力の減少は無い。ステータスにおかしな所は無いみたい。

「うん、平気だよ。ありがとう。」
「君名前は?」

女の子に返事をしたら少年が聞いてきた。

「私はミナ。みんなは?」
「オレ達は奴隷だから名前なんて無意味だ。」

隅の少年が言ってくる。

「オレはソーン、コイツはサナ。あのいじけてる奴はロイだ。」
「俺はいじけてるんじゃ無い!」
「宜しくね。」

話していたら馬車が止まった。

「着いたぞ、全員降りろ。」

言われるまま降りる。

「何だお前、生きていたのか。」

外に出て初めに見たのは人型の竜?リザードマン?

[それが竜人族ドラゴニュートです。]

身長は私の倍以上、3メートル以上はある。腕なんて私の腰よりも太い。

周りを見渡すと何処かの村の様だった。
建物は竜人族ドラゴニュートのサイズに合わせて作られているためすごく大きい。
あちこちに竜人族ドラゴニュートの姿が見える。
荷物を運んだり、労働しているのはボロボロな服を着た人間だった。
力尽き倒れた人間を木の棒で打ち据えている竜人族ドラゴニュートもいる。

「ほお?なかなか活きの良さそうなのもいるじゃねぇか。」
「や、やめて!」

首を掴まれて吊るされたのはサナちゃん。首が締まってる!

「やめてください!死んじゃいます!」
「ああ?問題ねぇよ。近くの村を襲えば幾らでも手に入る。お前も中々良さそうだな?」

ギロリと私を見下ろす竜人族ドラゴニュート

竜人族ドラゴニュートは他種族を劣等種として見ています。劣等種は奴隷または食用にする事があります。]

食用!?まさかここに連れて来られた子達は…

「ははは!もっと鳴け!」
「やめてくれ!サナを離せ!」

竜人族ドラゴニュートの足に掴みかかるソーンさん。

「煩いぞ、ガキが!」

蹴飛ばされて地面に転がってしまう。

「なんだ?もう遊んでいるのか?俺達も混ぜろよ?」

他の竜人が集まってきた。この人達は子供達をオモチャくらいにしか思ってない。

倒そう。この子達を助けるんだ。

「《イースイクアリィブリアム》!」

サナちゃんを吊し上げていた竜人に幻覚魔法を掛けて倒す。手放され落ちてくるサナちゃんを滑り込みながら受け止める。

「このガキ!魔法を使うぞ!」

さて、これでここにいる竜人全てと戦う事になっちゃうだろう。みんなを護りながら倒せるかな。
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