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神様の人形
ダンジョン崩壊
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防御魔法の外は何も見えなかった。
真っ黒な球体が破裂して辺りは光に包まれた。衝撃も轟音すらも掻き消えて辺り一体を飲み込んでいる。
私達ができるのは《ディストーションバリア》の中でただ成り行きを見守る事だけ。
「ダンジョンってどれくらい丈夫なのでしょう?」
「さあ?どうも通常の空間じゃないっぽいからそう簡単には壊れないはずだけどね。」
マリさんのダンジョンの最下層。地下墓地の中でリッチが放った《ルインブレイザー》は壁や天井、床を傷つける事すら出来なかった。
しかしこの階層の吹雪の中で放ったオーバーブースト付き《レイブラスター》は表層の雪を蒸発させ、地面を抉り赤熱化させていた。
フィールドの種類によるのかも知れないから判断がつかないけど、基本的には階層が崩壊する様な事は無いはずだ。
例外があるとしたらリソース枯渇によるフィールドの崩壊くらいだろう。
幸い今回はリソース枯渇はやっていないのでその心配はない。
あとはこの天変地異クラスの魔法がダンジョンを崩壊させない事を祈る事のみだ。
まあ私がやらかしたんだけど…。
ーーーー
私達は大地に立っていた。
その大地は空を飛んでいた。
なんだこれ。
私達の立っていた大地は《ディストーションバリア》の範囲より外側は無くなっていた。
雪原はおろか地面すら無く、空中を漂っている状態だ。
全員の無事を確認して一安心。
「全員周囲の警戒だ。」
ルーティアさんに言われるまでもなく、全員変わり果てたダンジョンを見渡していた。
空の上に浮かぶ島。私達はそこにいる。
遠くの方に沢山の滝が見える。上から下へ膨大な水が絶え間なくおちていた。
滝の上は見えない。空の彼方から水が降り注いでいるのだ。
下には何もない。
空の上。そう表現する他なかった。
「ねえあそこー。なんか変だよー。」
アリソンさんが指差しているのは滝の様に水が落ちている先。空の一部が切り取られた様に穴が開いていて、そこに水が吸い込まれている。
「他の階層に繋がっているんじゃないか?」
ダキアさんが言った。
そういえばこの階層のゲートはどこにいったんだろう?
「光の柱も見えないし、魔法の余波で消滅したんじゃないか?」
クロウさんはさっきからゲートを探してくれていたらしい。少なくとも視界の届く範囲には無いと教えてくれた。
「サチさん怒るかなぁ…。」
「怒るというより呆れているんじゃない?」
私の呟きにリオさんが答える。
「ここまでぶっ壊されたら抗議にくるんじゃないか?」
ルーティアさんは周囲を警戒しながら言っている。
「みんな!あれを見て!」
ハトゥールさんが声を上げたので全員がそちらを見る。
巨大な滝から落ちていくのはアポフィスだ。続いてトニトルスアングイラも何十匹と落下して穴の中に吸い込まれていった。
「その内リヴァイアサンとかカリュブディスとか落ちてくるんじゃ?」
「穴の規模にもよるだろうけど、大き過ぎて詰まると思う。」
エルさんとレミさんが話合っている。
上から流れているのは一層目の海水だと言う事は分かった。
やっぱりダンジョンを壊しちゃったんだね。
「私達にできるのは2つ。ここでサチが来るのを待つか移動するかだな。」
ルーティアさんが全員に意見を求める。
「サチのあの性格からして直ぐに抗議に来るかと思ったけど、今まで何も起こらない辺り向こうにも何かあったのかも知れないわね。」
リオさんは抗議に来ない場合はリソースを使って階層の修復をしているのじゃないかと付け加えたけど、今の所この不思議空間に変化は見られない。
「帰る方法もありませんし他の階層に移動してみたらどうでしょうか?例えばさっきアポフィスが入って行った穴の中とか。」
ユキさんはここに留まらずに移動するべきだと主張した。
ほとんどの人がこの意見に賛成だ。
「それならウルちゃんに乗って移動しましょう。穴をくぐれるかは近くに行って調べて見てからでもいいと思います。」
私の言った事に全員が賛成してくれた。
早速ウルちゃんに竜になってもらって全員で穴の空いている所に移動する。
穴が空いているのはかなり下の方、ウルちゃんはゆっくりと旋回しながら降りていく。
「あの穴に入って大丈夫だろうか?」
「どこにも繋がってない可能性もあるってことか?」
「ああ。その場合我々はどうなってしまうのか。」
ハナちゃんとマサキさんが話しているのが聞こえた。
確かに何処に繋がっているか、そもそも何処にも繋がっていなかったらどうなるのか見当もつかない。穴をしっかりと観察して飛び込むかをもう一度みんなで話し合おう。
穴はとんでもなく大きかった。ウルちゃんが翼を広げていても悠々と入る事が出来るほどに。
穴の周囲を旋回飛行してもらいながら中の様子を探る。すると、穴の向こう側に砂漠が広がっているのが見えた。
「あれは他の階層かな?」
「多分そうだろう。行き先があるのなら飛び込んでもいいんじゃないか?」
「ここに居ても何も始まらないからな。飛び込もうぜ。」
ルーティアさんとダキアさんは飛び込むに賛成だ。他のみんなも同意してくれた。
ウルちゃんに言って中に飛び込んでもらう。
穴の先は砂漠の階層だった。でも何か様子がおかしい。あちこちに穴が空いていて、少しずつ砂を飲み込んで広がっていた。
「この階層も崩壊し始めているな。」
「アポフィスはどこかにいるのかなー?」
クロウさんとアリソンさんが地上を丹念に調べている。
私も索敵をしてみると、地中の中に無数の反応がある事に気づいた。
「土の中に何か沢山います。」
それもかなり大きい。その正体はすぐに分かった。
砂の中から現れたのはとんでもない長さの蛇の様な生き物。1キロ位あるんじゃないかな?鑑定したらタイラントシャルペと表示された。その魔物は次々と姿を表して、砂に潜ったり飛び出してきたりしながら移動している。
「階層が壊れて逃げ惑っている感じだね。」
ミルドさんが冷静に分析する。
こちらに敵意はないらしく、どんどん遠ざかっていく。
「この階層もゲートが見当たらないね。」
「ダメージが大き過ぎて機能不全を起こしているのかもしれないわ。」
ハトゥールさんの報告を聞いてリオさんが見解を話す。
「この階層に居ても仕方ないな。穴を通って更に下に向かおう。」
幸いウルちゃんが通れる位の穴も空いていたので更に下の階層に行く事にした。
真っ黒な球体が破裂して辺りは光に包まれた。衝撃も轟音すらも掻き消えて辺り一体を飲み込んでいる。
私達ができるのは《ディストーションバリア》の中でただ成り行きを見守る事だけ。
「ダンジョンってどれくらい丈夫なのでしょう?」
「さあ?どうも通常の空間じゃないっぽいからそう簡単には壊れないはずだけどね。」
マリさんのダンジョンの最下層。地下墓地の中でリッチが放った《ルインブレイザー》は壁や天井、床を傷つける事すら出来なかった。
しかしこの階層の吹雪の中で放ったオーバーブースト付き《レイブラスター》は表層の雪を蒸発させ、地面を抉り赤熱化させていた。
フィールドの種類によるのかも知れないから判断がつかないけど、基本的には階層が崩壊する様な事は無いはずだ。
例外があるとしたらリソース枯渇によるフィールドの崩壊くらいだろう。
幸い今回はリソース枯渇はやっていないのでその心配はない。
あとはこの天変地異クラスの魔法がダンジョンを崩壊させない事を祈る事のみだ。
まあ私がやらかしたんだけど…。
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私達は大地に立っていた。
その大地は空を飛んでいた。
なんだこれ。
私達の立っていた大地は《ディストーションバリア》の範囲より外側は無くなっていた。
雪原はおろか地面すら無く、空中を漂っている状態だ。
全員の無事を確認して一安心。
「全員周囲の警戒だ。」
ルーティアさんに言われるまでもなく、全員変わり果てたダンジョンを見渡していた。
空の上に浮かぶ島。私達はそこにいる。
遠くの方に沢山の滝が見える。上から下へ膨大な水が絶え間なくおちていた。
滝の上は見えない。空の彼方から水が降り注いでいるのだ。
下には何もない。
空の上。そう表現する他なかった。
「ねえあそこー。なんか変だよー。」
アリソンさんが指差しているのは滝の様に水が落ちている先。空の一部が切り取られた様に穴が開いていて、そこに水が吸い込まれている。
「他の階層に繋がっているんじゃないか?」
ダキアさんが言った。
そういえばこの階層のゲートはどこにいったんだろう?
「光の柱も見えないし、魔法の余波で消滅したんじゃないか?」
クロウさんはさっきからゲートを探してくれていたらしい。少なくとも視界の届く範囲には無いと教えてくれた。
「サチさん怒るかなぁ…。」
「怒るというより呆れているんじゃない?」
私の呟きにリオさんが答える。
「ここまでぶっ壊されたら抗議にくるんじゃないか?」
ルーティアさんは周囲を警戒しながら言っている。
「みんな!あれを見て!」
ハトゥールさんが声を上げたので全員がそちらを見る。
巨大な滝から落ちていくのはアポフィスだ。続いてトニトルスアングイラも何十匹と落下して穴の中に吸い込まれていった。
「その内リヴァイアサンとかカリュブディスとか落ちてくるんじゃ?」
「穴の規模にもよるだろうけど、大き過ぎて詰まると思う。」
エルさんとレミさんが話合っている。
上から流れているのは一層目の海水だと言う事は分かった。
やっぱりダンジョンを壊しちゃったんだね。
「私達にできるのは2つ。ここでサチが来るのを待つか移動するかだな。」
ルーティアさんが全員に意見を求める。
「サチのあの性格からして直ぐに抗議に来るかと思ったけど、今まで何も起こらない辺り向こうにも何かあったのかも知れないわね。」
リオさんは抗議に来ない場合はリソースを使って階層の修復をしているのじゃないかと付け加えたけど、今の所この不思議空間に変化は見られない。
「帰る方法もありませんし他の階層に移動してみたらどうでしょうか?例えばさっきアポフィスが入って行った穴の中とか。」
ユキさんはここに留まらずに移動するべきだと主張した。
ほとんどの人がこの意見に賛成だ。
「それならウルちゃんに乗って移動しましょう。穴をくぐれるかは近くに行って調べて見てからでもいいと思います。」
私の言った事に全員が賛成してくれた。
早速ウルちゃんに竜になってもらって全員で穴の空いている所に移動する。
穴が空いているのはかなり下の方、ウルちゃんはゆっくりと旋回しながら降りていく。
「あの穴に入って大丈夫だろうか?」
「どこにも繋がってない可能性もあるってことか?」
「ああ。その場合我々はどうなってしまうのか。」
ハナちゃんとマサキさんが話しているのが聞こえた。
確かに何処に繋がっているか、そもそも何処にも繋がっていなかったらどうなるのか見当もつかない。穴をしっかりと観察して飛び込むかをもう一度みんなで話し合おう。
穴はとんでもなく大きかった。ウルちゃんが翼を広げていても悠々と入る事が出来るほどに。
穴の周囲を旋回飛行してもらいながら中の様子を探る。すると、穴の向こう側に砂漠が広がっているのが見えた。
「あれは他の階層かな?」
「多分そうだろう。行き先があるのなら飛び込んでもいいんじゃないか?」
「ここに居ても何も始まらないからな。飛び込もうぜ。」
ルーティアさんとダキアさんは飛び込むに賛成だ。他のみんなも同意してくれた。
ウルちゃんに言って中に飛び込んでもらう。
穴の先は砂漠の階層だった。でも何か様子がおかしい。あちこちに穴が空いていて、少しずつ砂を飲み込んで広がっていた。
「この階層も崩壊し始めているな。」
「アポフィスはどこかにいるのかなー?」
クロウさんとアリソンさんが地上を丹念に調べている。
私も索敵をしてみると、地中の中に無数の反応がある事に気づいた。
「土の中に何か沢山います。」
それもかなり大きい。その正体はすぐに分かった。
砂の中から現れたのはとんでもない長さの蛇の様な生き物。1キロ位あるんじゃないかな?鑑定したらタイラントシャルペと表示された。その魔物は次々と姿を表して、砂に潜ったり飛び出してきたりしながら移動している。
「階層が壊れて逃げ惑っている感じだね。」
ミルドさんが冷静に分析する。
こちらに敵意はないらしく、どんどん遠ざかっていく。
「この階層もゲートが見当たらないね。」
「ダメージが大き過ぎて機能不全を起こしているのかもしれないわ。」
ハトゥールさんの報告を聞いてリオさんが見解を話す。
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