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神様の人形
城内突入
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金属についてみんなに説明するとリオさんとサチさんが話し始める。
「それはオリハルコンと同等の金属だ。異世界の素材だがな。」
「これをどうやって?」
「分からない。エンゲーラに渡された。素材のお陰で兵士達にリソースは殆ど使わなくて済んでいる。」
「よく分からないわね。それなら騎士を量産すれば良いのに。」
「この階層では大規模戦闘を予定していた。少数で攻略できない様にしていたんだ。」
なるほど。少数で突入して来たらクリア不可能でやり直し。大人数で攻略するには一層目の準備が大変だし、食料とかの補給も大変になる。結果的にもっと攻略が難しくなっていく。
よく考えられているなぁ。
「全員怪我はないな。城に入るぞ!」
ユキさんがシールドチャージで入り口を破壊して全員で城に突入した。
城内も4メートルの巨人みたいな騎士が動きやすい様に全てが大きかった。一階のフロアには特に何も無く、奥に続く通路があった。そこには兵士が何十体と待ち構えている。でも騎士でないのなら敵ではない。
全員にオーバーブーストを均等付与して蹴散らしていく。サチさんの制御下にある兵士も攻撃に参加してくれている。
サチさん自身は更に制御下の兵士を増やしている。
「大規模魔法は城の倒壊を引き起こしかねないから非常時以外は禁止だ。騎士は魔法を反射できる可能性がある事も忘れるな。」
ルーティアさんの言う通り、自身の放った魔法でダメージを受ける事になるのは避けたい。
大出力魔法は良く状況を見極めてから使おう。
奥に進むと螺旋階段が上に続いていた。
「なあサチ、エイブラムス王の12人の騎士って、オゾーリオにオルファント、カラールにズルフィカール、オプロートにアージュン、さっきの奴らがストリッツヴァグン、アリエテ、ルクレール、アルマータだったよな。」
「ああ、そうだな。」
「もしかしてあとの2体にヒトマルとかキューマルとか居ないよな?」
「マサキと言ったな。分かってしまったか。流石に日本製の名前は付けていないよ。あとの2体はラムセスとメルカバだ。」
「なかなかマニアックなネーミングセンスしてるな。」
「偶然だよ。昔作っていたゲームの設定に困って適当に名前を引っ張って来たのを流用しただけなんだ。」
何か元ネタのある話なんだろうけどソラちゃんもリオさんも知らないみたい。
「サチさんゲーム作る人だったんですか?」
「ああ、コンピーターゲームじゃないけど。紙とサイコロとペンを使って遊ぶゲームだよ。」
紙とサイコロとペンでゲーム…?スゴロクかな?
「まあ一件落着して話す機会があったら詳しく話すよ。」
サチさんは困惑する私を見て言った。
螺旋階段を駆け上がっていって、次の階層に着いた。そこには騎士が2体立っていた。
「これがラムセスとメルカバか。」
「そうだ。」
ラムセスが真っ白な鎧に長剣と逆三角形の盾。メルカバが大きめな鎧に大盾と長剣を持っていた。
「奴らも特別強い訳ではない。」
「強行突破だ。4人に任せる。」
「「「「はい!」」」」
私達4人に任された。
「速攻突破でいくわよ!ミナ!」
「はい!」
オーバーブーストをソラちゃんに掛ける。ソラちゃんは全力でメルカバに攻撃する。大盾を構えて受け止めようとするも盾ごとメルカバを真っ二つに斬り裂いた。続いてユキさんがライフストライクを仕掛ける。それに合わせてオーバーブーストを付与!
ラムセスはユキさんの攻撃を受けて粉々に吹き飛んだ。
「瞬殺かよ…。」
「先を急ぐぞ!」
唖然とするウェスターさん、ルーティアさんは全員に声をかけて更に奥へと進んでいく。
奥には更に螺旋階段。駆け上がった先には大きな扉。
ユキさんが扉を破壊して中に突入する。
そこは玉座の前だった。
「ようやくここまで来たか。」
玉座に座っていたのは一際大きな全身鎧。
「お前がエイブラムスか?」
「俺はエンゲーラだ。」
「本物の…神なのか?」
「その通りだ。俺はアスティアを守護する神エンゲーラだ。」
ルーティアさんとエンゲーラ…様が会話している。本物の神様なの…?
「エンゲーラ様…神様は地上に干渉が出来ないと聞いたのですが。」
「お前がミナか。俺はこの地上に実体を持つことで干渉出来る様になったのだ。もう手駒に頼る必要も無い。俺がこの手でお前を葬ってやる。」
「待ってください!私は何でエンゲーラ様に殺されなくちゃいけないんですか?」
「お前達転生者は俺達の人形。争うことができない俺達の替わりに戦い、誰が一番優れているかを決める為の駒だ。」
「そんな…。」
「何勝手な事を言ってんのよ!そんな事させられるなんて聞いてないわ!」
エンゲーラ様を睨み付けるリオさん。
アウレリア様もそのつもりで私を転生させたの?
前に会った時に思い詰めた表情をしていたのは、後で事実を知ったからだったとか…?
殺し合いをさせる為に呼ばれたのが事実なら…ユキさんともリオさんやソラちゃんとも戦わないといけないの…?
そんなの嫌だよ!
ユキさんとソラちゃんが私に寄り添ってくれる。
「私はミナさんの味方です。戦うなんてあり得ません。」
「ん。あの筋肉ダルマに言われても断固拒否する。」
筋肉ダルマって、ソラちゃんを転生させてくれたソルアード様の事だよね。
「エンゲーラ様だっけ?アンタの言ってる事、信じられないな。」
マサキさんが一歩前に出て言う。
「俺を転生させてくれた神様はそんな事を言っていなかったし、ネネと争わせる様な誘導もしてこなかった。ミナ達の神様だってそうだろ?もしそこの神様が言ったことが事実なら他の転生者を出し抜いて殺す様に仕向けるんじゃないか?」
「私が嘘を吐いていると言いたいのか?」
「そうだな。仮に俺達を利用しようとしているのが事実だとしても隠すのはおかしいだろ?あまりにも非合理的だ。事実を隠さないといけない理由があったとしてもおかしい。だったらアンタがその事実を俺達に告げる事自体が出来ない筈だろ?矛盾してるんだよ。そう考えるともう一つ疑問ができるな。」
「それは、なんだ?」
「お前が本物の神じゃない可能性だよ。」
「私の存在を否定するのか!?」
エンゲーラ様の様子がおかしい。マサキさんの言う事に過剰に反応している。少なくとも今まで会って来た神様達とは雰囲気も違う。
「おいおい、話をすり替えるなよ。俺はお前が神じゃないかもって言っただけだ。お前の存在を否定した訳じゃない。」
「同じ事だ!」
激しい怒りの感情を露わにしている。
何だろう、さっきから言動もおかしいし違和感がスゴい。
「それはオリハルコンと同等の金属だ。異世界の素材だがな。」
「これをどうやって?」
「分からない。エンゲーラに渡された。素材のお陰で兵士達にリソースは殆ど使わなくて済んでいる。」
「よく分からないわね。それなら騎士を量産すれば良いのに。」
「この階層では大規模戦闘を予定していた。少数で攻略できない様にしていたんだ。」
なるほど。少数で突入して来たらクリア不可能でやり直し。大人数で攻略するには一層目の準備が大変だし、食料とかの補給も大変になる。結果的にもっと攻略が難しくなっていく。
よく考えられているなぁ。
「全員怪我はないな。城に入るぞ!」
ユキさんがシールドチャージで入り口を破壊して全員で城に突入した。
城内も4メートルの巨人みたいな騎士が動きやすい様に全てが大きかった。一階のフロアには特に何も無く、奥に続く通路があった。そこには兵士が何十体と待ち構えている。でも騎士でないのなら敵ではない。
全員にオーバーブーストを均等付与して蹴散らしていく。サチさんの制御下にある兵士も攻撃に参加してくれている。
サチさん自身は更に制御下の兵士を増やしている。
「大規模魔法は城の倒壊を引き起こしかねないから非常時以外は禁止だ。騎士は魔法を反射できる可能性がある事も忘れるな。」
ルーティアさんの言う通り、自身の放った魔法でダメージを受ける事になるのは避けたい。
大出力魔法は良く状況を見極めてから使おう。
奥に進むと螺旋階段が上に続いていた。
「なあサチ、エイブラムス王の12人の騎士って、オゾーリオにオルファント、カラールにズルフィカール、オプロートにアージュン、さっきの奴らがストリッツヴァグン、アリエテ、ルクレール、アルマータだったよな。」
「ああ、そうだな。」
「もしかしてあとの2体にヒトマルとかキューマルとか居ないよな?」
「マサキと言ったな。分かってしまったか。流石に日本製の名前は付けていないよ。あとの2体はラムセスとメルカバだ。」
「なかなかマニアックなネーミングセンスしてるな。」
「偶然だよ。昔作っていたゲームの設定に困って適当に名前を引っ張って来たのを流用しただけなんだ。」
何か元ネタのある話なんだろうけどソラちゃんもリオさんも知らないみたい。
「サチさんゲーム作る人だったんですか?」
「ああ、コンピーターゲームじゃないけど。紙とサイコロとペンを使って遊ぶゲームだよ。」
紙とサイコロとペンでゲーム…?スゴロクかな?
「まあ一件落着して話す機会があったら詳しく話すよ。」
サチさんは困惑する私を見て言った。
螺旋階段を駆け上がっていって、次の階層に着いた。そこには騎士が2体立っていた。
「これがラムセスとメルカバか。」
「そうだ。」
ラムセスが真っ白な鎧に長剣と逆三角形の盾。メルカバが大きめな鎧に大盾と長剣を持っていた。
「奴らも特別強い訳ではない。」
「強行突破だ。4人に任せる。」
「「「「はい!」」」」
私達4人に任された。
「速攻突破でいくわよ!ミナ!」
「はい!」
オーバーブーストをソラちゃんに掛ける。ソラちゃんは全力でメルカバに攻撃する。大盾を構えて受け止めようとするも盾ごとメルカバを真っ二つに斬り裂いた。続いてユキさんがライフストライクを仕掛ける。それに合わせてオーバーブーストを付与!
ラムセスはユキさんの攻撃を受けて粉々に吹き飛んだ。
「瞬殺かよ…。」
「先を急ぐぞ!」
唖然とするウェスターさん、ルーティアさんは全員に声をかけて更に奥へと進んでいく。
奥には更に螺旋階段。駆け上がった先には大きな扉。
ユキさんが扉を破壊して中に突入する。
そこは玉座の前だった。
「ようやくここまで来たか。」
玉座に座っていたのは一際大きな全身鎧。
「お前がエイブラムスか?」
「俺はエンゲーラだ。」
「本物の…神なのか?」
「その通りだ。俺はアスティアを守護する神エンゲーラだ。」
ルーティアさんとエンゲーラ…様が会話している。本物の神様なの…?
「エンゲーラ様…神様は地上に干渉が出来ないと聞いたのですが。」
「お前がミナか。俺はこの地上に実体を持つことで干渉出来る様になったのだ。もう手駒に頼る必要も無い。俺がこの手でお前を葬ってやる。」
「待ってください!私は何でエンゲーラ様に殺されなくちゃいけないんですか?」
「お前達転生者は俺達の人形。争うことができない俺達の替わりに戦い、誰が一番優れているかを決める為の駒だ。」
「そんな…。」
「何勝手な事を言ってんのよ!そんな事させられるなんて聞いてないわ!」
エンゲーラ様を睨み付けるリオさん。
アウレリア様もそのつもりで私を転生させたの?
前に会った時に思い詰めた表情をしていたのは、後で事実を知ったからだったとか…?
殺し合いをさせる為に呼ばれたのが事実なら…ユキさんともリオさんやソラちゃんとも戦わないといけないの…?
そんなの嫌だよ!
ユキさんとソラちゃんが私に寄り添ってくれる。
「私はミナさんの味方です。戦うなんてあり得ません。」
「ん。あの筋肉ダルマに言われても断固拒否する。」
筋肉ダルマって、ソラちゃんを転生させてくれたソルアード様の事だよね。
「エンゲーラ様だっけ?アンタの言ってる事、信じられないな。」
マサキさんが一歩前に出て言う。
「俺を転生させてくれた神様はそんな事を言っていなかったし、ネネと争わせる様な誘導もしてこなかった。ミナ達の神様だってそうだろ?もしそこの神様が言ったことが事実なら他の転生者を出し抜いて殺す様に仕向けるんじゃないか?」
「私が嘘を吐いていると言いたいのか?」
「そうだな。仮に俺達を利用しようとしているのが事実だとしても隠すのはおかしいだろ?あまりにも非合理的だ。事実を隠さないといけない理由があったとしてもおかしい。だったらアンタがその事実を俺達に告げる事自体が出来ない筈だろ?矛盾してるんだよ。そう考えるともう一つ疑問ができるな。」
「それは、なんだ?」
「お前が本物の神じゃない可能性だよ。」
「私の存在を否定するのか!?」
エンゲーラ様の様子がおかしい。マサキさんの言う事に過剰に反応している。少なくとも今まで会って来た神様達とは雰囲気も違う。
「おいおい、話をすり替えるなよ。俺はお前が神じゃないかもって言っただけだ。お前の存在を否定した訳じゃない。」
「同じ事だ!」
激しい怒りの感情を露わにしている。
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