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第一章後編 ハイリヒ王国復興編

フェアベルゲン休暇編⑦

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(猫人族 ユナ・パトリエット)
      そのお店はフェアベルゲンでも一、二を争う有名店で、
      此処の新鮮な果物を使った果実水とタルトが一押しです。
      あっ!果実酒じゃなくて、果実水なので、心配しなくて大丈夫です。
      新鮮な果汁を名水で割っていて、絶品です。
      それだけに日持ちがしないため、お店でしか飲めないのです。

(蛇人族 マラ・オスマヤヒ)
      元々、果実水にすると、日持ちがしないので、お店でしか飲めないです。

(なぎさ)そうなんだ、楽しみだなぁ~。

 
 お店に着くと、凄く混んでいた。行列が出来ていて、それだけでも期待が出来そうなお店である。

(猫人族 ユナ・パトリエット)
      なぎさ様、こちらです。

(なぎさ)えっ?並ばないと。

(猫人族 ユナ・パトリエット)
      大丈夫です。私の家は地区長ですから、大事な会議や来賓のもてなしなどをする為に、
      専用の部屋があります。いつもそこを使うので、並ばなくても大丈夫です。

(猫人族 甘味処クレハ店長)
      これはこれはユナ様、ようこそおいでくださいました。

(猫人族 ユナ・パトリエット)
      今日はなぎさ様を連れて来たので、よろしくね。

(猫人族 甘味処クレハ店長)
      なぎさ様!あの英雄なぎさ様でございますか!

(猫人族 ユナ・パトリエット)
      そうよ、ここは名店だから、紹介も兼ねて連れて来たの。

(猫獣人 甘味処クレハ店長)
      これはこれは、なぎさ様。ご挨拶が遅れまして、誠に失礼いたしました。
      甘味処クレハの店長をしておりますクレハ・ヤマノと申します。
      以後お見知りおきを。

 
 そういうと、深々と頭を下げた。

(なぎさ)これはこれは、ご丁寧にありがとうございます。なぎさと申します。よろしくお願いします。
    今日は楽しみにして参りました。

(豹人族 シズク・アストラ)
      あれ?家名、あったよね(ニヤリ)

(なぎさ)えっ?いや、その……

(豹人族 シズク・アストラ)
      今回の戦争で、家名が付いてなかったっけ?

(なぎさ)そ、それは、無理矢理押し付けられたんだし……

(猫人族 店長 クレハ・ヤマノ)
      是非教えていただきたく、お願い致します。

(猫人族 ユナ・パトリエット)
      家名はねぇ、フランチェスカ。ハイリヒ王国の女王と同じよ。
      それに、奴隷解放の立役者。派遣会社も立ち上げて、皆んなの職業斡旋もしてるのよ。
      給金の確保や待遇改善、住処まで用意して、給金交渉までしてくれてるわ。

(猫人族 店長 クレハ・ヤマノ)
      な、な、な、なんという……
      そんな偉大なお方が、我が店に来てくださるなんて、光栄の極みでございます。
      子々孫々まで語り継げる、自慢にございます。
      それに、先の戦争でのご活躍、演劇や吟遊詩人の語りとなっておりまする。

(なぎさ)あははは(滝汗)

 何故人族が?シズク様は何を?とざわついていたが、一部はひょっとして?と思っていたりした。
 そして、それを知ると、一斉に跪いた。

(なぎさ)あっ!いや、ちょっと、ちょっと(焦)

(獣人一同)なぎさ様ぁ~!!!

 
 そして……

(獣人:お嬢様達)きゃぁ~!!なぎさ様ぁ~♡握手してくださいぃ~!!

(獣人:少女達)なぎさ様ぁ~、触ってもいいですかぁ~!!

(なぎさ)えっ?あっ!その、わぁ~!!

 
 津波のように押しかけるお嬢様や少女達。
 なぎさはもみくちゃにされる。
 どさくさに紛れて胸やお尻を触ったり、キスや舐めたりする奴も居る。

(なぎさ)た、助けて……

(熊人族 ナジヌ・タニア)
      いいじゃねぇか、減るもんでもなし(ニヤリ)

 
 人混みもかなり減ったところで、救出される。

(豹人族 シズク・アストラ)
      はいはい、まだ今度ね。

(獣人:お嬢様・少女達)
      えー、私たちまだですぅ~。

(熊人族 ナジヌ・タニア)
      はぁ、そうか、じゃあ触れ。

(獣人:お嬢様・少女達)
      やったぁ~!!

 
 再び残りのお嬢様や少女達にもみくちゃにされる。

(熊人族 ナジヌ・タニア)
      満足したか?

(獣人:お嬢様・少女達)
      はーい!!
 

 そこに居た全員に触られ、キスされ、舐められ、グッタリしたなぎさ。

(熊人族 ナジヌ・タニア)
      人気者は大変だな(ニヤリ)

(なぎさ)ふにぁ~。怖かったぁ~(涙目)

(猫人族 クレハ店長 クレハ・ヤマノ)
      ・・・。さ、ささっ、こちらへどうぞ(引き攣り)

 
 そうしてやっと店内に入り、専用室に通される。
 もうメニューが用意されていて、お店自慢の逸品が並んでいた。

(猫人族 クレハ店長 クレハ・ヤマノ)
      こちらが当店自慢の品にございます。心ゆくまでご堪能ください。
      お飲み物は何を。

(猫人族 ユナ・パトリエット)
      このお店自慢の果実水をお願い。果実水は此処でしか飲めないから(ニヤリ)

(猫人族 クレハ店長 クレハ・ヤマノ)
      承知致しました。本日は新鮮なブドウが入荷しております。そちらをお持ちいたします。

(猫人族 ユナ・パトリエット)
      やったぁ~!此処のブドウの果実水は大好きなの。
      絶品だから、きっとなぎさ様も気に入ってくれると思うわ。

(なぎさ)そうなんだ、楽しみだなぁ。

(猫人族 クレハ店長 クレハ・ヤマノ)
      恐縮にございます。ではお持ちいたします。

 
 そう言うと、深々と頭を下げて出て行った。

(なぎさ)なんか、凄いね。

(猫人族 ユナ・パトリエット)
      そうでしょ。ここは家のお店だから。
      初代店長がお店を出す時、パトリエット家が出資したの。
      だから、パトリエット家がオーナーでヤマノ家が代々店長をやってるの。
      ヤマノ家は庶民出身で、この事業を成功させ、統治区に多大な貢献をしたから、
      男爵位と家名を与えたの。
      見ての通り、他の種族も来るぐらいの人気店だから、私たちの統治区に7店舗、
      他の統治区にも15店舗あるわ。で、此処が本店。
      店舗ごとにある程度、特徴はあるけど、本店のみの限定メニューがあるから、
      それを目当てに他区から来たりするわけ。

(なぎさ)凄いな。もし取り引きするようになったら成功するかもよ?
    試験的に王都に出店してみるのもいいかも、
    それと、中に入れるのは、どうかと思うから、境界線ギリギリのところとか。

(猫人族 ユナ・パトリエット)
      考えとくわ。もし王都に出したら?

(なぎさ)形式的に、ウチの傘下として後ろ盾になる。喧嘩売るバカは居ないだろう。
    ウチの後ろ盾=ハイリヒ王国が後ろ盾。ハイリヒ王国全面協力だから(ニヤリ)

(猫人族 ユナ・パトリエット)
      それ最強じゃないですか!なぎさ様の傘下という事は?

(なぎさ)うちの全面協力、いわゆる庇護下となる。傘下と言っても形だけだから、特に何もない。
    系列が……とか言うバカが居るから、それ防止。

(猫人族 ユナ・パトリエット)
      じゃあ、傘下料とかは?

(なぎさ)要らない。大体、故郷がやる事に、そんなものは必要ない。
    守りを固めるだけ。

(猫人族 ユナ・パトリエット)
      嘘でしょ?信じられない(驚)

(なぎさ)何故にシアの故郷絡みでそんなもん、必要ある?
    それに、第二の故郷って言ってくれたの、そっちやん(微笑み)
    それに、何故傘下か?
    ハイリヒ王国全面協力、そして貸付け金があるから、永久免税。
    当然、傘下企業にも当て嵌められる(ニヤリ)

(猫人族 ユナ・パトリエット)
      はあぁ?税金、要らないの。
        
(なぎさ)ウチらが絡めばね(ニヤリ)

(猫人族 ユナ・パトリエット)
      なにそれ、凄い。だから傘下なのね。

(なぎさ)そう、いくら後ろ盾と言っても、流石に税金は発生する。
    なら、傘下に入れて、事業の一環とすれば良い。
    中身までわからん。口出しは出来ん。
    口出しすれば、その者や家が負担して払うことになる。
    国上げての新事業、利息もある、払えるもんなら払ってみろ!状態(笑)
   
(猫人族 ユナ・パトリエット)
      ちなみに今。どれぐらい?

(なぎさ)国家予算の6割、まだまだ増える。
    最終的には今の代では払いきれない金額になる。
    条件に、庶民の生活を守るために、増税禁止、その代わり返済期限は無い。
    財務大臣曰く、利息だけの返済にして、それを理由に無期限免税にする。だそうです。
    国家予算が災害などで不足したら、新たな融資をお願いしたいって。
    だから、おそらくそれが限界で、増税すれば、国の中の関わった部分を差し押えという条件付き。
    王家の印付きだから。

(猫人族 ユナ・パトリエット)
      す、凄い。ちなみに差し押えをしたら。

(なぎさ)国が崩壊する。その時は、国ごと献上するって。面倒くさいから要らんけど。
    今のところ、街道、王都内道路、上下水道、塾、学校が今のところ8校、孤児院全て、治癒院全て、
    新設の病院、老人院、一応派遣社員もかな?後なんだっけ??

(蛇人族 クレ・オスマヤヒ)
      それ、ほんとに国が崩壊します。

(熊人族 ナジヌ・タニア)
      な、なぎさ。お前、完全に乗っ取ったな。ハイリヒ王国(怖)

(なぎさ)ぞ、そんな怖いこと……

(熊人族 ナジヌ・タニア)
      言うわ!誰が逆らえるんじゃ!

(蛇人族 マラ・オスマヤヒ)
      身の回りで変わった事、無かったですかぁ~?

(なぎさ)よくわからんけど、
    跳ねっ返りでぐだぐだ邪魔してきた貴族のお嬢様やおっさんの姿を急に見なくなったりとかはあった。

(熊人族 ナジヌ・タニア)
      お前、それ、多分、処刑されとるわ!はぁはぁはぁはぁ。

(なぎさ)えっ?そんな事は聞かないよ?

(豹人族 シズク・アストラ)
      箝口令よ!箝口令!言う訳無いじゃない!はぁはぁはぁはぁ。

(なぎさ)こ、怖い。

(狐人族 アナ・スタシア)
      相手の方が数十、いえ数え切れないほど震え上がってますよ、そんなの……

(犬人族 タニラ・ストラス)
      流石、なぎさ様です♡

(猫人族 ユナ・パトリエット)
      私たちの誇りよね♡

(なぎさ)なんかそれだと、今後やりにくくなりそうな……
    まだまだ娯楽や文化的なこと、改革とかやる予定なんだけどなぁ……

(豹人族 シズク・アストラ)
      ちなみに改革って?

(なぎさ)農業改革、林業改革、漁業改革、教育改革、河川工事。税金絡みは約束があるから必要無いと考えてる。

(猫人族 ユナ・パトリエット)
      文化って?

(なぎさ)読み書き計算を教えたから、本が読めるようになる。
    本は財力の象徴だから、庶民は高くて手が出ない。

(狐人族 アナ・スタシア)
      それじゃあ……

(なぎさ)本喫茶店をやる。低価格で読み放題。軽食や飲み物も出す。
    そうすれば、お気に入りの物語、登場キャラがでてくる。
    そこで、なりきりイベントをやる。そのキャラになりきって、衣装を着たり、集まったり、お茶会しませんか?と。
    キャラ限定から、全員集まる大イベントまで。
    本なんて、保存魔法とクリーン魔法、それに盗難防止のリターンと捕縛のライジング掛けときゃ問題無い。
    衣装なんて、自作から商品まで出来るし、個人なら無料、
    工房規模になれば正規品は権利料、オリジナルは参加料をとればいい。
    後、ゲームやスポーツ、競技大会など、儲ける材料はたくさんある。
    その資金で、塾、学校の無料化、治癒院、病院、老人院の低価格化をやる。
    孤児院は国家事業として無料にするって、だから、土地建物だけ作る。

(豹人族 シズク・アストラ)
      病院と老人院って?

(なぎさ)病院は、治癒院で手に負えない患者を預かるところ。
    老人院は、その名の通り、老人を預かる施設。家が大変なところの老人の終の住処。
    料金は、治癒院もそうだけど、その家の経済状況によって変える。
    誰もが利用出来るように、しかし、無茶苦茶やったら高くつく設定。

(蛇人族 マラ・オスマヤヒ)
      でも、それじゃあ、なぎさ様の分が……

(なぎさ)大丈夫、ユエ達も積極的に事業をやる。暇だから(笑)
    それに、ボクには、王配、宰相、財務大臣、それと日割りだけど、近衛や騎士団の指導役の給金がある。
    かなりの額になる。

(猫人族 ユナ・パトリエット)
      たしかに王配となると、かなりの額になるよね、他は?

(なぎさ)現役職者と同額、指導役は近衛騎士団長と同額を日割り計算して支給。
    他にも指導役として招集がかかれば、こちらの都合で行く。日割り計算は一人当たりなんで、
    二人いけば倍になるよね。各々の得意分野で引き受けるから、いいバイトやわ(ニヤリ)
    で、それは、自分の分としようかと。足りなきゃ使えはいい。
    商売が軌道にのれば、かなりの収益が見込めるから、大丈夫やろ。
    手広くやるし(ニヤリ)

(猫人族 ユナ・パトリエット)
      なんか、私の家の事業が霞んで見える。

(なぎさ)なんで、専属だから、その給金もあるし、なんなら、何か一緒にやる?
    こちらの計画に無いことなら、儲けも出るやん。

(猫人族 ユナ・パトリエット)
      はい、そうしたら、その時は確認しますね。
      ただし!二人の共同事業の時は、なぎさ様と折半ですからね、必ず受け取ってくださいね!

(なぎさ)・・・はい。

(犬人族 タニラ・ストラス)
      やっぱり!ダメですよ、なぎさ様!

(なぎさ)はい。

(熊人族 ナジヌ・タニア)
      オレも混ぜろ、楽しそうだ。

(なぎさ)じゃあ、広報やって。宣伝するの。

(蛇人族 クレ・オスマヤヒ)
      宣伝なら、私たちもやりますよ。
      それに共同事業も興味あります。
      ただ、なぎさ様はかなりの手駒があるみたいですから、要確認はします。

(猫人族 ユナ・パトリエット)
      ただし!なぎさ様の手駒はなぎさ様の分ですからね!
      広報としての、常識の範囲内での給金にしてくださいね!
      それと嘘を付かないこと、手駒を知らないふりしない事、いいわね!

(なぎさ)はい……

 
 そんな話をしながら、甘味を楽しむ。

(なぎさ)ほんと、ここ凄いねぇ。めっちゃ美味しい。

(猫人族 ユナ・パトリエット)
      なぎさ様のベースキャンプに比べたら……

(なぎさ)いや、違う。自然な甘さと材料の新鮮さが凄い、だからめちゃくちゃ美味しい。

(猫人族 ユナ・パトリエット)
      ありがとう。また来たい?

(なぎさ)うん、是非!

 
 その言葉を聞いて、ユナ・パトリエットは嬉しそうにした。
 なぎさのベースキャンプに慣れた自分としては、少々物足りなく感じていたが、
 そう言われてみれば、少々人工的な物と、ここの自然な物とは違った。
 そこを見抜く目は流石だと思い、物足りなく感じていた自分が少し恥ずかしかった。
 そして、甘味を堪能した一行は、帰る事にした。

(猫人族 クレハ店長 クレハ・ヤマノ)
      本日はありがとうございました。またのお越しを楽しみにしています。

(猫人族 ユナ・パトリエット)
      また来るね、クレハ。

 
 そう挨拶し、姦り家に戻った。もう別宅より姦り家の方が定着してしまったような(笑)

(なぎさ)族長はなんか言ってた?

(熊人族 ナジヌ・タニア)
      いや、何も聞いてないぞ。

(蛇人族 クレ・オスマヤヒ)
      まだ考え中じゃないんですかと。

(なぎさ)費用面は考えなくていいんだけどね。

(豹人族 シズク・アストラ)
      なぎさ様!

(なぎさ)いや、故郷のことだからだよ?

(豹人族 シズク・アストラ)
      うーん……

(なぎさ)まぁ、それは伝えておいて。

(狐人族 アナ・スタシア)
      分かりました。必ず伝えておきます。

(熊人族 ナジヌ・タニア)
      で、お前は今からどうするんだ?なぎさ様。

(なぎさ)ん?久しぶりに迷宮行ってくる。身体も動かし……あっ!動かしてたわ、激しく(笑)
    売れる部位の回収や金属の採掘をしたいから。かなり深く潜るから、タニアには無理だよ?

(熊人族 ナジヌ・タニア)
      なっ!舐めるなよ、なぎさ様!お前が行けるなら、オレも行ける!

 
 しかし、その言葉を聞いた他の者は、『なに言ってんだ?コイツ』という目で見ていた。

(なぎさ)そうお?効率上げる為に最深部まで行くけど。

(熊人族 ナジヌ・タニア)
      ・・・無理です(しょぼん)でも、採掘手伝うぐらいは……

(豹人族 シズク・アストラ)
      あんたバカぁ~?!それだと、なぎさ様はアンタを守りながら、進まなきゃいけないじゃない(ため息)

(蛇人族 マラ・オスマヤヒ)
      足を引っ張るだけですよぉ~……

(熊人族 ナジヌ・タニア)
      し、しかし、金属は重いぞ?

(犬人族 タニラ・ストラス)
      なぎさ様はストレージと収納庫をお持ちです。よね?なぎさ様。

(なぎさ)あぁ、持ってる。無限の広さと言われるぐらいの。
    中でシステム組んで、製造ラインを動かして、出来上がりをストレージに自動収納してる。

(専属一同)は?

(猫人族 ユナ・パトリエット)
      な、中に工房があるんですか?

(なぎさ)まぁ、いちいち面倒くさいから、そうしちゃった(テヘッ)

(蛇人族 クレ・オスマヤヒ)
      いやいやいやいや、テヘッじゃないですよ!テヘッじゃぁ~、本当ですか?

(なぎさ)ま、まぁ、だから、あの王都防衛戦の時、あれだけの量の武器を用意出来た。

(専属一同)・・・(どん引き)

(猫人族 ユナ・パトリエット)
      ま、まさか、ベースキャンプがいくつも収納されているとか……

(なぎさ)いや、まぁ、災害時にも備えて、とりあえず100基あっちゃったりして(テヘッ)
    ちなみに100階建てです。王都に出したベースキャンプの倍の高さ。
    人数居たから……でも、日当たり考えて、低い方にしたから。

(専属一同)・・・はあっ?!(遠い目)

(蛇人族 クレ・オスマヤヒ)
      あの50階建てのも……

(なぎさ)100基だったり……

(狐人族 アナ・スタシア)
      ということは、2基出したので、98基?

(なぎさ)いや、出せば自動補充で製造されて、在庫は常に100基だったりして。あはは(笑)

(蛇人族 マラ・オスマヤヒ)
      でも、そんな時は食料は流石に……

(なぎさ)その時用に、食料庫専用と作物生産専用のがある。繋げは問題ない。

(豹人族 シズク・アストラ)
      ・・・バカですか?なんなんですか?国作る気ですか?なぎさ様。
      いや、そんな時にはありがたいですけど……

(なぎさ)でも、流石に全員は無理だよ。その時は増産するけど待ってもらわないと。


(猫人族 ユナ・パトリエット)
      いや、いいです。大丈夫です。いくらでも待ちます。いや、待たせます。
      もはや国家規模の救済です。

(なぎさ)一応、嫁たち12人も同じ仕様だから、同じ数だけ持ってるけど。

(豹人族 シズク・アストラ)
      ちょっと待って。
      じゃあ、100建て1200基と、50階建て1200基はとりあえずあ有るってこと?

(なぎさ)ま、まぁ、そうなります。はい……
    それと同じ数の同じ大きさの魔動キャンパーがあったりして(テヘッ)

(蛇人族 クレ・オスマヤヒ)
      それじゃあ、両方で2400基地。
      いえ、1200基づつと1200台づつ……

(なぎさ)ま、まぁ、超大型はね。

(専属一同)・・・(絶句)

(なぎさ)小型もある、2人用から100人用まで。全て10基はある。
    ただ、魔動車と魔動バイクの台数はわからん。
    基本形は必ず10台はあるけど、その後は自由だから、各々好きにいじってると思う。
    まぁ、センスの見せどころかな(笑)安全装置は触らない事にしてるから、
    内装と外観とか、触れるところ以外は厳重にロックしてある。命に関わるから。
    ボクはというと、将来、魔動車レースや魔動バイクレースを計画してるから、それ用のを作ってる。
    貴族にぼった……ゲフォゲフォゲフォ……高値で売り、道路は危ないから使用不可。
    馬車、徒歩以外に自転車というのを投入する。比較的安価で庶民も頑張ったら買えるぐらいの値段で。
    あまり増え過ぎても事故が心配なんで、メインターゲットは屋敷の使用人。
    買い物とか楽になるよ。
    で、魔動車と魔動バイクは貴族の財力の象徴、敷地内でしか走れない。
    だから、レースを開催する。賞金は微々たるものだけど、名誉が手に入る。
    デカい盾や旗が渡されて、飾ると財力の象徴になる。
    増えたら、クラスを作って、順位に点数あげて、年間優勝者もつくる。
    専属プロは禁止、屋敷の者だけに限る。
    プロ作ると、負けたから解雇とかやり出すのが出てきそうだから。
    壊れるけど、超安心仕様だから、当主も娯楽でどうぞ。みたいにする。
    更に増えたら、払い下げの中古も売り、下級貴族や大商人も参加出来るようにする。
    予選会もやれば、台数が増えてもある程度可能。日数をある程度かければ、屋台の人たちも儲かる。
    参加料や売り上げの微々たる税を払ってもらえば、維持管理も出来る。
    新しい雇用も増える。整備専門や維持管理専門の職ね。
    ただし、模造品や不登録は排除する。皆んなで盛り上げて、儲かろうみたいな。
    上手く行けば、権利料、参加費、税が収入源になるから、予算も足りるだろうし、儲けも出れば最高。
    最初の製造はウチら、販売は信用できる商会、そのうち技術者が育ち、製造、メンテナンスが可能になる。
    売れる限り権利料が入ってくるし、部品やも要るから、いいかなと。
    とにかく、作れば売る、商会の取り分も考えて、ターゲットに売れる価格にする。
    軌道に乗れば、権利料を収入源にする。の仕組みは変わらない。
    イベントすれば、参加層に合わせた参加料を取る。
    庶民の娯楽も必要だから、というか、それ大事。
    人数多いから、薄利多売でも儲かる。貴族向けと庶民向けを作るから。
    参加料無料のイベントがあるが、正規品の持ち主しか参加出来ない。
    それだけに、模造品を買うと恥になる。こんな感じで楽に儲ける。
    スポーツもやる!簡単なのから投入し、頭打ちになったところで新競技をやる。また道具が売れる。
    小出しと普及がカギ!
    売り上げに対して権利料をとるから、庶民からは取らない。
    やり手の商人なら、バカじゃないから、売りまくれる価格にするだろう。
    権利料が予定では、5%と安くするから、売りまくれば、商人の手取りも増える。
    ガッチリ組むから、機嫌を取らないと切り捨てられる事ぐらい基本でしょ?
    なら、狙った価格になりやすい。当然、要相談事項だからね。
    2種類作れば普及するだろう。貴族には社交界というものがある。
    乗り遅れると恥だ。付き合いにも影響すると予測してる(ニヤリ)

(豹人族 シズク・アストラ)
      なんですか、その完璧な戦略は!
      たしかに貴族の弱みを突いてますね(怖)

(なぎさ)まぁ、ある意味、ハイリヒ王国はどうでもいい。しっかり儲けさせてもらうよ。
    貴族とか面倒だからね、か・な・り。
    庶民重視でガッツリやる。貴族は財布だ(ニヤリ)

(蛇人族 クレ・オスマヤヒ)
      怖!しかし、それだと庶民も娯楽が増え、喜ぶ。なぎさ様は儲かる。
      一石二鳥、いや、貴族という財布があるから、一石三鳥ですね。

(なぎさ)でしょ?皆んなが広報してくれるって言うから助かる。
   
(豹人族 シズク・アストラ)
      頑張るわ、任せて!

(蛇人族 マラ・オスマヤヒ)
      あの忠誠誓った人たちは?

(なぎさ)宣伝部隊。メイド長が貴族を、メイドが王宮内を、シランが近衛と騎士団、警ら隊担当。
    長年の経験からくる貴族との交渉と売り込み担当と、
    王宮内なら、知らないところは無いメイドが使用人と貴族の令嬢を揺さぶり、
    ツテを使って警備関係に触れ込みを広げるシランってとこかな。
    シランとメイド長、他メイドが50人居る。

(専属一同)なにその精鋭部隊(怖)

(猫人族 ユナ・パトリエット)
      じゃあ、私たちは……

(なぎさ)庶民を頼む。広場などで遊んで興味を引かす。
    ハイリヒ王国は手加減無用、フェアベルゲンは、手加減してやって。
    生活に支障無いなら、試作品をフェアベルゲンで試したい。だから配る予定。

(豹人族 シズク・アストラ)
      な・ぎ・さ・様、試作品は数個、後は売ります!お金取りなさい(冷たい目)

(なぎさ)・・・ハイ……

(蛇人族 マラ・オスマヤヒ)
      どこまで甘いんですか!ダメですよ!!

(なぎさ)分かりました。

(熊人族 ナジヌ・タニア)
      オレらもおんぶに抱っこって訳にはいかねぇ~からな、取るもんは取れ。

(なぎさ)はい

 
 これからの壮大な計画を話したところで、この後どうするか?となる。

(なぎさ)じゃあ、迷宮行ってくる。

(猫人族 ユナ・パトリエット)
      分かりました。気をつけてくださいね。

(なぎさ)了解!

 
 そう言うと、別宅を出て迷宮に向かう。

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