転生少女、運の良さだけで生き抜きます!

足助右禄

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神様の人形

地上に降りた神

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「それで、騎士はあと2体残っていたと思ったが。」

サチさんがエンゲーラ様に聞く。
オゾーリオとオルファントの事だ。彼らは撤退したので健在の筈だ。

「片腕を失った奴と装備を失った奴か。あんな不良品は処分した。」
「人の作ったものを勝手に処分するなよ。」
「ふん。元は俺の駒だろう。俺がどうしようが勝手だ。」
「横暴な神だ。」
「そうだ。俺は神だ。地上のお前達に逆らう権利はないのだ!」

矛盾だらけで言動もおかしい。これ以上話しても無駄かな。神様と戦ってもいいのかは分からないけど、アウレリア様なら許してくれるかもしれない。
何よりこの神様の言っている事には納得できない!
殺しに来るなら戦うしかない!

「さあ、くだらない話はここまでだ。死んでもらうぞ、転生者共。」
「そう言われてはいそうですかって言える訳ないでしょ。返り討ちにしてやるわよ!」
「そう言う事だ。お前を倒して正体を暴いてやる。覚悟しとけ。」

リオさんとマサキさんがエンゲーラ様に言い返す。

巨大な鎧が玉座から立ち上がる。
騎士王エイブラムス。
6~7メートルはあるだろう全身鎧は玉座の横に備えてあった長大な剣を両手に持ち構える。

サイズは大きくなったけど騎士達と同じなら大した相手ではない。

「全員散開して距離をとれ!死角から攻撃するんだ。攻撃範囲が広い、注意しろ!」

ルーティアさんの指示で全員が互いに距離をとって戦闘を開始する。私は後方に下がって攻撃をするメンバーにピンポイントでオーバーブーストを付与する事に専念する。

「《豪炎刃》!」
『猛き炎の大精霊よ、我が敵を飲み込み焼き尽くせ!《デトネートフレア》!』
「《マナエクスジベイト》、《エクスカリバー》!」
「《マナエクスジベイト》、《ブレンサンダー》!」

エルさんの術、ルーティアさん精霊魔法、リオさんとネネさんの魔法が次々と命中していく。
私は魔法攻撃に合わせてオーバーブーストを均等に付与していく。

エイブラムスは剣をクロスさせて防御の姿勢をとって耐えていた。

続いてクロウさん、ダキアさん、アリソンさん、ミルドさんが斬り込む。
攻撃に合わせてオーバーブーストを付与する事に集中だ。

本来なら一撃で騎士が倒せる程のダメージを与えている筈なのに傷一つ負っていない。
エイブラムスが動いた!

「攻撃が来ます!」

ユキさんが前に出て全員が後方に下がる。

「転生者ユキか。死ね!」

両手の剣を振り下ろす。私はオーバーブーストをユキさんに防御付与する。

ユキさんはグラトニーシールドを構えて受け止める。
凄まじい轟音と共にユキさんが弾き飛ばされた!

「ユキ!」

ソラちゃんが飛ばされてくるユキさんを受け止める。

「凄まじい圧力です…。」
「ユキ、血が…」

ユキさんの右腕から血が流れ落ちる。
ユキさんがダメージを負う程の一撃を放ったの…?

「全員、絶対に攻撃を喰らうな!オーバーブーストを防御に付与されていても死ぬぞ!」

ルーティアさんの言葉に全員が警戒を強める。
相手のステータスを調べようと鑑定を使ってみたけど見ることが出来なかった。

今までにない強敵、オーバーブーストで互角にもならないなんて…勝てないかもしれない。

[負けを認めるにはまだ早いです。ミナの絶対的な能力があるから全員心が折れる事なく戦えています。あなたが負けを認めてしまったらここにいる全員が死ぬ事になります。]

ヘルプさん?
ヘルプさんまでいつもと様子が違う。
でも言っていることは間違っていない。

[オーバーブーストをはじめとするギフト全般が効いていないと推測します。]

そんな事って有り得るの?

[人が神と戦った前例がありません。可能性は十分に有ります。]

他に私達の攻撃が効かない理由で、考えられる可能性はあるかな?

[オリハルコン製の武器が攻撃を阻害している可能性があります。オリハルコンは神が地上にもたらした金属です。神界由来のものが効かないとするならばギフト同様効かないかも知れません。]

現状全員にオリハルコン製武器を渡してしまっている。ここでドロップした武器についてもオリハルコンで強化してしまっているから効かないのかもしれない。

いや、有るよ!

「ダキアさん!この武器に替えてください!」
「ミナ、そいつは…」

インベントリから出したのはグリードの能力で2つに増えたヴァハトラーミナ。こちらはまだオリハルコンで強化していない。

「何だか知らんが分かった!」

ダキアさんは無改造のヴァハトラーミナを受け取るとエイブラムスに斬り込んだ。
渾身の一撃が鎧の左脚に命中すると巨体が大きく揺らぐ。

効いてる!

オリハルコン以外の装備で戦うとなると、ドロップの武装は無いしミスリルじゃ攻撃力が足らない。
あと残る選択肢は2つ。
竜王の牙を加工して使うかグランフィリーズを試してみるか。

攻撃に集中していたダキアさんはエイブラムスの左の剣の振り降ろしを避けられない!剣を構えて受けに入っている!

オーバーブーストをダキアさんの敏捷に付与!

「ダキアさん避けて!!」

私の声に反応して何とかギリギリで攻撃を避けてくれた。

攻撃や防御に使わなければオーバーブーストはまだ使える!

「回避の時にオーバーブーストを敏捷に付与します!立ち止まらず諦めずに回避に専念してください!」

エイブラムスの攻撃を注視しつつインベントリ内で火竜王の牙を剣にする。グランフィリーズは剣と矢尻を作成してオリハルコンの矢尻と交換した。

「マサキさん、クロウさん!この剣を試してください!」

マサキさんにグランフィリーズから作った広刃の剣を、クロウさんには火竜王の牙で作った長剣を渡した。

「サンキュー!」
「分かった!」

マサキさんもクロウさんもしっかりダメージを与えている。それならと竜王の牙で作った武器をグランフィリーズで強化してそれぞれに合わせた武器を作っていく。

「小癪な!」

エイブラムスは私に向かって突進して来た。

武器の供給元でありオーバーブーストの付与者の私を叩けばエイブラムスはこれ以上不利になる事はない。ラッキーシュートを付与してオーバードスピードで回避する。

エイブラムスは私を片手の剣で攻撃しながら他のメンバーにも、もう片方の剣で攻撃を加えている。

自分への攻撃を回避しながら味方にオーバーブーストを敏捷に付与しつつインベントリでは武器の作成。

勝つ為にはやるしかない。
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