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ルイスに抱っこされながら部屋へと
向か合う途中で 何度も言ったのだけど…

「降ろしてくださる?
もう 大丈夫ですし 恥ずかしいです」
ルイスに何度も おろしてくれるように
頼むのだけれども 
堅物…いえ心配性なルイスは

「何度も申し上げております
何かあっては 私が眠れませんから
ソフィア様 お断りいたします」

結局 部屋まで抱っこされ
ベッドの上におろされた

「侍女殿はソフィア様のお世話を頼みます」

「畏まりました」

「では私は扉の外におりますので
ご自愛くださいませ」
ルイスはそう言うと 扉を開けて
出ていった


しーん



「はぁ」

「ソフィア様…良かったではありませんか」
カーラといつもお世話をしてくれる
ミーナが着替えをさせくれながら
話し始めた

「良くわないわ 恥ずかしくて」
今でも抱っこされている感覚が消えずに
顔が赤くなる

「でも 好きな方に触れていただいたでしょう?恥ずかしくても よろしではありませんか」
ニコニコしながら言われると

「確かに……恥ずかしいけども 嬉しいわ…」
今更ながら 抱っこ状態での ルイスの爽やかな笑顔を見たときの思いが蘇ってきた

「ソフィア様 良かったですね!」

「そ…そうね 恥ずかしいけど
良かったわ!」

「「ふふふ」」






隣国の王城のとある一室


「こちらで間違いは無いと思われます」
男は 椅子に座るハンカチを握る若い男にそう言った

「願いが叶う加護……」
「はい」
「欲しいな」
「はい」
「その加護を持つものが隣国にいるのは
間違いないのか?」
「出どころの者に確認いたしましたら
間違いなく隣国にいるそうです」
「加護持ちは余りいないと聞く」
「そうてございます」
「誰かまでは 確認していないのか?デイビッド」
「只今 手の者を使っての最終確認をしているところでございますれば 今しばらく……一週間程お待ちくださいませ オリバー様」

オリバーと呼ばれた男は
ソフィア達の国の隣の国の王様
デイビッドは影の役割を果たすデリー伯爵家当主

オリバーが手にしているのは
昔アイリーンが キャリング伯爵家の
貧乏をどうにか立て直す為に刺繍して
仕立て屋ミスタービッグにて 短い期間販売されていた 加護付きのハンカチ
ショーンが買い占める前に売られていた物があった
長年経ったものの 加護の力は衰えていない
その頃から 不思議な話が尽きなかった
ミスタービッグで売られていたハンカチや
ドレスを着る際につける手袋などを身につけると ささやかな幸せがある
それが……長年の噂話に尾ひれが ベロベロに長くついて 
もっていたら 
『願いが叶う』
なんて事になってしまっていた

ショーンやアイリーンは知らなかった
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